むすんで ひらいて

YouTubeの童話朗読と、旅。悲しみの養生。
ひっそり..はかなく..無意識に..あるものを掬っていたい。

欲望と糖度

2012年06月14日 | こころ
果物屋さんで、アメリカンチェリーに続いて目に入ったのは、グリーンライチでした。
すかさず、お店のお兄さんが、
「お、これね、青いけど、もう熟れてて甘~いんですよ。」

見かけからは想像できなくて一瞬ためらったものの、350円だし。
ちょっと挑戦してみることにしました。

最近、初めての食材を口にする機会が少なかったので、タイをバックパッカ―している時に、
「マンゴスチン」や、
   

「ランブータン」を


市場で試したドキドキ感が、甦りました。

この「グリーンライチ(右)」も、


イボイボの硬い皮の中身は、白くつるつるしていて、たる~んと甘い。
いつもの商店街のお兄さんだから、信じてみる気も高まったんだけど、気楽に試してみたことって、わりと思わぬしあわせのくっついてることも多い。

「欲」が暴走、してないからかなぁ。
昨日、ショッピングモールで、家族のトイレ待ちの間に、たまたま応募してみた抽選でお買い物券が当たった。
あれも、そんな気がする


え。じゃあ、期待してなかった、これもそう?

おとといの夜、デニーズでお茶をした時のこと。

店内は、ほぼ満席で、近くのテーブルには、高校生が10人ずらりと並んで夕食会をしていました。
席を案内されて通りかかると、彼らのうち8人は、みんなオムライスを前にして、ちょうど「いただきます。」しようとしているところ

もう、ファミレスのこのシチュエーションなら、騒がしくなっても当たりまえ。
と、覚悟していたのに、どういうわけか時間が経っても、お店全体が、目玉焼きの半熟黄身の中に、とろん。と治まったように落ち着いたままです。

なんでかしら
ほんとは、ほっとできそうなカフェがいいけど、心当たりのない場所だからしょうがない。と、すっかりあきらめて入ってきただけに、意表をつかれました。

お客さんひと組ひと組は、特に変わった風もなく、かえって元気いっぱいの若者グループが多いくらい。
ほのぼのグリーンがあったり、テーブル間隔に余裕があるわけでもありません。。


あぁ。でも、違いといったら、さっき注文をとりに来てくれたウェイターさんには、なんだか「おやっ」と思ったな。
なんだろう。気持ちのいい、過不足ない「近さ」みたいな。

注文した一品は、あいにく品切れだったけど、そのことわり方からは、そんな時にこれまでいろんなお店で聞いたどれよりもなめらかに、申し訳ない気持ちと、その事実が、飾り気なく伝わってきた。

こちらの心持もあるだろうな。
それに、もし、すごく食べたいものがなかったら、もう少しがっくりきて(「欲」)感じ方も違ってたかも。

うん、だけど今回は、それだけじゃない何かある
森のレストランで、誠実な鹿の店員さんがいたら、こんな感じ。というような。
注文を繰り返してくれることばは、ゆっくり丁寧で、お店の雰囲気と通じる和やかさがあった。

そう思って見たら、どの店員さんも、同じようにゆっくりと接客して、空いたテーブルは静かに片づけ、お客さんのテーブルを離れる時は、「心ここにある」会釈をしてるなぁ。

他にも、「とろ~りムード」に功を奏していそうなのは、黄色いランプや抑えめな電球色の光、小さな音で流れるピアノジャズ、シックな色合いの内装。
などなど見当たるけど、中でもやっぱり、彼らホストの醸し出してる、この感じのいい波長は大きそう。

別のシチュエーションだったら、思い思いの賑やかさを発揮してるかもしれないお客さんたちを、お母さんがあかちゃんを腕の中で揺するみたいに、その波動が包み込んでくれてるよう。


そんな演出の源は、どうやら店員さんたちをまとめてみえる風の、ひとりの女性の背中に窺われ、おかげでその日のわたしには、ふつうの箱と思って開いたら予期せずオルゴールの音が聞こえてきたような、とっておきのデザートタイムになったのでした


青果が甘かった喜びは、期待度低めの成果?
なんて期待は、高まる前に忘れませいか




                           かうんせりんぐ かふぇ さやん     http://さやん.com/


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