猫とマンガとゴルフの日々

好きな物を題名に↑ 最近はゴルフとグルメお出かけ主体に。以前は1960年~70代マンガを紹介していました。ネタバレ有り。

山下 和美 「不思議な少年」 1~5巻

2007年11月16日 08時59分36秒 | マンガ家名 やらわ行
           満天さんよりお借りしています。


     山下 和美著 「不思議な少年」 講談社 モーニングコミックス


 私の年代だと 「不思議な少年」 と言うと 手塚 治虫氏 の時間を止めることが出来る 「ふしぎな少年」 を思い出します。生放送で見てました。太田 博之可愛かったなぁ。 「マグマ大使」 では江木 俊夫が主人公をやっていて、当時は少年ヒーロー役というとこの二人だったっけ。
 何を隠そう 「鉄腕アトム」 も実写でドラマになったことがあるんですよ。

 それはさておきこちらの作品、山下氏はその手塚先生のライフワークだった  「火の鳥」 を山下版で描きたいのかな、と思いながら読み始めた。火の鳥も少年も狂言回しに過ぎず、作者の描きたいのは人間そのものなんだろうと。

 しかし流石に同じ事を描くはずもなく、設定の幅は大きくなっていて、主人公の少年 (少年と青年の中間位かな) はタイムマシンのように時間と場所と性別までも自由に移動できるだけでなくて、パラレルワールドへも行き来自由らしい。読者は彼に付いて、古今東西、あらゆる場所、時間どころか、この世の物ならぬ他の世界の人間までかい間見ることになる。

 これって 世界をお造りになられた神 以上の存在ではないか ? 

 又、少年は興味を引いた人間にくっついて人生を送り、旅をしたり家族に成りすまして一緒に生活したり、執事になったり、奥さん (!) になったりしている。
 そしてその人の死まで見届けたり、している。火の鳥が時々  永遠の命を得ることになる自分の血 を人間にあげる以外は (例外的に人との間に娘を持ったりするが) 人の世を諦観とともに静かに眺めているのと比べると、より積極的に人間に関わっている。
 
 彼は時々背中に羽の生えた天使になったり、天女の羽衣のようなものを肩にふわりと掛けた格好で描かれているが、もちろんこれは人間にそう見えるようにしているだけで、演出というヤツだ。人間の歴史の合間、合間にそういった彼の姿が壁画や絵画などで留められることになる。
 が、この少年という姿ももちろん仮の姿、ということになるから、彼の本当の姿、正体って何 ?

 彼の存在自体謎だけれど、そうまでして人間に関わる彼の目的ってなんだろう ? と考えてしまう。これは 「いつでも、どこに行っても人間は同じだね」 というのが口癖の、永遠の命を持つ少年の壮大な暇つぶしなのか ?

 まだ連載は続いているようなので、山下氏がどのようにこの物語を終わらせるのか、非常に楽しみです。

 
PS. 佐藤 史生氏 「この貧しき地上に」 「鬼追うもの」 現在草稿中。これが又世界が大きくて。

 

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8 コメント

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柳沢教授好きなら。 (トミー。(管理人))
2007-11-19 10:53:21
 カツゴの母様
 柳沢教授好きなら、絶対お奨め。借りるか文庫が出たら買うかして、ぜひ読んで見て ! カツゴンママさんは好きだと思う。

>その少年は成りすましながら少し高い位置で見守るように対象に接しているのかな。

 そうなのよ~。高みで見物してるときもあるんだけど、ぐっと深く関わるときもあって、いつも同じじゃないからそれが又面白くて。

 「華子ちゃんとの生活」借りた同じ箱に入っていて、読みました。いいね~。山下氏ってなかなかいいね~。柳沢教授全部読みたくなってきました。

 >ホワイトテリアの雄ムッちゃん

 へぇ~犬猫もリハビリすると歩けるようになったりするのね。ほんとに人間と同じよね。手をかければかけるだけ元気になる、長生きできるんです。亜美嬢にもせっせと手をかけて長生きさせてあげなければ。
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いらっしゃると思いました~。 (トミー。(管理人))
2007-11-19 10:42:48
  tooru_itou様
 「火の鳥」 の話題なら絶対 tooru_itouさんが来るだろうとお待ちしていましたよ~。
 もちろん前から 「火の鳥」 は名作だと思ってましたけど、連載時のCOMを見ててもやっぱり別格でした。手塚氏は以前ほど 神様 扱いされなくなったようですが、 頂点にいる方 には変わらないと思います。
 
