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猫とマンガとゴルフの日々

好きな物を題名に↑ 最近はゴルフとグルメお出かけ主体に。以前は1960年~70代マンガを紹介していました。ネタバレ有り。

イラストアルバム 「萩尾 望都の世界」

2006年10月27日 10時38分35秒 | マンガ家名 は行
               

               


 A4サイズのイラスト集です。テレビランド増刊 イラストアルバム ⑥ 昭和53年(1978)7月30日 2刷 (あら、私が入社した年だわ) 
 94Pのうち、半ページ近くがカラーページです。「ポーの一族」 唯一のムック本という じゃっく(なんで漢字が出てこん ! 惹句) につられて買ったのに、ポーばかりじゃなかったです  ま、萩尾 望都様 好きだからいいけど。ポーのエドガーの素敵なイラストもありますが、ゴールデン・ライラックとか、詩画集にあったのやら、百億の昼と千億の夜の阿修羅とか、描き下ろしのイラストなどもあって、出版当時580円なら、お徳でしょう。デビュー前の作品や、デッサンなんかも巻末に載っているのです。

 その他、「百億~」 の原作者 光瀬 龍氏 や 中島 梓氏の寄稿文、「トーマの心臓」 の連載時の全扉絵集、とか 「ポーの一族」 の1740年から1932年までの年表なんてのまであります。ファンにはたまりません。

 私が興味深かったのは、 「九州時代の萩尾さん」 と題した、マンガ家 福山 康治氏の文章でした。

 お二人とも高校時代に初めてお会いしたようでしたが、当時の萩尾氏は、ペンもケント紙も使わずに、大学ノートに鉛筆だけで描いていたというのです。しかも、ぱらぱらと描かれたデッサンや周りに書かれたモノローグのようなアイディアなどでも、群を抜いて上手く、その世界観も現在の 「萩尾 望都」 の世界を既に内包していたというのです。福山氏も再三ペン描きを薦めたそうですが、
 
 以下まま転載
 
 萩尾さんほどの実力の持ち主ならば、すぐにでも雑誌に載るはずである。しかしなかなかペンを持とうとしなかった。まわりのものにはじれったく感じられた。
 しかし、今にして思えば、彼女はあの時期にじっくりと方法論なり、自分の世界なりを構築しつつあったのだろう。
 大学ノートにギッシリとつまったアイディアの数々、さまざまなキャラクター、現在の彼女の世界は、それらの一つ一つが色々に姿をかえ、昇華していったものであろう。

 萩尾さんがペンを持つようになってからのデビューは、あっという間だった。

 流石です。私も萩尾 望都を始めて見始めた時から、最初から上手い人だなぁと思っていた。当初は絵柄が 八代 まさこ氏 に少し似ていたが、後で何かで見たけど、当時好きで、影響を受けていたようです。でも、初期作品の 「10月の少女たち」 の中にある洋物などを見ると、やっぱり 萩尾 望都の世界 は 萩尾 望都の世界 で、誰のものでもないのです。
 絵柄も、ご本人は変わった、変わったと言っているし、もちろん 「ポーの一族」 の頃と今とは違うけれど、他の長年活躍されている女流マンガ家の方と比べたら、始めの頃と全然違うという事も無いと思うんですけど・・・。

 巻末の方に、COM が 「星とイモムシ」 というお題を出した時に描いて、結局締め切りに間に合わなくて出さなかったというお宝マンガも出てました。その時の入選者は 忠津 陽子氏 だったそうです。(!) 
 後、1度だけ COM に12Pの投稿作品を出したが、落選したとかインタビューに書いて有りました。ぐら・こんを探さないでよかった・・・。
 でも、その後すぐにプロとして各少女雑誌や、 COM に掲載されるようになったのですから、前述のペン描きするようになってからは早かった、というのもうなずけます。
 
 やっぱり書き足りない ! 又、萩尾作品をUPする時に参考として、引用させて頂きましょう。


 今 市子氏 「B級グルメ倶楽部」 1巻目 ゲット 今晩から読書予定。 るんるん 
 早く2巻目出ないかな。

萩尾 望都 「銀の三角」 何で知名度低いの?

