【平昌の気候】難波先生より

【平昌の気候】このところ「朝鮮半島全図」（パシフィックビジョン社）が欠かせない。朝鮮半島情勢の緊迫化、平昌冬五輪、福井県の大雪のせいだ。「平凡社・世界大地図帳」では役に立たない。

　2/7「読売」は、気象庁の衛星写真をもとに、「シベリアの寒気団が長白山脈で二手に分かれ、日本海上空で合流したために北陸の大雪となった」と説明入りで、衛星画像を報じている。
http://www.yomiuri.co.jp/science/20180206-OYT1T50093.html?from=y10

　確かにサハリンや北海道には雪雲がない。よって日本列島に関する説明としてはこれでよいだろう。長白山脈は中国吉林省にあり、最高峰が白頭山(2750m)だが、同時にここからは朝鮮半島の東を走る大脊梁山脈「白頭大山脈」が発している。

　北海道の西に見える線が「東経140°」線。長白山脈は東経130°から白頭大山脈に繋がるので、寒気が西側から日本海に抜けるとすれば、平壌—元山間の低地帯しかない。ここはほぼ北緯40°で気象庁が示す写真の緯度線に一致している。

　ところがこの気象図を見ると、北緯35°線以北の韓国はびっしり雪雲に覆われている。
　太白山脈の西側山中にあるオリンピック会場の平昌は、すでに韓国の新聞が「マイナス15度になる？」と報じているが、大雪になるのではあるまいか？
　韓国の「中央日報」は
http://japanese.joins.com/article/154/238154.html
＜米タイム誌は「平昌五輪開会式が開かれる来月９日夕方、開催地の平昌地域の気温は氷点下１３．８度前後になるものと見られる」として「強い風が吹けば体感温度はさらに落ちるかもしれない。歴代最も寒い五輪になる可能性が高い」と報じた。歴代冬季五輪の中で大会期間の平均気温が最も低かった大会は１９９４年リレハンメル（ノルウェー）大会で、氷点下１１度だった。タイム誌は「平昌は韓国でも最も寒い地域のうち１カ所で、海抜７００メートル高地である上に、満州とシベリアから吹いてくる激しい風で有名だ」として「平昌五輪の予想平均気温がリレハンメルより低いだろう」と見通した。＞と報じている。

　平昌の冬季五輪開会式は、史上最も寒い式典になるということだ。これを自国の気象データに基づいて予測するのではなく、「タイム」の記事を引用して報じるところが哀れだ。 これは日常の天気予報（気象情報）のニュースを、朝鮮半島と満州の地理と結びつけ、「マクロ的気象」として理解する能力が乏しいことを意味する。

　中国メディア「Record China」が掲げている平昌の町の写真を見ると、やはり大雪だ。おまけにノロウイルス感染が集団発生しているという。
http://news.livedoor.com/article/image_detail/14268656/?img_id=16421845


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