とまと日記 2011

最近、映画のイラストばっか。気ままに続けます

06.08.24 やばいぜ!デジタル日本  著者 高城剛

2006年08月25日 | レビューと僕
レビューです。
全体的に、デジタルが大好きで、結構認められていて地位のある人が今後10年の日本の一部おれ様的予言書でした。なんだか安直だったが素直な感想だった。世界を旅しているらしいからデジタル分野で鎖国化した日本に憤慨したんだろうなぁ。

本書でずっと語ろうとしている、「スタイル」という言葉。う~ん。ケータイを2個も3個も使いこなしていったり、テレビ見ながら双方向
サービス+ケータイを使った新しいサービスなどって。。。
もはや製造業で日本は中国にシェアを奪われ、日本がシェアをとれる戦場は「新たな文化、ライフスタイル」だと。
元々日本人はコピーをするのがうまい。漢字だってウォークマンだってケータイだって元々は海外産なのだ。コピーして、いいとこ取りをしていく、いわゆる「ハイブリット」が日本が提案する文化やスタイルなんだとか。具体的に言うとガソリン+電気カーのことですな。
確かに日本産世界最先端です。(ガソリン+エタノールもあるが)

僕は思うんですけど、ケータイ電話がたとえ小型pcとなっても、町中でピコピコ操作をしながら歩く姿(スタイル)って”ダサイ”と思いません?
今僕は美大で情報という分野をデザインする科にいて、本書が語る未来のスタイルを模索していくことがデザイナーの仕事になって行くのだと思う。筆者が語るスタイルは技術ありきの技術者が語る未来になりかねない。その危険性は、さきほどのケータイを町中で使う話に例えて尊敬する教授の話を簡単にまじえてみる。

旅専用の情報の道具の提案として、携帯電話とは別に、小型PDAみたいなものを作ったとする。それには旅先で出会った事を記録することができ、現地での情報も手に入る。そのような道具を作るための実証実験をしたそうだ。教授はそれら被験者を10m先で見た時、ヤバいと感じらしい。操作している被験者たちが、まるで水道の検診に来たおばちゃんが持つ機械をおぼろに操作しているように見えたらしい。それダサイでしょう。

まぁ そうしないためのインターフェースが早急に必要なのは確かではあるのだが、筆者の言うスタイルはそれに近い。当然そうならないための研究が行われているのですよ。


とはいえ、結構面白い部分もいっぱいあった。例えば世界的に見るゲーム離れの理由。
「街全体がゲーム化したから」だと答えている。ドラクエでポイントを稼ぐより、アフェリエイトで稼いだ方が面白いのである。よって、人が作り出した世界で遊ぶより自分から情報を配信していった方が有意義だと感じている人が多いはずだ。

記録メディアの普及のポイント。
「コピーしやすい方が勝つ。」LP→CD→DVD→データといった具合に。故にHDかブルーレイどっちかと言われればコピーしやすい方になるって見解。納得。でもせっかく買ったDVDも10年後再生できない世界になってたら嫌だなぁ。。なので僕はHD派です。

最後に、ハイブリット人になるためには少なくとも2つの専門性を掛け合わせる必要性がある。つまり本職と+α。それは趣味を極めるのでもいいし復職でもよい。マルチスペシャリストにならないとこれからの個人で見られる社会で生きれないと。

なるほど。昨日読んだSNSの本で言いたい事がここでも書いてあったわけです。
そのためにツールであるSNSその他を活用し、専門性を自ら増やして行くことが必要なのであると。ヤバい。僕も何か考えねばいけません!!

装丁が原研哉だった。え~~っ