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ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始め、いつのまにかトライアスリートになってしまった私。

【書評】「別冊宝島」編集部編「ノーベル賞と日本人」/難波先生より

2013-12-03 13:00:48 | 難波紘二先生
【書評】エフロブ「買いたい新書」にNo.193, 「別冊宝島」編集部編「ノーベル賞と日本人」 というムックを取り上げました。

 http://www.frob.co.jp/kaitaishinsho/book_review.php?id=1385614786



 馬場錬成「ノーベル賞の100年:自然科学三賞でたどる科学史」, 中公新書, 2002,
 青野由利「ノーベル賞科学者のアタマの中:物質・生命・意識研究まで」,築地書館, 1999
 毎日新聞科学環境部「理系白書:この国を静かに支える人たち」, 講談社, 2003
という優れた既刊書もありますが、グラビア形式のMOOKはこれがはじめてでしょう。


 受賞者18人の学歴を見ると興味深い。ノーベル物理学賞のうち東大卒は2人(江崎玲於奈, 小柴昌俊), 京大が2人(湯川秀樹, 朝永振一郎)、名大が2人(小林, 益川)。化学賞になると京大2(福井謙一, 野依良治、 北大2(鈴木章, 根岸英一), 東工大1(白川英機), 東北大1(田中耕一)それに長大が1(下村脩)となっている。生理学・医学賞は京大(利根川進)と神戸大(山中伸弥)の2人。文学賞の川端康成と大江健三郎は共に東大文学部。平和賞の佐藤栄作は東大法学部となっている。


 ノーベル賞級の大発見になると, 実験の失敗や思わぬミスから派生する現象の「意味」を汲み取り, 新しい仮説をつくることで新発見につながることが多い。

 江崎玲於奈の新型ダイオードの発明がそうだし, スマホやiPADに使われている導電性プラスチックを合成した白川茂樹, 試薬を間違えて実験したことから, タンパク質解析の新技法を発見した田中耕一, 発光性のオワンクラゲから発光タンパクを抽出していて, 実験済みの失敗液を海水が残っていた流しに棄てたら, 瞬間的に強烈な発光が起こり, 海水中のカルシウム・イオンとの関係に気づいた下村脩。




 いずれも失敗という偶然が与えてくれたチャンスを上手く活かした人たちである。そつのない優等生型の人物というより, 脇道にそれたり孤立したり, いじめられたりすることを気にかけず「我が道を行く」タイプが多い, という印象を受ける。




 韓国も中国も人口の割に自国の受賞者が少ないので(特に韓国は1人しかいない)、日本への嫉妬の炎を燃やしているそうです。こういうMOOKは出た時に買っておかないと、買うチャンスを逃しますので、お早めにどうぞ。

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