 すでにネットにはいっぱいあるようですが。いづれ、編ごとでもいいから何か書きたいですね。(見果てぬ夢) 
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ちょっと高いのね (カツゴンの母)
2007-11-16 21:11:59
ご無沙汰どす。カツゴンの幼稚園騒動一段落でやっとお邪魔できました。
その少年は成りすましながら少し高い位置で見守るように対象に接しているのかな。
山下和美先生の作品は唯一「柳沢教授の生活」しか集めてないから知らないけど、こちらの話も「柳沢教授」の疑問を借りて作者自身が【人間とは何だ】を考え探し続けているような気がします。読むと少し笑えて時々清々しい気持ちさえする
「タマとの生活」面白かったでしょ?孫の「華子ちゃんとの生活」もなかなかよ。山下作品読破の際は、是非、教授もお手にとって下さい。
余談 うちの近所の設備屋さんに、今年18才亜美嬢と同い年?のホワイトテリアの雄ムッちゃんがいます。一時期はドック用ベビーカーを愛用していたのですが、整体で背骨を伸ばしてから、ゆっくりながらも小一時間の散歩を自分の足でしています。長寿記録更新中!!カツゴンも公園でお友達になりました。
返信する
懐かしいデス~♪(^o^)。 (tooru_itou)
2007-11-16 18:43:27
 (太田博之)の「ふしぎな少年」とは懐かしいデスね~♪(^o^)。
好きで観てましたよー。(江木俊夫)の「マグマ大使」はそんなに
熱心に見てなかったけど・・(笑)。
(山下和美)さんの描く「火の鳥」こと「不思議な少年」ですか。
ちょっち触手が動くでふ(笑)。

>見ていて納得なのはいつも 「火の鳥」 なんですよ。やはり別格名作品なんです。
~私が「まんが好き!同盟」でも『一押しの漫画』に挙げるのが解るデショ♪(^o^)。

>書きたいものは一杯あるけど、どんどん読むもの、書くものが増える一方なんですよね~
~ホント(笑)、次々とネットで面白いマンガが紹介されて、それを追いかけるだけでも
大変なのに、文章にするってのが、なお大変!。
 前に、高揚感が長続きする作品でないと文章に纏められないって私言いましたが
この頃、そんな作品でも難しくなって来ちゃいました~(苦笑)。
返信する
おろち ? (トミー。(管理人))
2007-11-16 15:04:50
 ちと様
 楳図先生の 「おろち」 ? 連載時ちょっと見ていたけどどんな話だったかウロ。これはきちんと読まないといけないかしら。

 私もこの 「不思議な少年」 気に入って、もっといろいろ書きたかったんだけど、どうも頭が付いて行かなくて

 お互い、書きたいものは一杯あるけど、どんどん読むもの、書くものが増える一方なんですよね~
返信する
単に・・・。 (トミー。(管理人))
2007-11-16 14:53:44
 満天様
 単に 少年 を狂言回しにして、いろいろな人間の生涯 (歴史) を見させる、というだけではないように思える作品なので、今後が楽しみですよね。

 COMをネタ探しでパラパラ見ていると、一番良い作品というか、見ていて納得なのはいつも 「火の鳥」 なんですよ。他にもプロの漫画家とか、新人のイキのいい作品だとかあるんですけど、やはり別格名作品なんです。C0Mに連載されていた 黎明編・未来編・ヤマト編・宇宙編・鳳凰編・復活編・羽衣編・望郷編 以外のものも漫画喫茶で全て見たんですけど、この中には全てのまんが、もしくは全てのお話が入っているように感じました。

 あらら、「火の鳥」 の話になっちゃった。
返信する
トラバさせて下さいませ。 (ちと)
2007-11-16 14:12:56
私の記事はちょっと短いんですが、これは後でゆっくりと長々と書きたい・・・とは思ってたものです。

私も「火の鳥」との共通点は感じていました。
それと「おろち」(楳図かずお)も似てるんですよね。
これらの三作品に出て来る<狂言回し>的なものたちの違いと類似性とか・・・考えつつ、文章にまとめあげるのが難しいな~~ってまだ書いてないのです。

まずは、それらを読み返す必要があるんですけどね、そこから既に挫折している私です。。。
返信する
なうほど (満天)
2007-11-16 09:17:42
火の鳥ですか~~
そこは気が付きませんでした
火の鳥は未来で終了するんですよね
最後の人間を見守って火の鳥は何処へ行くんだろう?
寿命が短い人間は永遠の命に憧れを持つけれど
永遠の辛さ・悲しさ・切なさを描いた作品でした
この不思議な少年も近いかも

山下さんが今後この作品をどういう形にして
どう最後へ持って行くのかが、とても興味あります
大変難しい状況へ自ら追い込んでいるような~
こういう漫画にありがちな
広げるだけ広げて最後は
うやむや~ってな感じにだけはして欲しくないの~
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