トーキング・マイノリティ

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見ました!鬼滅の刃 その四

2021-05-05 22:11:05 | 漫画

その一その二その三の続き
 最終巻表紙からも無惨を倒し、禰󠄀豆子も人間に戻るラストと想像はつくが、やはり無惨は強すぎた。平安時代から生きている鬼の王だから当然だが、無惨もかつては人間だった。にも関らず、心臓や脳が複数もある化け物になったのやら。但しこれを言えば、鬼や鬼殺隊の能力も非現実的になるので、あくまでファンタジーなのだ。

 最終巻で最もインパクトがあったのは、主人公が鬼になってしまうこと。鬼狩りが鬼となり、日光も日輪刀も効かない最強の鬼と化す展開には驚く。鬼になった炭治郎には、無惨との戦いで既に体力を消耗した鬼殺隊は全く歯が立たず、善逸や伊之助の訴えも耳に入らない。
 そんな炭治郎を救ったのは、鬼から人間に戻った禰豆子と後に妻となるカナヲ。そして珠世が作った薬が効いたので、女性3人の働きが大なのだ。妹を人間に戻すため戦った主人公が、ラストで妹に救われるという展開もニクイ。

 最終205話「幾星霜を煌めく命」は、現代東京が舞台となっている。炭治郎とカナヲ、善逸と禰豆子、伊之助とアオイが夫婦となり、彼等の子孫がこの回に登場している。結婚後の主人公たちの人生は描かれていないが、どのカップルも夫は妻の尻に敷かれそう……と思ったのは私だけか?鬼平には主人公の意味深いセリフがある。
何事につけ女が大人しくしているのは当座のことよ…女は盗賊よりも恐ろしい生きものじゃ

 人気が出るほどアンチも増えるが、中には的外れな見方をする者がいる。「【悲報】女性記者「”鬼滅の刃”禰豆子の竹筒は『女はしゃべるな』みたいに私には思える」(2020年12月29日)という記事の見出しだけで、バカバカしいとしか言いようがない。こうほざいたのは、山田道子なる元サンデー毎日編集長。
 作品を批判するのは結構だが、この一言だけで鬼滅の刃を読んでいないのが丸わかり。試しに山田道子で検索したら、アニメ嫌いで有名だったことがまとめサイトにあった。批評するなら最低限でも作品に目を通すのが筋だが、山田のみならず作品を読まずして批評する音楽、映画評論家がいるのだ。

 東京新聞の望月衣塑子が見本だが、日本ではロクに取材しない者がスター記者扱いとなっている。これでは女記者というだけで蔑まれるようになるのは当然だ。私も女記者と聞いただけで、もう雑魚記者のイメージが付きまとう。無能な女記者ほどフェミニズムを語るようだ。
 対照的に作家・民俗学者の畑中章宏氏は、「『鬼滅の刃』の竈門禰豆子は、なぜ〈竹〉をくわえているのか?」という教養溢れるコラムを書いている。

 阿呆丸出しの山田に対し、「『鬼滅の刃』が女性に支持される理由「隠れ専業主婦願望」も影響か」という記事は一見マトモに見える。この見方は相模女子大学客員教授で、『専業主婦になりたい女たち』(ポプラ新書)著者の白河桃子氏。
 白河氏の『専業主婦~』は未読だが、「以前、私が行った調査では、女子大生の実に44%が『隠れ専業主婦願望』を持っていました」という発言から、己の調査を作品にこじつけているとしか思えなかった。果たして氏もちゃんと鬼滅の刃を見ているのか疑問で、曲解を疑いたくなる。ちなみに白河氏はよしもとクリエイティブ・エージェンシー所属であり、タレント教授だった。

 公式写真を公開せず、自画像を常にワニのイラストにしている吾峠呼世晴さんは実は女性という。一般に少年誌に連載漫画を投稿する漫画家は男性という固定観念があるが、女性であの作品を描いたのは偉業としか言いようがない。満足な記事も書けぬ山田道子や望月衣塑子のような女記者など、早く筆を折ってほしいものだ。鬼滅の刃第5巻には、哲学的とも思える作者の言葉が載っているので引用したい。
人生とは基本的に努力をしても報われません。報われた時は奇跡が起きているんだと思います。今の奇跡は応援してくださる皆さんのおかげです。皆さんありがとう、ありがとう

◆関連記事:「女記者たちへ
スター記者とフェイクニュース
専門分野で間違える専門家たち

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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
鳳山さんへ (mugi)
2021-05-07 22:39:34
 作品を読めば、「禰豆子は基本『助けられるヒロイン』」どころか、兄の主人公を助ける戦うヒロインなのが分かります。鬼だから主人公より強い。ロクに作品を見ず、読解力も疑問なクズ記者が雑誌編集長をしているのだから、雑誌の売れ行きががた減りするのは当たり前です。

