むすんで ひらいて

YouTubeの童話朗読と、旅。悲しみの養生。
ひっそり..はかなく..無意識に..あるものを掬っていたい。

思考を包むすべてはオールライト

2015年11月15日 | こころ

本の好きな人たちの集まりでした。

大学院生の馬場くんが、おもしろかったファンタジー小説を紹介しました。

キャリアウーマンの北風さんはちょっと眉をひそめて、

「ふーん。そうやって恋愛とか闘いとか特殊能力が得られるとか、あるんだよね。その話の落としどころはどこなの?」

と、威勢よく尋ねました。

一拍おいて、周りのひとたちが、「それはさぁ~」と言いながら笑いました。

馬場くんがちょっとあわてて、今度はお話の中の自分の好きなところから離れて、

「えーっと、搾取されてる村があって、それを救おうとした勇者がいて・・・」

と、大筋を話しだし、兄貴分の入間さんが勘所を押さえたので、みんなどの辺で感動するか分かったような気がしました。

 

北風さんは思いついたように、

「んー。わたしね、推理小説とか始めの方読んだら、次は最終章読むんだよね」

と、空中でざくっとページをめくる仕草をしたので、驚きの声が上がり、入間さんが

「それって、おもしろいですか?」

と突っ込みました。

「だって、そうすると人と人がどう繋がってたとか、途中の展開も分かるじゃん。それからまた戻って読み直すんだよ」

「へぇー!」

「わたしさ、スポーツ中継とかも生で観られないもん。たとえば日本対ブラジルでサッカーあるでしょ。そしたらやっぱり日本応援したくなるからさ、もし負けちゃったらショックじゃん。だから録画して後で勝ったのだけ観るの。それなら安心じゃん」

「はぁぁー」

そこで北風さんは馬場くんに向き直り、

「いいよ。じゃあ、それ読んでみるよ

と、挑戦状を受け取ったひとのようにそう告げると、ノートに題名を書きつけました。

 

 

 

 

 

                           かうんせりんぐ かふぇ さやん     http://さやん.com/

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 


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