2006年10月23日 09時46分20秒 | マンガ家名 は行
 やっと記事UP出来そうです~。ぜぇぜぇ。予告なんかしなけりゃ良かった。

 写真は私の持っている ㈱白泉社 の白泉社文庫版 「銀の三角」 1994年9月21日 初版のもの。新しいものだと思っていたけれど、既に12年経っているのですね。

 裏表紙に書いてある内容説明から、ちらちら引用すると、

6年に一度の朝を迎える惑星 「銀の三角」。そこに住む民人(たみびと)は長い金虹彩(きんこうさい)の瞳を持ち、近未来を予言する音楽を奏でる事が出来た。だが、特殊な能力を持つがゆえに、惑星戦争に巻き込まれ、絶滅したと思われていた。しかし、3万年後再びなぜか姿を現す。時空人マーリーの謎解きの旅が始まる・・・。

 とかなんとか。でもこのお話、読んだ方はわかると思うけど、あらすじはほんの取っ掛かりというか、はっきり言うと意味ないんだな。

 初出は 「SFマガジン」 早出書房 1980年12月号~1982年6月号までの連載、300ページ程です。この文庫の解説は、SF作家の 野阿 梓氏 ですが、中で

 SFマガジンはSFを書く人間にとって特別な場所である。その頃はSF専門誌も他に数誌あったのだが、その中でも SFマガジンは特殊な位置を占めていた。小説であれマンガであれ、そこに書く事はなんというか別格なのだった。

 と書いている。私はレイ・ブラッドベリは好きだったが、他のSFには興味がなく、この雑誌も買った事は無い。でもその世界では有名な雑誌だという事は知っていた。(今も ?) 始めに読んだ時は ふ~ん、あれに載っていたんじゃ、凝りに凝ってて当然かしら、なんて思ったものだ。生意気にも。

 とにかく、複雑難解な作品で、発表雑誌を選ぶというか、SFマガジンだから萩尾先生もここまでやったのよね、と言う感じか。今回、何度目かの読み直しをしたが、未だに3つか4つのポイントを、私は理解していないんじゃないかと・・・。うー。
 萩尾先生がこれ以前に描いた作品のアイデアや、SFの古典的なエピソードなども登場する。6年に一度の周期で来る婚礼 (繁殖期) の話は、「ハーバル・ビューティー」 の中で7年ごとの革命の季節という (本当は繁殖期) ことで、出てくるし、1980年のイラスト集 「金銀砂岸」 に初出している 「酔夢」 の中でも、同じ夢を繰り返し見る、実は生まれ変わって同じ出来事を繰り返している、という設定も出てくる。ただ、同じ時間を違う設定で何パターンも繰り返す、という話は、いろいろなSFで見た(読んだ)ことがある。

 「金銀砂岸」 の中で登場人物に 「時空間のトラウマの傷を治癒しようとしているとも・・・」 と言わせているが、それはまさしく、「銀の三角」 のモチーフなのだ。こちらの作品を発展させて、「銀の三角」 が出来たのかも知れない。とにかく、萩尾 望都のSF的なものがてんこ盛りなのだ。絵柄も、個人的にはこの頃のものが好きで、どのページを開いてもそのままイラスト集になりそうな美麗な描線で、私の一番好きな作品です。

 ところが、世間的には 「ポーの一族」 とか、「11人いる!」 とか、他の萩尾作品よりちょっと知名度が落ちるのはなぜ ? 掲載誌がマンガ雑誌でなかったから、当時のマンガ少女達の目には触れにくかったのか。そんなところでしょうね。

 1992年9月の雑誌 「CREA」 の大アンケートによると、「永遠の少女マンガベスト100」 の中で58位に入っている。結構健闘していると言うべきか ? 
 ちなみに、そのときのベスト10は、

1位 ポーの一族
2位 日出処の天子
3位 ベルサイユのばら
4位 ガラスの仮面
5位 リボンの騎士
6位 エースをねらえ
7位 動物のお医者さん
8位 はいからさんが通る
9位 つる姫じゃ~
10位 トーマの心臓

となっていますが、なにしろ14年前のアンケートなので、今やったら何が残って何が入るんでしょうね。

 しかし、同じ「CREA」の 私だけのベスト10 というコーナーには、吉野 朔実先生が、ダントツの一位に 「銀の三角」 を押していた。好きな人は大好きな作品なのだなぁ~。

  未読の方はぜひ一読、と言わずに多分難読になる いや 何度読みでもして下さい。
 

「きりとばらとほしと」~「ポーの一族」~「銀河荘なの!」 吸血鬼の系譜

2006年10月10日 11時56分03秒 | マンガ家名 は行
 1992年9月号のCREA(クレア)は、「THE少女マンガ!!」という特集で、漫画家さんのインタビューも多く、資料的に大変参考になります。その中で、美内 すずえ氏は、

