トーキング・マイノリティ

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白土三平作品の正しい見方 その二

2021-11-09 21:50:11 | 漫画

その一の続き
 私のレスに対し、翌日くもり氏から再びコメントがあった。以下はその全文。

こんばんは (くもり)
2007-02-01 02:53:23
とても丁寧な返答ありがとうございます!いえいえその通りだと思います。マルクス史観論者の作品ゆえ悪質だ、という単純な先入観で作品の正しい見方を押さえ込んでしまっているのでは?ととってしまったものですから。あと「偏向劇画」言葉自体からは私も人皆偏向と思っているものですから引っかからなかったのですが、本文の流れから併せて突っかかってしまった次第です。

ただ一つだけ横槍を入れさせていただくと、学者までヨイショはこの作品の数年後のことです(大きくなるのは10年以上後でしょうか)。
この作品発表の当時はやはり子供たちに大きな衝撃を与えたようです(といっても一部ですが)。当時としてはありえない考えですが白土三平はやはり大人を意識してこの漫画を描いていますね。「目的に生きている人間はその目的を失ったとき精神が壊れる」という難しい要素は子供には理解が難しいですからね。自分で書いておいてなんですが私も「もしかしたらこの作品は読者(子供)無視かも」とか考え直してます(^^;。作品表現に誇張はつきものですが、その多さが批判の対象になるのは仕方がないとも思います。ご存知の通り白土三平の目論見は成功し、この後漫画は評論の対象となり、大人漫画表現へと発達していくのですね。勉強になりました。ありがとうございました。

 文面は丁重だが、言い訳と横やりはしっかり入れている。そこで私からも思う存分に反論した。

再度コメント、ありがとうございます (mugi)
2007-02-01 21:32:00
くもりさん、再びコメントをありがとうございます。

>作品の正しい見方を押さえ込んでしまっているのでは?
劇画の見方など十人十色です。彼方は何をもって「正しい見方」を定義するのですか?
白戸ファンといえど、見方は様々でしょう。自分の見解だけが正しい見方と思い上がる傲慢かつ狭量なファンなのですか?この言葉だけで彼方の思考性が垣間見えますね。
私は「人皆偏向」とは思いません。人間は複雑で多様性に富むものであり、少数でもバランスの取れた見方が出来る方もいます。偏向が激しいのは狂信者。マルキストが偏向しているも共産主義という“欠陥宗教”を、未だに信仰しているから。

この作品の発表された数年後に学者たちがヨイショしたというなら、彼らは白戸より遥かに悪質かつ学者の責務を放棄した連中ですね。
学者なら史料文献を手にする機会は誰よりもあったはず。にも係らず、何が真実か学術研究もせず、人気劇画家の作品を讃えた。それなら戦前ろくな研究もせず、ひたすら皇国史観を書き連ねた学者と全く変わりない。右か左に奉仕している学問に過ぎません。
もちろん何処の国にも御用学者はいますが、このような学者どもは時代と共に弾劾され、葬られて当然の輩です。

私が記事にした馬鹿講師が教鞭を取っていた時、既に'80年代となってましたが、一応彼は一流大学卒業でした。このような愚かな研究者や学者がかつては大手を振っていたのです。
(中略)
他人のブログ記事に「批判するのは如何かと」と何とも歯切れの悪い(「書くな!」とは言えないのでしょう)突っかかりだけなら、小学生でも出来ますよ。言い訳がましいコメントをしても本音など分かる。
日本は言論・思想の自由があり、白戸の劇画を讃えたり擁護する自由はありますが、同時に批判する自由もある。彼方は「歴史の空気を正しく知るためにはかなりの勉強が必要」と仰いますが、たとえ勉強しない人でも意見する自由があるのをお忘れのようですね。
ただ、白戸をヨイショしていた学者がいい例ですが、勉強したところで思い込みからモノが見えない人も珍しくもない。

昨日04:03:31、今日02:53:23の深夜に2度のコメントをされるくらいなので、彼方は時間に余裕のある方とお見受けいたしました。白戸作品や当時の歴史をかなり勉強されているでしょうから、是非ブログを立ち上げて、自説を開陳さなっては如何でしょう?期待しております。

 今回の記事名もくもり氏の、「単純な先入観で作品の正しい見方を押さえ込んでしまっているのでは?」の箇所から付けた。氏の言う処の白土作品の“正しい見方”とは、白土は勉強家で洋書もよく読んでおり、「45年前の、子供に真実を隠す世論の中で、リスクを一人で背負い批判の中で人間の負の部分を知ってもらおうと生み出した作品」だから、それだけで評価に値し、歴史捏造には目をつぶれとしか見えない。

 だが、単純な先入観でしか歴史を語れないのこそ当人である。「歴史の粗を見つけることは誰にでもできます。ただ歴史の空気を正しく知るためにはかなりの勉強が必要だと思います。」の箇所だけで、歴史記述の何たるかを全く分かっていないことを晒している。
その三に続く

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