面白く、そして下らない

私は批判をして何かを為した気になっている大衆の一人に過ぎないが、何か少しでも波紋を起こす小石になれればと書いている。

拉致敗北。それを防ぐ手立てはあるのか

2019-02-16 20:59:37 | 北朝鮮・韓国
~~引用ここから~~
拉致被害者の田中実さんに妻子
北朝鮮、日本に14年伝達

 北朝鮮による日本人拉致問題を巡り、政府が被害者に認定している神戸市の元ラーメン店員田中実さん=失踪当時(28)=が結婚し平壌で妻子と共に生活していると、北朝鮮が日本側に伝えていたことが15日、分かった。2014年以降の両国の接触で複数回、伝えてきた。日本政府関係者が明らかにした。

 政府が「拉致の可能性を排除できない」としている田中さんと同じラーメン店の店員だった金田龍光さん=同(26)=にも「妻子がいる」と伝達。田中さんと金田さんの帰国意思は「ない」と説明した。日本側は2人と面会していない。
~~引用ここまで~~

米国というよりトランプの態度がそれまでとがらりと変わり「金正恩に恋した」と気色の悪いことまで口走るようになった。米国と北朝鮮の「野合」はあるかで懸念したように支那牽制のために米国が北朝鮮と劇的な「和解」を遂げる可能性もありうるのだ。

そのタイミングで拉致被害者の報道。今まで箝口令でも敷かれていたのか表に出てこなかった情報が出てきた。これの意味するところはなんだ。拉致被害者数人の帰国で拉致問題は「解決」したことにされ、日朝平壌宣言に基づき北朝鮮に天文学的な「賠償」をさせられるのではないか。何度も繰り返している懸念である。それが「拉致敗北」であり「日本処分」だ。

実のところこれは自分のオリジナルの持論ではなくジャーナリストで評論家である青木直人の「予言」を自分なりに咀嚼したものだ。

「敵の敵は戦術的な味方である」という地政学の言葉がある。それに従えば北朝鮮が支那の属国になりたくないのだとすれば米国と手を組むことは大いにありうる。北朝鮮が米国陣営に寝返ればオセロの角を取ったようなもので米国は支那に対し一気に優位に立つ。支那の首都北京のすぐ側に核武装した敵対国が存在することになるのだから。

逆を言えば支那にとってはもっとも嫌なことであり避けたいことだ。だから金正恩の異母兄金正男を飼っていたのであり、叔父の張成沢は北朝鮮国内で親支那派の筆頭だった。だから二人とも粛清された。それにより金正恩は首のすげ替えや有力者を使っての内政干渉に先手を打ってを防ぐことができた。これを見れば支那と北朝鮮の関係は必ずしも良好一辺倒だけではないとわかる。

日本からすればこのシナリオは悪くはない。現在の最大の仮想敵国支那を牽制してくれる存在が現れるのだから。ただし日本にとり最重要課題である拉致被害者全員の帰国なくしてはありえない話だ。また北朝鮮に莫大な「賠償」をさせられるのも避けたい。

北朝鮮が米国に寝返るに当たっては「旨味」が必要だ。具体的には崩壊した経済を立て直すための金だ。しかしコスト意識に五月蝿いトランプが米国の予算から出すとは思えない。議会や世論も首を縦に振らないだろう。世界銀行からの融資、これもあるのかないのか。

そこでお鉢が回ってくるのが世界のATM·日本である。日朝平壌宣言に「植民地支配の賠償」というもっともらしい口実もある。拉致問題を「解決」させ、北朝鮮経済を再建させ、支那に対抗できる国に育てるための資金を拠出させる。そんなシナリオがホワイトハウス奥の院にある気がしてならない。安倍晋三も拉致被害者を見捨ててそれに乗るのではないか。そんな懸念がある。

冷戦中の最前線国家は韓国だった。日本は韓国に日韓基本条約をはじめに様々な便宜を図ったものだ。米国に図らされたものも多い。犠牲にしたものも少なくない。技術漏洩により日本の家電企業はサムスンにぼろ敗けだ。それが今ではすっかり反日国家(李承晩時代から反日だが)で米国のコントロールも効かない。その最前線が北朝鮮にまで上がるということだ。

北朝鮮が寝返るのは結構なことだが、拉致問題だけはうやむやにできない。最悪4桁に及ぶ拉致被害者がいるのだ。国民を救わずして何の国家か。もし拉致被害者を見捨てるなら日本は滅んだ方が良い。そんな腐った国家に存在価値はない。また政府に国民を見捨てないよう日本国民は絶えずその声をあげる必要がある。

戦略上北朝鮮への「経済支援」は避けられないかもしれない。しかし拉致被害者の最後の一人までの帰国。これがなくば北朝鮮支援はびた一文まかりならん。国民は絶えず政府にそう言わなければならない。またそれが対米国、対北朝鮮外交での交渉のカードになる。拉致被害者全員の帰国なくば北朝鮮支援はありえないと。

それが「拉致敗北」「日本処分」を避けるうえで日本国民にできる精一杯のことではないだろうか。


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