叢雲会ブログ

叢雲会 刀匠達の四方山話

続弟子志望   杉田

2009-06-25 20:37:34 | Weblog
昨年から、今年に掛け、熱心な弟子志望の若者でした。初めて受け入れに心動いたのでしたがやはり止めました。心動いた理由は、「私の作る作品を見て、どうでも弟子入りしたいとの事」うーん、泣きたくなっちゃうじゃあないですが。彼なりに事前に調べ、深く考えての事でした。危うくOKと言う所でしたが、心鬼にして諦めてもらいました。
刀鍛冶になる為には最低5年の内弟子としての修行しなくてはなりません。
5年ですよ。確かに今まで30年間刀鍛冶としてやってきましたが、何時も向こう三月か、半年が危うく、とても一年先は見えない状態でした。弟子を取る訳にはいかないでしょう。皆さん立派に弟子を育ておられるようで、それぞれ仕事もあり、経済的にも安定しているのでしょう。今のご時世で、向こう5年の仕事など考えられませんが、其れなりの見通しがあるのでしょう。
また、続く。



焼き入れ    ビンゴ住善博

2009-06-25 19:12:51 | Weblog
先週から焼入れをしていますが、ようやく調子が出てきた感じです。
随分と短刀を割ってしまいました。

たたら研究の原稿も進めています。今年は、かなり面白い発表が出来そうです。
俵国一先生が問題提起して以来、誰も解けなかったたたらの謎が、明快に解きほぐれてきました。
かみさんには自信過剰と注意されますが、今年の発表は、自己採点100点です。
執念、技術力、そして少ない知力を振り絞って纏めたものです。
予想通りに実験結果が出た時の喜びは何ともいえませんね。
これで終わりではなく、まだまだネタがあるので、たたら研究はもう少し楽しめそうです。

うちの弟子は、もうすぐ独立して、秋からは岡山で仕事を始めます。
いま、最後の刀造りに励んでいます。
私にメールしてきた刀鍛冶希望者は、自己紹介無しですのでどこのドイツ人だか分かりません。
メールアドレスのところに名前があったので、かろうじて名前は分かりました。
無事誰かの弟子になれたら、長船の研修会でいつか会うでしょう。