 ひとつの作品は突然変異みたいに出てくるんじゃなくて、少女マンガ家ならある作品を見て、ああこの作者は幼い頃にあの作品を熱心に読んだんじゃないか、今あのマンガ家に影響を受けているんじゃないか・・・と言ったことが実感的に分かるんですね。

 と言ってます。判ります  そういう作品多いです。お話が同じという意味じゃ無いですよ。


 で、例をひとつ。

 石森(当時)章太郎先生の少女マンガで、「きりとばらとほしと」という作品があります。初出は 「少女クラブ」 の多分1962年頃。1部から3部に分かれた読切り短編で、三つ合わせても長いものでは有りません。
 これ、吸血鬼のお話で、1部 きり は1903年7月のオーストリア、2部 ばら は1962年8月の日本、3部 ほし は2008年9月のアメリカという設定になっています。主人公のリリが、1部で吸血鬼になり、時間を越えて生きるというお話。

 私には2部日本の巻で、リリがばらの花を折って枯れさせながら、「吸血鬼よほんものの・・・」と言っている場面が印象に残る。


           きりとばらとほしと



 さて、前出のCREAで、萩尾 望都先生が、インタビューの中で、

 以下 引用

 「ポーの一族」の発想は ? 

 不老不死の人間の話って面白いんじゃないかと。そこから思いついた作品なんですね。私が小学校のころ石ノ森章太郎さんが「きりとばらとほしと」という吸血鬼のオムニバスを描いてらっしゃるんですよ。馬車が出てくるような時代に吸血鬼にされてしまった少女が、自動車がびゅんびゅん走っている現代からロケットが飛び交う未来まで生きてるっていう物語・・・。それがとても印象に残ってて。

 と答えています。「きりと~」にインスパイアされて「ポーの一族」が生まれたんですねー。

 で、次の吸血鬼のお話は・・・。私がこの3連休に読んでいた、木原 敏江 「銀河荘なの!」 初出誌 週間マーガレット 1974年26号~44号。
 この中に出てくるマダム・セレメーとその息子3人が吸血鬼です。昔は父親や一族いたようだけど。と言っても、この一族はトランシルバニア星人という宇宙人で、昔ながらのドラキュラタイプの吸血鬼では無いという設定です。

 この作品、木原ファンサイトの「あ~らDOZI様!」の中で、いろんなマンガ家さんたちがお手伝いしているというのを読んで (なんと池田 理代子先生がメシスタントという豪華ぶり ! )、読みたくなり まんだらけ にて秋田文庫版210円で購入。


               


        私の持っているのは、秋田文庫平成11年12月10日初版のもの


 ワクワクしながら点検していくと、学園のモブシーン(秋田文庫 P42)で大島 弓子氏発見 ! さすが大親友さん。おっと、望都様も壁にかかった絵(P28)と、「ジークフリートの日記」(P69)の中と、P253には、「とつべつ出演 ポーの一族 望都画 」 とキャプション入りで麗しのエドガー様が~。
 
 その他、えっ、これって忠津陽子先生じゃ、とか、私には分からなかったけど、島津響子、花郁悠紀子、名香智子、あべりつこ、佐藤史生各先生達がアシスタントというかお手伝いというか、加わっているという話です。昔はマンガ家さんたちの交流が深かったのですね。この作品をお持ちの方は特に学園内のモブシーン、じっくり見てください。摩利と白菊 (摩利と新吾) 迄いますよ。(笑)

 えっ大事なストーリーの方は・・・。基本はラブコメですが、途中しんみりする所も。特に最後はDOZIさまのメッセージが強いです。キャラの中で私のお気に入りは、長男の女嫌いのヘルメス教授。大人の魅力ですが、この中ではどう考えても30歳代、しかも前半くらい。私から見れば息子ですけど、そんな事はマンガを読んでいる間は忘れて、どっぷりその世界に浸りましょ。

 今回のフィリップ(DOZI様名物スター) は、主人公ビクトリアの死んだ父親の売れっ子作家だった フィリップ グレイ という事になってますが、ヘルメスは彼に似ているという事で、亜フィリップです。しかし、フィリップの証拠である目頭の水滴はありません。

 この年になると、ドジで間抜けな豆だぬきちゃんの当時の木原作品ヒロインは、流石に感情移入できないけど、男性の登場人物にはすんなり入っていけます。当時から木原先生は大人っぽい方だったのね。出版社や担当さんに言われて等身大のヒロインを描いていたけど、本当はもっと後の作品に出てくるような男性(しかも美形)を主人公に描いてみたかったのでしょう。

