【献本お礼など】
久しぶりに「医薬経済」誌(7/15号、医薬経済社)に目を通した。
ご恵送に感謝する。
今号には、
①高橋幸春「修復腎移植はなお問いかける:先進医療で6年越しの承認、依然残る臓器不足という課題」という、インパクトのある解説・論評が載っていた。
同氏の雑誌記事は 月刊「潮」(潮出版社)4月号の
「特集:ニッポンの現実。修復腎移植 ー非難から認可までの軌跡」(9ページ)
以来だと思う。引き続きご健闘を祈る。
②「白血病になった社長」という医薬会社社長の実名手記があり、
なんと「フィラデルフィア染色体(Ph1) 陽性の”成人急性リンパ性白血病(ALL)になった」とあり、驚いた。
私の旧い知識では、Ph1は慢性骨髄性白血病(CML)に特徴的というものだったからだ。但し患者骨髄の線維芽細胞にもこれがあり、より上流の幹細胞の段階で染色体異常が起きている可能性は否定されていなかった。
そう思ってネットで「Ph1陽性 ALL」調べると、JALSG(日本急性リンパ球性白血病・研究グループ)のHPを見つけた。
https://www.jalsg.jp/treatment-results/adult-acute-lymphocytic-leukemia.html
すでに過去20年間に、そういう症例が何百例も報告され、病気に特化した
治療法の開発が進んでいた。私の不勉強にすぎなかった。
げに「後生畏るべし」とはこのことだろう。
③ネットの友人たちからの警告もあり、iPS細胞への批判は抑制しているが、山中教授が民間のマラソン大会に出場して、研究費を募金しているのをテレビで見て、「気の毒だな」と思っている。
「医薬経済」7/15号に無署名で、
「大阪・再生医療センターに暗雲。資金集めに苦戦、21年設立は間に合うか」
という記事が載っている。
ポイントは二つあって、
★大阪大学医学部が中之島から千里丘陵に移転した後、大阪大学は中之島にある大阪市の市有地に「再生医療国際センター」(仮称)を開設しようとしているが、当初「無償貸与」の方針だった大阪市が「有償賃貸」の方向に態度が変わったという。
★★阪大での、このプロジェクトの推進役が心臓病・再生医療の権威、澤芳樹教授。(この人は阪大病院・寄付講座教授・高原史郞と組んで、「修復腎移植」に猛反対したことで、有名。現在「日本再生医療学会・理事長」)
ところが澤教授の「心筋細胞シート」はiPS細胞を利用したもので、慶応大内科福田恵一教授がやはりiPS細胞から心筋細胞を作り、やや先行しているという。自民党に有力議員がいる「慶応閥の牽制」により、阪大グループは苦境に立たされている、というのが記事の二番目のポイントだ。
「国際センター」の建設費30億円をすべて寄付で賄う予定だったというから、これは相当苦しいだろうと思う。阪大では2017/2に入試で「一般物理」に出題ミスがあり、18年1月に30人が「追加合格」している。
そこで「寄付などできるか」という募金活動に批判的な声が高まっているという。
世の中は「複雑系」だから、時にまったく予測できないものごとが起きる。
「記事転載は事前に著者の許可が必要です。必ずご連絡いただきますようお願いいたします」
久しぶりに「医薬経済」誌(7/15号、医薬経済社)に目を通した。
ご恵送に感謝する。
今号には、
①高橋幸春「修復腎移植はなお問いかける:先進医療で6年越しの承認、依然残る臓器不足という課題」という、インパクトのある解説・論評が載っていた。
同氏の雑誌記事は 月刊「潮」(潮出版社)4月号の
「特集:ニッポンの現実。修復腎移植 ー非難から認可までの軌跡」(9ページ)
以来だと思う。引き続きご健闘を祈る。
②「白血病になった社長」という医薬会社社長の実名手記があり、
なんと「フィラデルフィア染色体(Ph1) 陽性の”成人急性リンパ性白血病(ALL)になった」とあり、驚いた。
私の旧い知識では、Ph1は慢性骨髄性白血病(CML)に特徴的というものだったからだ。但し患者骨髄の線維芽細胞にもこれがあり、より上流の幹細胞の段階で染色体異常が起きている可能性は否定されていなかった。
そう思ってネットで「Ph1陽性 ALL」調べると、JALSG(日本急性リンパ球性白血病・研究グループ)のHPを見つけた。
https://www.jalsg.jp/treatment-results/adult-acute-lymphocytic-leukemia.html
すでに過去20年間に、そういう症例が何百例も報告され、病気に特化した
治療法の開発が進んでいた。私の不勉強にすぎなかった。
げに「後生畏るべし」とはこのことだろう。
③ネットの友人たちからの警告もあり、iPS細胞への批判は抑制しているが、山中教授が民間のマラソン大会に出場して、研究費を募金しているのをテレビで見て、「気の毒だな」と思っている。
「医薬経済」7/15号に無署名で、
「大阪・再生医療センターに暗雲。資金集めに苦戦、21年設立は間に合うか」
という記事が載っている。
ポイントは二つあって、
★大阪大学医学部が中之島から千里丘陵に移転した後、大阪大学は中之島にある大阪市の市有地に「再生医療国際センター」(仮称)を開設しようとしているが、当初「無償貸与」の方針だった大阪市が「有償賃貸」の方向に態度が変わったという。
★★阪大での、このプロジェクトの推進役が心臓病・再生医療の権威、澤芳樹教授。(この人は阪大病院・寄付講座教授・高原史郞と組んで、「修復腎移植」に猛反対したことで、有名。現在「日本再生医療学会・理事長」)
ところが澤教授の「心筋細胞シート」はiPS細胞を利用したもので、慶応大内科福田恵一教授がやはりiPS細胞から心筋細胞を作り、やや先行しているという。自民党に有力議員がいる「慶応閥の牽制」により、阪大グループは苦境に立たされている、というのが記事の二番目のポイントだ。
「国際センター」の建設費30億円をすべて寄付で賄う予定だったというから、これは相当苦しいだろうと思う。阪大では2017/2に入試で「一般物理」に出題ミスがあり、18年1月に30人が「追加合格」している。
そこで「寄付などできるか」という募金活動に批判的な声が高まっているという。
世の中は「複雑系」だから、時にまったく予測できないものごとが起きる。
「記事転載は事前に著者の許可が必要です。必ずご連絡いただきますようお願いいたします」