叢雲会ブログ

叢雲会 刀匠達の四方山話

小刀会    備後住人善博

2010-01-30 22:15:39 | Weblog
広島から3人,東京から1人,計4人の方々が安来白紙鋼でナイフを作りました。
一人,指を研いで血がにじんだ方がいましたが,その他には怪我もなくナイフも
焼き割れせず無事完成しました。
きっと,帰りの車の中では小刀の話題で盛り上がったことでしょう。

鍛造,ヤスリ仕上げ,焼き入れ,研磨,銘切りを経て自分で使える小刀が完成するのですから,きっと楽しかったと思います。
鉄工所や金属メーカーなどの新人研修にも使えるカリキュラムだと思います。

小刀会も回数を重ねているので,私も随分と要領がよくなりました。
でも,一人で対応できるのは5人ぐらいまでのようです。
今日は少し時間もあったので,5寸釘のペーパーナイフも作りました。
ペーパーナイフは奥さんへのお土産になるかもしれませんね。

来週からは,また新たに刀を作り始めますばい。

短刀    備後住人善博

2010-01-28 16:01:46 | Weblog
先程、短刀を研ぎに出しました。
無事研ぎ上がりますように!

昨日から2代目のたたらが始まっていますが、
こんなに暖かいと高殿内は暑くて大変です。
やはり、たたらの時期は雪がないといけませんね。
雪が降っていないと、絵にもなりませんし。

明後日は遠方から小刀を作りにおじさん達がやってきます。
私も気分転換です。
来週から、キズを出さない!鍛錬を始めます。

幻の名刀    備後住人善博

2010-01-26 12:51:40 | Weblog
先週末、完璧な刃文の入った短刀を仕上げていました。
もう少しで刃がつくところで、フクラに小さなキズが出てしまいました。
他にキズはないので、すぐ取れると思い研ぎ込んでみました。
しかし、結局取れずに短刀はお釈迦様になってしまいました。
あ~~~・・・。

これまで、いったいどれだけの刀をボツにしてしまったことか。
いい焼きの入った時ほどキズが出るような気もしないではありません。
独立して以来、キズの出ない作刀方法を考えていますが、未だに良い方法は見つかっていません。

キズが出てがっかりするのは鍛冶屋だけではないと思います。
何とかきれいに研ぎ上げたいと思っている研ぎ師さんも、鍛冶屋以上にがっかりすることでしょう。
いつもいつも申し訳ありません。

何かいい方法はないものだろうか・・・

噂をすれば、話題にすれば、、、、、。     杉田

2010-01-25 19:58:18 | Weblog
早速に研ぎ師さんから電話がありました。完全に仕上がるには早すぎるので、左程ドッキリではありませんでした。銘切りと、ハバキ、鞘の為帰ってきたきたのですが、何とか無事仕上がりそうです。やれやれ。
考えて見れば研ぎ師さんも大変な仕事ですね。折角手間隙掛けても、何時傷が出るかわからないのですから。古い刀剣なら、「しかたありません」で済むのでしょうが。現代刀の場合、製作した人間が生きているのですから。ついついその面倒を見なくてはなりません。電話する方も嫌な物でしょうね。「むにゃ、むにゃ、」と電話して来るのは大変な親切心と解釈しましょう。

研ぎ師からの電話   杉田

2010-01-22 18:49:56 | Weblog
特に仕上がり前頃掛かる電話は、ろくな事がありませんね。イヤイヤ私も大変なショックですよ。焼入れでの失敗などは、屁とも有りませんが。
横田は雪があるのでしょうね。中国山地の山間は、結構雪降るんですよね、西条でも零下6度ですか、これは厳しい。
この2,3日全国的に春のような陽気でした。こんなときは、寒気に備えすみきりです。寒い寒いと言っても、屋内の仕事でもあります。それに火を使う仕事、ありがたしありがたしです。

たたら     備後住人善博

2010-01-22 13:29:21 | Weblog
昨晩、仕事が終わってから横田のタタラ場に焼酎の差し入れに行きました。
一代目と言うこともあり、見学者もなく鞴の音だけが響くたたら場で皆黙々と作業しておりました。

