むすんで ひらいて

YouTubeの童話朗読と、旅。悲しみの養生。
ひっそり..はかなく..無意識に..あるものを掬っていたい。

霞みのむこうの坂の町

2012年12月26日 | 旅行
先日ムーミンシリーズを読み始めてから、その名も「ムーミン」という喫茶店を見かけたり、近所には、ムーミンの家をイメージして建てられ、玄関にムーミンパパの人間大のマスコットがパイプをくわえてお出迎えしているおうちを見つけたりと、彼らがこんなに愛されてることに改めて気づく日々です


さて、前回のつづきです。
鳥羽から一日4便の定期船に乗り、三重県の離島、神島へ上陸。
漁港から斜面に集まる民家をぬけて、一周約4kmの島めぐりが始まりました。
全体が、標高171mの灯明山を中心とした山地なので、こんな階段がず~っと続きます。



海の真ん中で山登りをするのは、宙に向かって上っていくようでふしぎ。
ふぅふぅと、上りきったところにある八代神社に手を合わせ、愛知県の伊良湖岬を左に眺めながら神島灯台へ。

灯台前から望む、太平洋の遠州灘。 
大型船舶が、白い波頭と見分けがつかないくらい小さくなって水平線へ近づいていきます。



ここから、さらに山道が続き。



浜辺へ出ると、南西の空には怪しい雲が広がり、荒い風が吹きつけていました。

足を早め、町のそばまで戻ってくると、港に通じる急な坂道で、お米10キロと、同じくらいのかさの食糧を背負って家路につくひととすれ違いました。

 


タコの干物を取り入れるおばあちゃん。
「この時期が一番おいしいんよ~。」

風の強い寒い日でしたが、素朴で平穏な人々の生活が垣間見られ、今まで遠くにあった灰色の島影は、体の中で忘れていた感覚を取り戻したように、血の通った場所になりました。



雨脚が強くなり、15:45の終便の窓に霞んでいく町。 またね。


                     かうんせりんぐ かふぇ さやん     http://さやん.com/

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