叢雲会ブログ

叢雲会 刀匠達の四方山話

職業病

2009-03-27 21:27:41 | Weblog
御両人、若いのに難儀なことで。まあ、若くて元気だからこそ無理が利いて、返って体調崩しますね。私なんぞはその辺要領よくなりましたよ。
3尺8寸。良い焼きが入ったとか。祝着至極。少しはゆっくりしなさいよ。私も思う物が出来始めました。
昨年の9,10月続けて焼きいれに」成功し、いよいよ自信が出来て来ました。出品刀もこの時出来たものです。欲を言えばキリがありません。この辺で杉田善昭伝完成としましょう。これからまだまだ長い道のりですが、先ずは、一里塚。

四十肩         生き物係善博

2009-03-27 18:34:34 | Weblog
ここ数日肩が痛いです。最近、根を詰めるとすぐに首や肩が凝ってしまいます。
松葉さんも背中の肉離れはいけませんね。きっと、身体を動かすのも大変でしょう。

今しがた、数ヶ月取り組んでいた刀にようやくまともな刃文が入りました。土日は子供の試合に付き合って出かけるので、虫眼鏡を使って焼き割れは探さないことにします。少しあまめの材料を鍛錬したので割れは無いと思いますが、割れがあったらショックが大きいので、週明けまでは探さないのです。

1週間前から、庭の樫の木に設置した巣箱にシジュウカラが住み始めました。この前、長男が野外体験合宿で作ったものです。ちょうど2階の窓から観察できるところにあるので、毎朝子供と一緒に観察しています。
居間では、貰った水槽にメダカとカワニナを飼っています。メダカは近所の鞘師さんに貰った黒メダカで、カワニナは昨日西城川で採取してきたものです。それ以外にもカマキリの卵や数種類の蟻んこも飼育しています。
子供のためと言いながら、私が一番楽しんでいます。
生き物係と呼んでください。

静養中             ひむかのクニマサ

2009-03-26 23:41:12 | Weblog
まったくもって不注意にも背中の肉離れを起こしてしまい、昨夜は七転八倒、ほとんど眠れない激痛と戦いました。
今日、かかりつけの名人鍼師にじっくり治療してもらってなんとか普通に眠れそうです。
百姓仕事で使い慣れない筋肉を動かし、不調を感じていたのに、いつものケアで間に合わせ自分の体の声を無視してしまった結果ですから、大いに反省しました。

不況をたくましく乗り切るためにも、武道を極めるためにも、体調は万全でないと!
70まで進化する身体造りのための鍛錬で体を壊してはいけませんね。


大太刀               ひむかの金太郎

2009-03-24 00:11:11 | Weblog
本日3尺8寸の大太刀に焼き入れました。
ばっちり決まってご機嫌です。

このまえ取材に来たローカルテレビの編集が軽薄で、おちゃらけたような音楽がバックに流れ非常に不愉快でした。
例えば、竹に巻いたたたみ表でツバメ返しを試みたシーンにはたしか「必殺仕事人」かなんかの暗殺のテーマだかが流れ、集中している自分が馬鹿面に見えて情けなかったです。
訪米するからDVDをくれるように頼んでいたし、写真などもすぐ返却しますので、なんて調子のいい事を言っておきながら、こっちから催促しなければナシノツブテ
この手の取材はこれで最後にしようと思います。

書き込みテスト      ビンゴ住善博

2009-03-23 08:51:20 | Weblog
お久しぶりです。
このところ春らしくなっていましたが、今朝は冷え込んでいます。活動をはじめていた蟻んこたちも地中に隠れてしまったようです。我が家のあり研究はすでに始まっていますが、今のところ私だけがのぼせております。妻には「ありきちがい」呼ばわりされていますが、この夏は、子供二人の科学研究で結果を出そうと大いなる野望を抱いていますので、かなり気合を入れています。アリ図鑑を毎日眺めているので、なんとなく蟻の違いが分かるようになって来ました。玄関前の紅梅に巣を作っているトビイロケアリを、小2になる弟の研究対象にしようと考えています。

先週は鍛錬をしていて暑かったですが、今日は仕事がしやすそうです。
これから長い刀の火造りです。

ここ1週間、メールが出来ない状況が続いており困っています。

想定外の展開    杉田

2009-03-18 20:42:19 | Weblog
私二年前まで、刀匠会の理事をやっていました。刀匠会が協会の傘下から離脱するかしないかで随分理事会で討論しました。それでその経緯は良く解っています。
最終的には全刀匠の総意の元に離脱決定した訳ですが、その謳い文句は、「自主独立して、自分たちのことは自分でやろうと」また、これが大切なのですが、「協会に反旗を翻すとか、敵対する為の物ではないと」これを基本的な考えとしていたわけです。しかしながらたった二年足らずで「新作名刀展」はこの有様。出品ついて刀匠会は何も関知しませんと言う姿勢ではありますが、結局、師弟関係、またいろいろな利害関係から何らかの圧力が働いたのでしょう。いずれにせよ、当時この件に携わった者として、少しばかり責任を感じる次第。幸い「お守り刀展」が次第に育って要る様で大切にしなければならないと思います。また、同様に「新作名刀展」も元のようならなければと思います。赤鬼言うよう本当に小さな小さな、マイナーな世界ですよ、発表の場を自ら閉ざして行く事だけは断じてしてはならないことでしょう。

