未熟者武道記

空手徒然。
二つの戈を止める武を核とし、諸諸と調和して溶け込んで。(いけたらいいな)

不合格を告げる

2016-12-02 19:10:35 | 稽古
六甲道教室での合格発表。今回は一級挑戦が一名、初段挑戦が二名。しかし昇段の二名は不合格。十年振りの男子黒帯誕生は成りませんでした。何年も見てきた子にそれを告げ目を潤ませている姿を見るのは辛い。

全ては認識の甘さと準備不足。
「なんとかならない」を知った二人が今後何を思っていくかがこの不合格の意義でしょう。

前回も触れましたが、昔の審査日程は実にいい加減なものでした。審査内容も先生の気分次第で、何をするかはその時まで分かりません。だからこそ認められたいと稽古に熱が入ったのだと思います。
今はしっかり日程が組まれて内容も固定。実に親切、そして慣れてしまえば容易いと感じてしまいがち。悪く言えば惰性。これが甘えを引き出してしまっているのでしょう。単に所謂伝統空手とフルコン空手の違いかもしれませんが。

武として考えるといつも武器を研ぎ技を磨いでいる事が準備そのもの。「明日攻め入るから宜しくね❤️」なんて無いでしょう。兵法としてはあるのかな…
ま、基本的にないとして其処がスポーツと一線を画す部分の筈ですが今やその境界線は無いに等しく。

自分の存在否定になりますが職業空手なんてあってはいけないのでしょうね。儲けが優先になるから甘くならざるを得ない場面がポロポロ出てきます。
趣味や生き甲斐?として教えていると誰に媚びる事もない方針で固められるのでそちらが是なのだと思います。私の少年空手の先生もそうでした。色々と遠慮が無い(苦笑)武道に限らずですが道は売り物にしてはならないのですよ。

時代もありますし、それに準ずるように拝金主義的になった武道界の精神的衰退もありますし、「なんとかなる」と彼らを取り巻く全てがそう思わせているのだとしたら我々の罪は相当大きいですね。

私は毎回審査内容を告げずに行えば良いと思うのです。じゃあそれを毎回組めと言われるなら組みますとも。
否が応でも頑張らねばならない状況、即ち緊張感がいつも生まれれば空手らしく武道らしく回帰していくはずなのです。今の時代を見る幼年から学んだ者としてそう思います。





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