坪内さんは就寝中でしたが、三上村下が燃え盛るたたら炉に砂鉄をくべておりました。
写真が小さく申し訳ありません。
三上さんの勇姿です。

患者を・・・       備後住人善博

2010-01-19 21:45:17 | Weblog
殺すのにメスは要らない。
という話があることを,先日お会いしたお医者さんが教えてくれました。
聴診器を当てて難しい顔をする。それを3回もすれば死んでしまうそうです。
健康な私でも,人間ドックの数値が少し悪いだけで,かなりビビってしまう
ですから,お医者さんに難しい顔をされたら,本当の病気になってしまうかも
しれません。

昨夕,気合を入れて焼き入れしようとした時に電話が鳴りました。
集中力が途切れるので,一瞬,受話器を取るかどうか迷いました。
電話は研ぎ師さんからで,研いでいる刀にキズが出た,とのことでした。
ガーン!
ショックで焼き入れする気力が萎えてしまいそうでした。

この時期,刀鍛冶を殺すのにもメスは要りません!
ちょっと・・・研いでる刀が・・・もにょもにょもにょ・・・
というだけでほとんどの鍛冶屋はビビり上がってしまうでしょう。
全国の研ぎ師さん,できるだけ電話をなさらぬよう。

防府の仙人ぐらいになると,それぐらいの電話,屁でもないかも知れません。


放射冷却     備後住人善博

2010-01-18 09:15:39 | Weblog
今朝8時過ぎの気温がマイナス6度でした。
仕事場の水桶も薄氷が張っています。
凍てつく西城川にはかもたちが浮かんでいます。
忙しいですがバードウォッチングの季節でもあります。

今日は天気もよく日中は気温が上がりそうなので、
気分よく仕事が出来そうです。
奄美では、あと1週間もすればヒカンザクラが見頃になるようです。

知床旅情        備後住人善博

2010-01-15 22:31:37 | Weblog
月曜日,東広島市の賀茂カントリークラブで,森繁久弥さんをしのぶ会が催されました。
記念の品々に混ざって,私の鍛えたお守り短刀も展示してありました。
帰り際に森繁久弥さんのCDをある方に貸して貰い,それ以来すっかり知床旅情に
はまってしまいました。
弟子も独立し,現在一人で仕事をしているので,誰の目(耳?)も気にせずに
鍛錬場で知床旅情を熱唱しています。

今から20年近く前の修業時代の事です。
機械を使いながらの作業中,その当時流行っていた歌を鍛錬場で大声で歌っていました。
機械の音が非常にうるさく,だれにも聞こえないと思っていたのです。
ばかの一つ覚えで,サビの部分だけを繰り返し熱唱していました。
ところが,仕事を終えて部屋に戻った時,
「久保君の歌い声がよく聞こえたわよ!」と奥さんに言われてしまいました。
その時の恥ずかしかったこと・・・。

今日,一人鍛錬場で知床旅情を熱唱しながら,その時の事を思い出していました。
私の鍛錬場の周りは田んぼなので,たぶん聞いていた人はいないはずです。
もちろん,ピリカもいません。

雪杉田

2010-01-14 21:11:25 | Weblog
皆さんいよいよエンジンが掛かってきましたね。私も長物に取り掛かってますよ。また焼き入れ記念日がやって来ますし。
それにしても寒い日が続きます。防府「は温暖な所で雪は」珍ししいのですが、一昨日は結構ふりました。朝仕事場へ行くのに大装備。長靴、手袋、厚手の靴下2枚、毛糸の帽子、ウインドブレイカー、シャベル、を車につみこみいざ出陣。積雪6センチ位なのですがね。仕事場は山の上でかなり急勾配なのです。ノーマルタイヤ、その上いい加減磨り減っていますからね。たちまち立ち往生してしまいます。雪の降らない地方はこんなものです。いままで何度か車を捨てて雪中行軍したことがありましたよ。この度は無事たどり着けましたが、寒い。部屋の中が、マイナス2度でした。かつては、こんな畳の無い部屋で、コタツひとつで暮らしていましたね。部屋の中で吐く息が白かったですね。
短いものは、二振りできました。近いうち研ぎに出します。長ものができないかなー。少なくても昨年よりはよいものを。
画像掲載ありがとうごじました。みなさん見てくださいね。