M's 備忘録

「頭蓋咽頭腫」という脳腫瘍の闘病記を主軸に、
日々の備忘録をブログにつづります。

年末からの波乱万丈33(頭蓋咽頭腫と血管奇形、転院先血管奇形治療前夜 )

2010-09-28 22:16:10 | 闘病記
とうとう明日となりました。血管奇形の手術。
今日から入院です。
今日は入院するだけなので、手続きが終わったら、
後は治療の説明まで、なにもすることがありません。
売店でマンガを買って、少し暇つぶしです。

暇つぶしをしてたら、看護士さんから色々と明日の準備を説明されます。
 ・今日中にお風呂に入っておく。
 ・カテーテルは足の付け根から入れるから、下の毛の処理が必要。
  (自分でやりました。)
 ・足の血栓予防に、ストッキングを履くので、
  そのストッキングを用意する。
  (結局、病院に用意してもらいました。^^;)
 ・明日の9時以降は食べてはいけない。
  (朝食は8時なので、食べてもOK。)
 ・明日の10時以降は飲み物を飲んではいけない。

そして、自分でやる準備をして、夜七時からの説明を待ちました。




・・

・・・


やっと七時です。
相方も仕事を終わらせて駆けつけてくれました。
いよいよ主治医の先生より、治療内容の説明です。

まずは、私の病状についての説明。
病名ですが、正確には「硬膜動静脈瘻」だそうです。
硬膜の動脈が、静脈に流れ込むことで血流を停滞させて、
静脈が破れて出血してしまう可能性のある状態です。
私の場合、左脳側の静脈に対して発症しており、
出血すると目からの情報を受け取る部分の脳に障害が発生し、
視野狭窄(左脳なので右目)が起こる可能性があるそうです。
出血しないまま、症状が進行した場合、血流の停滞により、
視野狭窄が発症することがあり、それでこの病気が見つかる
場合もあるそうです。

で、手術による合併症の発生などのリスクもあるのですが、
放っておいて出血するリスクのほうが高いので、
治療するそうです。

次に手術についての説明。
今回は、左右の足の付け根から、それぞれカテーテルを
入れて行う「血管内治療」だそうです。
具体的には、以下の通りです。
 ・発症している静脈に、カテーテルを入れていき、
  そこで金属製のコイル(プラチナだそうです)を入れて、
  動脈から流れ込んでいる部分を塞ぐ。
 ・その場合、動脈の流れを見るために、動脈側にも
  カテーテルを入れる。(塞がっていく様子が確認できる。)
 ・治療中は、常にCTを撮っている状態にして、
  血流の状態を常時見ながら行う。
 ・血が固まらないように、血をサラサラにする薬を投与する。
 ・感染の恐れもあるので、抗生剤も投与する。
 ・術中は軽い麻酔をかけるので、眠った状態での手術になる。
 ・基本的には静脈側を塞ぐ(2時間位)だけで終わる予定だが、
  それだけで塞ぎきれない場合、動脈側からも塞ぐ(1~2時間位)
  ことになる。

そして、手術におけるリスクの説明です。
 ・手術中に出血する可能性があり、出血するとなかなか
  血が止まらなくなり、脳に障害が起こる。
  (血をサラサラにしている為に止まらなくなります。
   これでも視野狭窄が起こるそうです。)
 ・血栓ができて、それにより脳梗塞が起こる。
  (手足がしびれる程度のことで、リハビリで治るらしいです。)
 ・カテーテルを頻繁に出し入れするので、カテーテルから菌が
  感染する。(その為に抗生剤を投与する。)
 ・カテーテルを入れている箇所から出血する。
 ・足の血管に血栓が出来て、それが肺に入る場合があり、
  その時は呼吸が出来なくなって、突然死する。

と色々と詳しく説明して下さいました。

主治医の先生が執刀して下さることを確認させて頂いたところ、
「血管内手術は、資格を持った医師が行うことになっており、
 この院内では、私だけです。」
と心強いお答え。

最初の想像より、かなり難しい手術であることを理解したので、
相方は主治医の先生に安心しながらも心配を隠せないでいました。

かくいう私は、「もう大丈夫」という気になってまして、
術後1日経ってからやっと食べられる食事の心配を
しているところです。(^^;


先生が「ちなみに」な説明をしてくださったのですが、
あまりにもビックリすることでした。

なんと、手術に使用する「コイル」ですが、「プラチナ」なので、
非常に高い!んだそうです。
ちなみにコイル1本が12万円位だそうで、1回の手術に
20~30本程使うそうです。
この「コイル」の代金だけで300万円位!!!
保険適用で3割負担にしても、100万円!!!!

