トーキング・マイノリティ

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見ました!鬼滅の刃 その二

2021-05-02 21:40:15 | 漫画

その一の続き
 鬼滅の刃には人間、鬼問わず個性的かつ魅力的なキャラが大勢登場している。この作品が大ヒットしたのは、悪逆無道の鬼を倒すストーリーよりもキャラそのものにあるのではないか?鬼たちの中には鬼殺隊以上に強い印象を残すキャラが少なくない。
 鬼と言え日本の伝統的な鬼と違い、ホラー映画以上の強力な技を持つ怪物である。鬼滅の鬼について、以下のコメントがあった

鬼滅の刃 (motton)
2021-04-26 16:18:10
『鬼滅の刃』の「鬼」の元ネタは、日本の鬼ではなく、西洋の(フィクションにおける)吸血鬼です。
・日光に弱く、夜にしか活動できない
・血を求め血を介して眷属を創る
・特定の物質(ニンニク・聖水、藤の花)に弱い
・特定の武器(銀の弾丸、日輪刀)で殺せる
・不死だが特定の部位に弱点がある(心臓、首)
・バラバラになって逃げる
・美しく魅了の能力がある

『鬼滅の刃』は伝説(酒呑童子安倍晴明など)や神話、宗教(高野山など)、思想(五行など)を使っていません。おそらく意図的に徹底的に排除してます。その結果、作者のみが神になることができ、予定調和がなくなって登場人物がどうなるか予測ができなくなっています。
(これは、分かっていても、相当の技量がないとできないと思います。)

しかし、「鬼」の設定だけは、上記のように非常に分かりやすい元ネタがあります。(あと、「柱」の設定は『聖闘士星矢』の黄金聖闘士ではないかと思います。)
これはなぜなのか考えていたのですが、分かりやすくしたことで、物語の謎解きよりも登場人物の行動や心情に関心が向くような仕掛けになっているのかもしれません。

『聖闘士星矢』は名前だけは知っていたが、これまたアニメ、原作共に見ていない。何しろ漫画に疎いため「柱」や呼吸法の設定は斬新でユニークと唸らせられたが、吾峠呼世晴さんのオリジナルではなかったようだ。motton さんからは2021-04-28付でも以下の指摘を頂いた。

黄金聖闘士も「柱」と同じように代替わりしたり、主人公達は、孤児の少年(漫画だと異母兄弟)が集められて鍛えられた同期だったり、他の設定も良く似ています。
ちなみに、吸血鬼や呼吸法などは、やはり少年ジャンプ連載だった『ジョジョの奇妙な冒険』に良く似ています。(第2部の敵は「柱の男」だし)
パクリというより、少年ジャンプ全盛期の世代になら背景説明無しで受け入れられるフォーマットをそのまま使った感じです。(物語の設定や謎解きをあえて封印するため?)……

『ジョジョの奇妙な冒険』さえアニメ版を3回程度見ただけであり、作者が仙台出身だったことも数年前に初めてネットで知った始末。2021-04-29付でスポンジ頭さんから頂いたコメントにも、次の文章がある。
ジョジョでは呼吸法を使って吸血鬼を倒すのです。「波紋の呼吸」と言いますが、吸血鬼が死ぬのも、この呼吸法で太陽エネルギーと同じ性質のエネルギーを生み出せるからです……

 つくづく私はアニメ・漫画に関してはどうしようもない情弱だと感じる。上記のことを教えて頂けなければ、鬼滅の刃への他作品の影響は知らずじまいだったろう。
 吾峠呼世晴さんは「好きな漫画について、「『ジョジョの奇妙な冒険』から『クレヨンしんちゃん』まで何でも好き」と答えている」(wiki)。「柱」や呼吸法が他作品からの借り物だったとしても、鬼滅の刃は第一級のエンターテイメントなのは間違いない。
その三に続く

◆関連記事:「鬼と日本人

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