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ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始め、いつのまにかトライアスリートになってしまった私。

第3 高度先進医療申請と現状

2014-07-02 23:31:29 | 修復腎移植
第3 高度先進医療申請と現状
 第三者間移植の5例目が終了した後の平成23年10月31日,医療法人沖縄徳洲会は,厚生労働省に対して,修復腎移植を先進医療として承認するよう申請した(甲B33)。当初の計画では,1年間の経過観察を終えて申請する予定だったが,修復腎移植を希望する患者が手術を受けやすくなる環境を早期に整えるため,申請時期を前倒ししたものであった。この申請では,第三者間の5例目までの症例が報告された(なお,申請書類の一部に不備があるとして平成24年4月16日に徳洲会に一旦返送され,同年6月20日に改めて申請を行った。)。
 先進医療の適用申請は,厚生労働省の先進医療専門家会議において審議されるが,この会議に先立ち,日本移植学会など5学会は,同年2月16日,厚生労働大臣宛に,修復腎移植は現時点では先進医療として不適切とする旨の「小径腎癌患者をドナーとする病腎移植の先進医療適応に関する要望書」を提出した(甲B34)。これに対し,徳洲会は,同年6月20日,上記5学会の要望書に記載されている内容はいずれも事実とは異なる旨の「五学会要望書に対する意見書」を提出し(甲B37),反論を展開したが,さらに上記5学会は,同年8月8日,厚生労働大臣宛に「『五学会要望書に対する意見書』に対する声明文」を提出し,徳洲会の上記意見書には先進医療審査に誤解を与える重大な問題点があると発表した。そして,同日,被告高原は記者会見を開き,その席上で「我々五学会の声明に反し,厚生労働省が先進医療を認めた場合,将来,不利益を被ったドナー及びその家族が訴えた場合を想定しておくべき。薬害肝炎集団訴訟の二の舞になることは避けるべき。この種の医療を先進医療として日本国が認めるのであれば,それは世界で初めてであり,世界に日本が生体腎移植の原則を無視して行っていることを提示し,取り返しがつかない失態を演じることになる」と述べた。
 同年8月23日,厚生労働省の先進医療専門家会議が行われたが,この会議は,上記5学会の意見が色濃く反映されたものとなり,「部分切除ではなく腎臓のすべてを摘出すればより大きな不利益をもたらすおそれがある」,「移植のための摘出方法では,癌を広げる危険性が高まる」,「どう説明して提供の同意を得たのか分からない」,「がんを発症する危険性などを評価するには長期的な追跡調査が必要」,「同じ病院グループ内の患者を優先しているなど選定の公平性に疑問がある」などの異論が相次ぎ,その結果,先進医療としての修復腎移植の申請は認められなかった。
その後,徳洲会グループは,さらに詳細なデータを整え,再申請に向けての準備を進めているようであるが,現在のところ再申請は行われていない。

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