高額医療費申請を薦められました・・・・。orz

年末からの波乱万丈32(頭蓋咽頭腫と血管奇形、退院後14 転院 先血管奇形治療前検査)

2010-09-21 19:29:26 | 闘病記
いよいよ来週に迫ってきました。血管奇形の治療。

今日は治療前の検査をたっぷりです。

今日のメニュー
 ・血液検査(7本分たっぷり採られました。)
 ・レントゲン撮影
 ・心電図
 ・血液凝固検査(血の固まる速度の検査です。
         名前は・・・、勝手につけました。^^;)
 ・尿検査(病院に着いて直ぐ、トイレを済ませたので、
      一番最後にして、頑張りました。)

検査が終わったら診察ですが、この検査結果を
基にしたものでなく、私の現在の状態の確認でした。

 医.前回の診察から、なにか変わったことはありますか?
 私.無いです。

 医.体の節の痛いのは、良くなりました?
 私.変わらず、痛いです。
 医.痛いのはどこですか?
 私.手の指の関節と、膝が痛いです。
   特に、寝ている状態から起き上がるのが辛いです。
 医.血管の治療が優先だから、先に治療をしますが、
   症状が続くようであれば、整形外科で診て貰いましょう。

 医.デスモプレッシンは、夜2回ですか?
 私.はい。夜2回です。
 医.夜、目が覚めることは無くなりましたか?
 私.はい。尿意で目が覚めることはなくなりました。


ここで、診察は終了なんですが、最近ちょっとした変化が
あったので、伺ってみました。

 私.あの~、実は疲れ目の目薬を両目に点していたんです。
   それで、目薬が目に当たった感触が、左目にはあるのに
   右目には無かったんですね。
   で、ここ最近になって、その右目にも目薬の感触が
   あるようになったんです。
   これって、何がどうなったんでしょう?
 医.それはですね。目の「知覚神経」も痛んでいたんでは
   ないでしょうか?
   そして、その「知覚神経」が回復したんだと思われます。
   ただ、あくまで「知覚神経」と「視神経」は別物で、
   「知覚神経」が回復したからといって、「視神経」も
   回復するとは言えないんです。
 私.そうですか~。(ちょっと残念)
   でも、「神経が回復した」っていうのは、
   良いことですね。ありがとうございます。


こんな変な質問にも丁寧に答えていただき、
後は入院に関する説明を受けて、帰りました。

治療の詳しい内容は、また入院してから説明して頂けそうです。
まだまだ、問題はありますが、中々良い方向に進んでいる
気がします。

年末からの波乱万丈31(頭蓋咽頭腫と血管奇形、退院後13 転院先血管奇 形治療確定)

2010-09-08 19:51:52 | 闘病記
疲れが溜まっているせいか、
更新が当日できないでいます。(T_T)

昨日は、9月1日に行った血管造影検査の結果を聞く日でした。

予約の時間は、午後だったんで、お昼余裕を持って
病院に向かいました。
治療方針の話もしていただくので、相方も今回は参加です。

偶然にも、途中で相方と合流して病院に着きました。
受付を済ませたところ、予約の時間まで結構時間が
あったので、病院の食堂でご飯を食べることに。

食堂でいざ食べようと食券の販売機の前に立ったとき、
相方がメニューにないものを見つけました。

「すじ煮込みうどん」

無性に興味が沸いて、私はそれを食べることに。

そこでなんと!、主治医の先生がいらっしゃって、
「こんにちは~」
と爽やかに挨拶していただきました!
なんとフレンドリーな先生でしょう!
二人して感激です。
(今までかかった病院の先生は、すれ違っても会釈すら
 無かったもので・・・。)


食事を済ませていよいよ診察です。


今回も、詳しく説明して下さり、とても分かりやすかったです。
血管造影検査で撮影した写真を見ながらの説明で、
どの血管が悪くて、どのような状態になっているのか、
とても丁寧に説明して下さいました。
(内容としては、前回の診察とほぼ同じです。
 ただし、今回は血流がおかしくなっている部分を、
 実際の写真で確認できました。)

そして、この血管奇形ですが、残念ながら治療を
したほうが良いという判断でした。
カテーテルを入れて、異常な静脈血管にコイルを入れて、
静脈の流れを正常にして、ガンマナイフでさらに
動脈とつながっている部分を治療するという、
二段階の治療だそうです。

この治療に関するリスクのお話です。
 ・治療するカテーテルは静脈に入れる。
 ・治療中には、血管の状態を見ながらになるが、
  動脈はそのままだと映らない。
 ・なので、動脈にもカテーテルを入れて、
  動脈が映るようにしてやる必要がある。
 ・動脈の血流は、異物(カテーテル)が入ると、
  血が固まる性質がある。
 ・血が固まらないようにする薬を投与するが、
  絶対に固まらないというものでもない。
 ・血が固まると、その塊がどこかの血管を塞ぎ、
  脳梗塞を起こす可能性がある。
パーセンテージとしては、かなり低いそうですし、
私自身安心しきっているので、あまり心配には
なりませんでした。

治療の入院日数ですが、先生によると1週間位だそうです。
(開頭手術ではないので、体力の低下も心配しなくて
 良さそうです。)
予後の状態により、もう少し早く退院できるかも知れない
そうですが、色々とこちらの都合もあり、そうなっても
一週間は入院させて欲しいと伝えました。