『覇王伝説驍』という漫画は初めて知りました。wikiを見たら、スケールの大きなストーリーのようですね。今の時代、才能ある女性は漫画家に、文才なしの女はブンヤになるのでしょう。
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Unknown (鳳山)
2021-05-07 10:01:13
禰豆子の竹筒は私でもわかりますよ。作品も読んでいないのに的外れな批判をする人間って最低だと思います。

吾峠呼世晴さんが女性なのは知っていましたが、私が一番衝撃を受けたのは覇王伝説驍(たける)の島崎譲さんが女性だと知ったときです。確かに絵は少女漫画チックでしたが、あのストーリー展開は男性でも描けないと思います。
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Re:予定調和 (mugi)
2021-05-06 22:15:56
>motton さん、

 繰り返しになりますが、漫画をまず見ていないため(つまり読み慣れていない)、予定調和は想像も出来ませんでした。この作品は何も考えず、夢中になって見ていたので、子供の読み方と同じです。確かにファンタジー作品では「闇落ち」は良くあるパターンでしたね。

 40年も経て新作エピソードが発表された少女漫画もあるので、ヒット作では続編が作られることは珍しくないのでしょう。私にはこれほどのメタ読みは出来ないし、最近の漫画の質は下手な小説を完全に上回っているようですね。
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牛蒡剣さんへ (mugi)
2021-05-06 22:10:07
 スポンジ頭さんからも、トンでも鬼滅批判があることは聞いていました。韓国併合やら世界大戦が書かれていない等は、単なる難癖です。それを言うならトールキンの指輪物語だっておかしい。「娯楽作品の批判はあくまで面白い面白くないを第一起点でやるもんだとおもうんですがねえ。」という正論は連中に全く通じない。

 80年代前半だったと思うのですが、中共の機関誌で水滸伝を取り上げ、宋江が皇帝に下ったのは果たして正しい行為か否か?等と大真面目に論議していたことが河北新報に載っていました。古典でも政治論争のネタにするのには唖然とさせられましたが、鬼滅批判はその亜流に見えます。共産主義と中華思想のコラボ。

 フェミ松速報!というサイトは初めて知りましたが、さっと目を通しただけでゲンナリです。日本をこき下ろしつつ、日本に居座る他ない「老処女」(※韓国語で行かず後家)か、ザパニーズネカマが正体でしょう。拙ブログにも10年以上前からザパニーズ「老処女」が張り付いているので、連中のパターンは大体想像がつきますよ。

 笑えるのは連中は自分たちを非難する者を低層ネトウヨと決めつけていますが、内容から連中こそ低能特亜ネトウヨでしょう。しかし、それなりに教育を受けた女にも異常なフェミがいる。↓のツイートで初めて「ルッキズム」という言葉を知りましたが、こんな女に日本語を教わるのは悲劇です。
https://twitter.com/nippon_ukuraina/status/1387415363743191042
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予定調和 (motton)
2021-05-06 11:26:29
炭治郎が最強の鬼になるのは、残念ながら予定調和です。あのようないわゆる「闇落ち」は良くあるパターンなのです。主人公が救ってきた者たちに、自身が救われるというのも良くあるパターンです。

ただし、あのシーンはメタ的な必要性もあるのです。
ラスボスの因子が人知れず残って復活するというパターンで続編が作られることが良くあるのです。(多いのは、子供に因子が遺伝するパターン。)
だから、あのシーンを入れないと続編が作れるわけで、それを先取りしてあえて排除しています。(現代編はトドメ。続編を作らないという強い意志の表れでしょう。良く編集部が許したと思います。)

ただ、蛇足でしかないので比較的サラッと解決したのは上手いかと思います。

最近の漫画は、私のようなこうしたメタ読みする人が相手なのですよ。そのメタ読みを上回らないと読んでもらえません。
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Unknown (牛蒡剣)
2021-05-05 23:58:57
 私が見ただけでも鬼滅批判でトンでもな奴はいくつかあります。大正時代なので韓国併合で苦しむ朝鮮人の苦悩が描かれてない!とか第一次 第二次大戦が描かれておらず、歴史を美化している!とか。
こういうこじつけめいた政治歴史批判に持っていくのが理解不能です。大正時代に鬼なんていねーよバーカです。娯楽作品の批判はあくまで面白い
面白くないを第一起点でやるもんだとおもうんですがねえ。何というか文化大革命開始の号砲となった
「海瑞罷官」みたいに娯楽も政治的棍棒に作りかえ
炊くて仕方ないようなクソぷっりが伺えます。

フェミ視点の基地外じみたこの手の批判は最近
ある種の芸に思えてきて、最近私の重点的「毒電波
観測地点」ですわW。一周してギャグとして楽しめるようになってきました。
 多分MUGIさんの記事のネタとして使えると思うので、面白いまとめサイト挙げておきます

フェミ松速報!ttps://femimatsu.com
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