【歯顔大笑】

歯を見せて大きく笑おう!

17.【枕石漱流 vs 漱石枕流】

2010-05-17 | 
【枕石漱流(ちんせきそうりゅう)
        vs 漱石枕流(そうせきちんりゅう)】

あまり”歯”や“口”と関係のある言葉だとは思えない
言葉二つなんですが・・・。

まずは最初の 
”枕石漱流”は 石に枕して、流れに口すすぐ。自然の
中で隠遁(いんとん=世間を離れて隠れるようにひっそ
り暮らす事)して自由に生活する、という意味です。

次に
”漱石枕流”です。元々、”枕石漱流”と言いたかった
ものを誤って”漱石枕流”と言ってしまったのが、この
言葉です。

・・・時は三国志後の晋の時代、頭はいいがなかなか出世
のできない孫楚という人物がいました。ある時、王済とい
う人物と酒を飲んで愚痴をこぼしました。『自分はもうダ
メだ。乱世の中、出世をあきらめ世捨て人となって石を枕
に流れで口をすすぐような生活をしようか』と枕石漱流の
つもりで言った言葉が漱石枕流だったのです。 そして、
そこで王済にまちがいを指摘されたのですが、そこは頭の
キレる孫楚のこと、さっと切り返すのです。『流れに枕す
るのは耳を洗うためで、石に漱(すす)ぐのは歯を磨くた
め、これは俗世でれた体をさっぱり身奇麗にしたいのだ』
だと。

つまり、
「漱石」は俗世の卑しい物を食べた歯を磨くこと
「枕流」は俗世の話を聞いてけがれた耳を洗うこと
の意味だと言ったのです。

・・・ですが、この故事から ”漱石陳流”自体の意味は
こじつけで言い逃れすること、負け惜しみの強いこと、変
わり者、偏屈屋、屁理屈屋等を意味するようになりました。

これと同時にうまい言い逃れなので、これが「流石(さす
が)」の語源になったとも言われています。

そして、もう一つ、夏目漱石の漱石もこの”漱石枕流”から
とったという事です。 いろいろと逸話の多い話ですね。

★漱石:俗世の卑しい物を食べた歯を磨くこと。
    卑しいものでなくても、食べた後はしっかりと歯を
    磨く事は大事なことですね!