goo blog サービス終了のお知らせ 

面白く、そして下らない

私は批判をして何かを為した気になっている大衆の一人に過ぎないが、何か少しでも波紋を起こす小石になれればと書いている。

トランプはカーターか?

2019-10-15 23:56:10 | 政治
今さら言わずとも知れたことだが、米国は海洋国家であり海軍大国だ。

つまり米国は陸軍大国ではないということでもある。

優れた陸軍大国が同時に海軍大国を兼ねることはできない(その逆も然り)

からだ。地政学の掟

世界大戦でも始まれば別かもしれないが、米国の海兵隊を含めた陸軍の動員力には限りがあるということだ。

いや第一次、第二次世界大戦でもドイツ(帝政ドイツ、ナチスドイツ)と消耗戦をするのは帝政ロシア、ソ連に任せ人命の損耗は抑えている。

大日本帝国との戦争も主役は海軍で大日本帝国の陸軍を殲滅する無意味なことはしていない。島国の日本は海軍が全滅すればあとは煮くなり焼くなり好きに料理できる。

もちろん科学技術が第二次世界大戦の域に達していてのことだ。幕末のペリーの戦力では戦争を仕掛けられても継戦能力(もちろん占領もできない)はないと見切り、江戸幕府は開国はしても他は譲歩しなかったとの見方もある。

山本五十六が真珠湾攻撃さえしなければ日本開闢以来の外国に國が占領される悲劇を防げたと考えている。米国を本気にさせなければ満州と朝鮮半島を喪ったとしてもどこかで講和できたはずだと。

それはさておき本題だ。トランプはシリアに駐留していた米軍を撤退させた。そこにすかさず動いたのがトルコだ。シリアに軍隊を侵攻させた。クルド人武装勢力を潰すために。

冒頭に書いたことを思い出して貰いたい。米国は優れた海軍大国であり陸軍大国ではないということだ。

だから原則として中東やアジアなどで関与政策を採る際は同盟國ないし、武装勢力を探し出し「代理人」として血を流させる作戦を採る。

しかしトランプはシリアから撤退した。クルド人を利用するだけ利用して見捨てたのだ。

米兵の人命を尊重した戦略かもしれないが、クルド人を見捨てた事実は動かない。

第二次世界大戦以後大国同士の戦争はないが、戦争は無数にあり大国であれば犠牲を出すことは避けられなかった。第二次世界大戦以後の日本は経済大国であっても「大国」とは呼べない。臆病者の成金でしかない。

その汚名を甘受しても戦争で自衛官、国民の犠牲を出さなかったことはあるいは良いのかもしれない。しかし戦後日本は北朝鮮に拉致された国民を奪還できない国家とも呼べない国家もどきだ。自国民を救えない国家に何の価値があるのだ。

また日本は緊縮財政で「経済大国」の名称さえ喪失しようとしているが。

トランプのクルド人を見捨てる戦略は米国国内からも批判が出ている。米兵の人命尊重も度が過ぎれば臆病者と受け取られる。米国は「世界の警察官」を辞めたかもしれないが、国家もどきの戦後日本とは違う。世界最強の超大国なのである。

世界はどの地域も微妙な力の均衡で成り立っている。そこに超大国米国が撤退すれば他の國がその空白を埋める。今回はトルコだ。軍事力をなくせば平和が訪れるなどと考えているのはお花畑の9条信者だけである。

ボルトンを解任したことでただでさえトランプは侮られている。トランプ外交大失策ボルトン解任。北朝鮮、イラン、ロシア、支那はトランプ与し易しとみて強気に出るだろう。

トルコのエルドアンがトランプ与し易しとみてシリアに侵攻したのだ。トランプはトルコに経済制裁を科したがエルドアンにも面子がある。易々とは引けない。

何より安全保障上の利益は経済上の利益に常に優先する。国内にクルド人を数多く抱えるトルコはクルド人国家を誕生させることは好ましくないのだ。

トルコがシリアに侵攻しても日本は何もできないし、安倍晋三は何もしないだろう。トルコに対する非難声明を出したりはしない。菅官房長官が記者会見で政府の立場を尋ねられてもいつも通り「コメントを控える」のではないか。

中東の不安定化も民間人に犠牲が出ることも避けたいがどうにもできない。

トランプはカーターに見える。トランプには史上最弱の米国大統領カーターが重なって見えるのだ。

私は米国の北朝鮮交渉が何より心配だ。トランプは北朝鮮の核保有を認めるのではないか。その恐れが高まる。拉致問題も拉致被害者を取り戻せず賠償だけさせられないか。拉致敗北。それを防ぐ手立てはあるのか

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 日経新聞の狂気。公共事業予... | トップ | 三橋貴明はれいわ新選組から... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。

政治」カテゴリの最新記事