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未熟者武道記

空手徒然。
二つの戈を止める武を核とし、諸諸と調和して溶け込んで。(いけたらいいな)

細部

2015-12-12 21:01:32 | 稽古
この秋に入門した方が稽古に参加している事が多いので、色帯の方達にも復習の意味で基礎的な稽古を繰り返し行っております。

指導しながら感じるのは、今では当たり前にこなしている動きの中にも細かい動きが幾重にも重なっているのだという事。年月の重みを感じます。

本日は大きな単発の動き~コンビネーションまでにじっくり時間をかけてみました。
突きは突きの構え、蹴りは蹴りの構えと流れを断絶してしまう場合が多いです。帯に色がついていても。

そして受けた時に身体が硬直して動作がマイナススタートになる、というのは私含めフルコン愛好家が武道として大いに克服していかねばならない課題だろうと思います。

今読み進めている本に『加納治五郎と組むとまるで胴着を相手にしているようだった』という記述があります。三船久蔵氏の動きを見ていると当にそれで、師匠である加納治五郎たるや相当胴着化していた事でしょう(笑)

私が目指したいのはフルコンにあってぶつかり合いをしない此処の身のこなしであり、更に年月を重ねると辿り着けるものなのでしょうか。
歳を重ねてきて思うのは、歳を重ねる毎に辛くなる空手であってはならんと云うこと。

そこを開拓していかないと高齢化社会である現代の間にフルコンは流派も乱立しているのも相俟ってあっと言う間に立ち行かなくなるでしょうなあ。
仕込み段階である白帯の内に生涯残るものを伝えたいものです。




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声を出せ

2015-12-12 01:28:10 | 雑感
武道では「気合」とよく言われます。
声を出す事はパフォーマンス向上等にも繋がると言われます。

ですが声を出す事を躊躇う人が多いのが実際のところ。自らの意志と稼ぎで稽古に来る一般部には殆ど居ませんが少年部には必ず居ます。恥ずかしがり屋等理由は様々ですが、性格を主張するのはすべき事が出来るのを証明した後なのですがね。

気合以前に返事が小さい(しない)、挨拶が小さい(出来ない)子が間々居るのが非常に残念です。
照れ程度の感情が原因で自分を越えられない者が相手をどうこう出来る訳ないだろうと私は考えます。人対人は鏡とよく言われますが、自身の感情に負けると相手を映すことは出来ないのです。

何処でも誰にでも明るくハッキリ声を届けることが出来る人は技能どうこうを差し置いて強いなと思います。更に初対面でそこに笑顔を湛えていたら勝てないなと思わされます。

私はこの辺りに強さの核があると踏んでいるのですが遠いな…と思うばかりです。




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ズボン

2015-12-10 23:53:56 | 雑感
毎回ズボンの紐が解けた、帯が解けたとやって来る特定の子が数名。これは教育としても芳しくないと最近思っておりましたので先週に「来週から結ばへんで」と伝えていた事があっての今日…。来ました、いつものメンバーが(苦笑)

「先週言ったこと憶えてる?」→コクリ。
「じゃあ約束やから自分で結びなさい」→絶望の顔

ここで結んであげると来週以降も繰り返すのが目に見えてますので少し可哀想ではありますが放置。
何か切っ掛けがないとスイッチは入り難いものです。最終的には泣いていましたが良い薬になってくれると良いのですが。

私も習い始めの頃は蝶結びが上手く出来なくて、親や先生にしてもらうのは恥というのもありましたが何より面倒なので毎回固結びにしておりました。
しかし悲劇は起こります。とある日の稽古の終わり頃から猛烈な尿意に襲われ始めたのです(苦笑)汗を吸った固結びは子供の力では解けない。先生に言うと固結びか!と笑われるのが嫌だというのもあり我慢を選択した三好少年。

算数の苦手な頭で残り時間と押し寄せる波、帰宅所要時間を計算。よしイケる!と帰りの挨拶を終えると猛然と自転車へダッシュ。跨ると膀胱圧迫という誤算が少年の希望をさらって行きました。立ち漕ぎもブレが大きすぎて退路なし。
七つにもなって初めて起きている時にお漏らしという今でも忘れ得ぬ事故(笑)道場(公民館)を出て一つ目の角でした…

しかし翌日洗濯を終えた道着で結び方を練習し、以降トイレへの憂いを断つことが出来ました。
そんな過去を持つ私が言うのも何ですが、道着を正しく着て畳めてこそ稽古に参加する資格があると思うのです。

一人で確り着れるまでは体操着なりなんなりで差をつけて本人に焦燥感を持たせるのも必要なのかなと思ったりもしています。
思えば、うわ!恥ずかし!なんて言われなくなりましたねえ。あれから三十年を待たずして恥の文化は随分と薄れてきました。




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喩え

2015-12-10 22:32:07 | 稽古
稽古が終わってから先日の審査の際に基本稽古で注意のあった女の子が見て欲しいとやって来ました。

アドバイスをすると少し良くなるもイマイチしっくり来ない様子。急には直らないので前向きであることに一先ずは安心しました。

他の子の相手をし終わってふと目をやると、その女の子は黒帯の先輩にも見て貰っていました。肩が入り過ぎているのですが先輩もどうアドバイスすれば良いのか言いあぐねています。感覚なので表現が難しいんですよね。

例えば体重移動はよくボールを投げる様にと言われますが、女の子の多くはそんなにボールを激しく投げて遊びませんから体に感覚として持っていない場合が多かったり。なので別の表現が必要なのですがこれが一対多で教えるスタイルの最も難儀な課題でしょうね。解る人しか解らないで終わる可能性も大。

そこで再び教えていると、先ほどやった綱引きでこの子が男子より強かったのを思い出し、綱を持った時みたいに構えてみるように指示してみるとピタリとハマってくれました。腰も肩も流れない一番力の入り易いところで留められています。

さっきまで首を傾げていたのにちょっと笑顔(笑)何と無く掴めたのかなと此方も一安心。しっくりくる喩えは一人一人違うのでしょうが、喩え一つでそんなに身体への理解が変わるのかと面白さを沁み々み感じました。




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尼崎審査会

2015-12-06 19:35:35 | 審査会
冬恒例、足下凍える尼崎支部での少年部審査会。今回は受験者を少々選定した事もありスムーズに進みました。
(一般部審査会もこれぐらいなら嬉しいな~)

それでも注意、保留、不合格は出てしまうもの。結果は稽古姿勢の通りと言ったところです。

支部長と私は普段見慣れていますが、他の先生方は初めて見る皆んなの姿で判定します。そこで見せたモノが成果であったり実力であったり。

だから週たった二日の二時間から頑張る習慣を付けるのが大切なんですね。
最後、皆のオモテを見ていると今回全級纏めて行った意味はあったと思いました。

今日だけの頑張りにせず、良い意味でずっと尾を引くように願っております。


【余談】
川西教室の恭一のキャラクター健在っぷりに郷田支部長が大層喜んでおいででした(笑)
変わらない事も変わる事も両方大事ですが彼の場合は色々変わってもらわないと困るような気もするのでありました。





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