産みの苦しみ                 ひむかのクニマサ

2009-03-17 08:44:28 | Weblog
よく言われるように、戦後再出発した日本の制度、思想のみならず社会全体に変革が必要な時期なんでしょうね。
我々の小さな小さな社会といえどその例外ではありえない。
ノスタルジックに過去と現状を比較しても仕方のないことですもんね。
しかし、伝統は非常に大切です。当たり前の事ですが。
変わらなくてはいけないものと変えてはならない、いや無くしてはあまりにも惜しいものがある。
協会を批判、展覧会を軽んじている人たちの意見もよくわかるけれど、私は可能な限り参加してゆくつもりです。

今私は日本刀と武道を通じた人間の解釈、人間学とでも言いましょうか、とにかく以前でしたら毛嫌いしていた一見オカルトめいた世界に熱中しています。
どうやら私の合氣道の師が説く霊的な人間像に通じているようで、ここに私の生きる道があるようです。
オームに代表されるカルトの教義と画するのが難しいですが、武術のリアリズムを柱にすることで人間学として探求できると思います。

新作名刀展    杉田

2009-03-16 21:11:46 | Weblog
この時分になると展覧会のことで盛り上がるのにどうなったのでしょうかね。
ほんの1,2年前までは、あれだけ力を入れていた」展覧会なのに、出品もしない刀鍛冶が続出してしまいました。
今年は昨年以上に出品数が減るでしょう。毎年期限ギリギリまで、より良い作品を出品したいと我々は頑張っているのに、2月になり出品期限の変更、(早まったのですが)。研ぎが間に合わなく、出品出来ない人が多く出てくるのではとしんぱいします。果たしてわたしもどうなる事かと心配ですが。多分大丈夫と思いますが。
今は、研ぎ師を始め他の職方は、大変な事になっているでしょう。時間に追われる事も問題ですが、新作刀に関し絶対的な仕事量も減ってしまったのではないでしょうか。
始めから出品しない事を決め込んでいる刀鍛冶には関係ない話でしょうが、どうなるのでしょうかね。


コシのいたさあよー      ひむかのクニマサ

2009-03-14 21:38:51 | Weblog
亡父の十八番だった「いもがらぼくと」を歌いながらクロ回しをしました。
クロ回しとはトラクターでかけない田んぼの端に鍬を入れることです。かなりシンドイ作業でくたくたになりました。
水口の補修草刈等々、いよいよ田植えに向かって準備が整いつつあります。
雨が多いので水田は沼か池のようで、カモが集団で泳ぎ回っています。今年も昨年のように順調な稲作になればよいのですが
今日は寒の戻り、一気に満開近くなった山桜の淡いピンクもどこか寒々としていました。
しかし水の中には孵ったばかりのおたまじゃくしが元気に泳ぎ、ヨモギもぐんと若芽を伸ばし、花粉症の人々は大変苦しそうで、いよいよ春本番の近いことを感じます。
明日は熊本で合氣道の有段者研修会です。

かえるの歌が            ひむかのクニマサ

2009-03-13 09:15:09 | Weblog
むかいの山桜が3分4分咲き、今年も雨が多くはや蛙の大合唱がきかれます。
自然は温暖化の進展を驚くほど明瞭に示しています。
「古代文明と気候大変動」というとても面白い本を読みました。
年間降雨量のほんの数ミリの上下、平均気温のわずかな変動で何千万の人間が死へと追いやられ、1000年の営みがあっけなく滅んでゆく...。
高度に発達し磐石に見える我々の文明といえど、大規模な地球規模の気象変動には実は全く無力で脆弱なものであるのではないかと、考えさせられる本です。
それと竜門冬二の小説、「上杉鷹山」を読みました。
ご存知の方も多いでしょうが、彼はここからさほど遠くない高鍋町にあった高鍋藩秋月家から米沢上杉家へ養子にいき、藩主となったのち破産寸前だった米沢藩を劇的に再生した名君として知られています。
秋月家は学者肌の名君を輩出し藩内は学問熱が高く、このあたりでも「高鍋で学者ぶるな」と昔から言われていたそうです。
当時の学問は朱子学、学問を修めるとは聖人への道程であったわけで今日の勉強とは趣が相当違いますね。

テキサスでのこと、竹を貰いに行った先のマーシャルアーツ道場(日本武術系)で、話のついでに刀を抜いて見せたら「やめろ、撃ち殺すぞ!」と脅されました。
もちろん腰にためて居あい抜きをしたわけではなく、左手にコイクチを持って刃を上に抜く、作法に適った動作だったけれど、光を見た瞬間ハリウッド映画に出てくる血の気の多いゴロツキよろしく大声で恫喝するのですからあきれました。
今まで談笑していたのにその豹変ときたら
実弾入りショットガンを身近に準備し、敵意の無い者に見境なく誇示するこの指導者がどんな武術を教えているのか...
稽古は見ませんでしたが、壁に合氣道の文字もあり、悲しくなりました。

そこで貰った竹は恐ろしく肉厚で穴が小さく重い、とても珍しいもので斬るには渾身の力が必要でした。
我ながら上出来の演武を見せて、日本刀と武道の心を説いたのですが、研ぎ澄まされた日本刀が愛と平和のシンボルとも言える、なんて話はアメリカ人、なかんずくテキサス人の心には届かなかったかもしれません。