血管奇形の治療の件は決まったのですが、
折角なので、色々と現在の症状で相談させて頂きました。
 1.コートリル錠の副作用のせいか、
   体の節々が痛い。
   →最初は足の関節程度だったのが、最近では
    手の関節も痛く、手をグーにするのも辛いです。
 2.夜、尿意により目が覚めることがあり、
   それが1時間半~2時間に一度という頻度。

1.の件については、「コートリル錠を減らす」ことになりました。
現在、朝晩それぞれ1錠ずつでしたが、今後は朝1錠のみです。
先生いわく、
 「コートリル錠が原因かどうか分からないが、
  減らすこと事態問題ではないので、減らしてみて
  症状が良くなれば、コートリル錠が原因とみましょう。」
だそうです。他の原因で無いことを祈ります。

2.の件については、「デスモを夜2回のみにする」ことになりました。
現在、朝晩それぞれに1回ずつでしたが、以前私が朝忘れていたにも
かかわらず、大変な事にならなかった事を伝えたところ、
「じゃあ、夜増やしましょう」という事になりました。
やらないで済むなら、なるべくやらないほうが良いようです。

と、ここまでも丁寧に答えていただき、相方と二人、
とても安心して帰りました。
薬の飲み方を変えたことで、他に良いことが起こるのでは?
とまで考えちゃいます。


そして、今回の診察で大発見をしました。
「病院の食堂の
『すじ煮込みうどん』は、

めっちゃ美味しい。」


病院の食堂、恐るべしです。


年末からの波乱万丈30(頭蓋咽頭腫と血管奇形、退院後12 転院 先血管造影検査)

2010-09-04 16:02:44 | 闘病記
疲れが溜まっていたのか、更新が遅れました。

9月1日に、私の血管奇形の状態をより詳しく確認する為、
血管造影検査を行いました。
1泊2日の検査入院です。

朝一番に、相方と入院手続きに行ったところ、
丁度主治医の先生がいらっしゃって、そのまま
私の病状についての説明をして頂きました。

「硬膜動静脈血管奇形」

これが私の血管奇形の正式な病名です。
脳の外側に、脳を包み込むように膜があり、
それを硬膜と言うそうです。
その硬膜は、2層構造になっていて、
その2層の間を静脈が通っているそうです。
で、その静脈になんらかの原因で、穴が開いて、
その穴に脳の動脈がつながってしまっている状態が
今の私の脳にあるようです。
静脈に動脈がつながっていると、動脈の流れが
静脈に行き、以下のような状態になるそうです。
 ・動脈の勢いで、静脈で逆流が起こる
 ・静脈で逆流が起こることにより、血流が停滞する
 ・静脈の壁は動脈の壁よりも弱く、
  動脈が流れ込むことで、静脈の壁が破れ、
  脳内出血を起こすことがある

この説明を、模型も使って、大変詳しく丁寧に
教えていただきました。
(あまりの分かり易さに、思わずメモを取るのを
 忘れ、時間が経ってしまった今となっては、
 ちょっと間違って覚えているかもしれません。
 間違っている場合は、すぐ訂正します。)
ただ、頭蓋咽頭腫の手術をした病院の主治医の説明と、
まったく違っていたので、ビックリでした。
(これで、また前の病院に対する不信感がつのりました。)


今回の血管造影検査は、手首からカテーテルを入れるそうで、
検査後すぐにも歩けますし、2時間後には食事もOKだそうでした


頭蓋咽頭腫の手術をした病院では、いきなり足の付け根から
でしたが、主治医の先生いわく、「腕からが基本で、
腕が無理な場合に、足の付け根から入れます」だそうです。
う~ん。あの病院だと腕からは難しかったんですかね?

今回の血管造影検査は、見る場所が限定(左脳のみ)なので、
検査時間も短くすみそうです。

検査の一時間程前から、まず点滴をします。
(これは、検査中もしたままでした。)
いざ検査時間になると、そのまま検査室へ。
検査台に寝て、頭を固定する器具に頭を入れます。
続いて、カテーテルを入れる手首に麻酔を刺します。
(この刺す瞬間が、なんとも痛くって。)

後はカテーテルを入れて、検査となります。
麻酔がうまく効いているのか、ガンガンと
入れられている感触はあるものの、
全く痛くありませんでした。

で!造影剤の投入です。
左側の頭から顔から首のあたりまで熱くなり、
熱さで奥歯がちょっと痛いくらいでした。
前回の検査とやり方が違うせいか、
何故か熱くなるのは、頭だけでした。

検査が終了したら、カテーテルを抜いて、
手首の止血です。
カテーテルを入れた部分にガーゼのようなものを
あてて、透明なテープのようなものを巻いて、
止めています。
テープと手首の間になにか挟んでありましたが、
エアキャップみたいなもので、空気を入れて
膨らませることで、テープの縛りをきつく
しているそうです。


このエアキャップがあたっている所が、
痛くて痛くて・・・。
徐々に空気を抜いてくれるんですが、
それでも痛くて。
朝、退院直前までずっとこのままだそうで・・・。orz



結局、朝、テープを取ってもらうまで、
痛くて辛かったです。(T_T)

この検査の結果をもって、どのように
治療するか決まります。
一番楽な方法になればいいなと願ってます。