 あら、長くなっちゃった。
 
 とにかく、こうして連綿と吸血鬼マンガは続いていくって・・・あれっ?私、1980年~2000年台のマンガ、詳しくないんだった。どなたか、この年代で吸血鬼が出てくるの教えてください ! 今は・・・無いですよねー 


 今、書きたいことが目白押しで、

 「時空を飛び越えて愛し合う男女の物語の系譜」
 「なぜ、萩尾 望都 銀の三角 は 11人いる! より有名で無いのか」
 などを草稿中です。
 
 

 10月13日、「マンガの中の吸血鬼の系譜」 を見つけたので、こちらの追加としてUPしました。          ↓


         マンガの中の吸血鬼の系譜  

萩尾 望都 「バルバラ異界」

2006年05月31日 10時22分16秒 | マンガ家名 は行
             久しぶりに 萩尾 望都 先生を読み始めた。


 これが最新作でいいんだろうか。ブック○フで「海のアリア」や「ローマへの道」などをパラパラ買って読み、「残酷な神が支配する」は、マンガ喫茶で読んで買わずにお終い。だって暗いし、重いし、進展遅いし、なにか賞を取ったようだけど、救いがなくてイマイチ好きになれなかった。美形の主人公二人にはうっとりしたけど。

 萩尾 望都先生は、もちろん「ポーの一族」シリーズから好きになったけれど、FS物も素晴らしい。FSで傑作だと思うのは「銀の三角」。
 マンガ雑誌でなく、FS雑誌に掲載されて、作者も『光栄でしかも緊張した』とどこかで語っていた。原作ありの「百億の昼と千億の夜」も面白かった。この原作は、壮大すぎてマンガでないと映像化は出来ないでしょうねー。 「11人いる!」と「続11人いる!」も家にある。私の本棚は、萩尾率高いです。
 
 「ウは宇宙船のウ」これ、わたし中学生の頃自分でマンガ描きました。原作のレイ・ブラッドベリ好きで、「みずうみ」とかも描いてみた。もちろん、14~15歳のつたない絵で、萩尾先生とは比べ物にもなりゃしませんが、あら、先生、ここはこう表現したのねなんて、見てて面白かった。 

 「ポーの一族」も、吸血鬼の怪奇物と言うより幻想的なFSだったし。

               
                 


 原作付きだけれど、「恐るべき子どもたち」も面白かった。いかにも作者が好きそうなお話。あと、家にあるのは「トーマの心臓」「ゴールデンライラック」「A-A´」、「半神」「などの短編集がちょろちょろ。「メッシュ」とか他の短編集はマンガ喫茶で読んだかな。とても全作品は揃えられません。


 で、「バルバラ異界」だけれど、マンガ喫茶に2巻目がそろっていなくてまだ1巻しか読んでいないが、う~ん、又難解そうな物語。複数の人間の夢と現実が入り混じった展開に頭が付いていけるだろうか?読み終えたら、又、感想などを。致します。

島 耕作 さん いつ社長になるの?

2005年08月17日 11時32分58秒 | マンガ家名 は行
 昨日、まんが喫茶へ行って来ました。(最近、身内が読むようになったので、こういうこと書くの恥ずかしいのですが)

 「NANA」の13巻が出たと言うのと、(まだかも)杉浦ヒナコさんの全集でも読みたいなぁと思ったんですが、見つからなくて、結局前に読みかけだった「部長 島 耕作」のつづきを読んでました。連載では取締役になって、今は常務になってますけど、私はまだそこまで読んでない。これ、私結構はまってるマンガです。男の人も好きな人多いみたい。サラリーマンは身につまされる事いっぱい描いてあります。

 もちろんマンガだから、こんな偶然ないだろとか、そんなに話が上手く行くかとか、耕作、もて過ぎとか、いろいろありますけど、そこはね、男の夢ですから。(女の夢も有り)

 私やだんなより少し年上なんですよね、弘兼憲史さん。団塊の世代真っ盛りの方です。だから、34歳で課長になってからの島 耕作の歴史はそのまま団塊の世代の方のサラリーマンの歴史そのまま。いや、やっぱり夢ですかね。大企業の取締役にまでなったんだから。いつ社長になるんだろう。なるよね。

 私、これで経済の勉強してます。ワイン業界の話、レコード業界の話、中国経済の話とか面白い。ダークな話はどこまで本当か分からないけど。まだ続きを読んでないから又行かなくちゃ。

 私が一人になれる時間です。孤独も必要でしょ。