【書評など】
1. エフロブ「買いたい新書」の書評No.255に、立花隆「四次元時計は狂わない:21世紀 文明の逆襲」を取りあげました。雑誌「文藝春秋」に連載の巻頭随筆を一冊の本にまとめたものです。
http://www.frob.co.jp/kaitaishinsho/book_review.php?id=1423266110
全体はⅠ「日本再生」(13篇),Ⅱ「革命の世紀」(14篇),Ⅲ「知の新時代へ」(12篇)の3部に分かれ,「PTG第二世代へ」,「ひこばえ」,「現代のグスコーブドリ」,「幻の都市」などどれを読んでも,東日本大震災と津波による被災の大きさとそこからの復興を願う,著者の思いが痛切に感じられる。「知の巨人」と呼ばれる立花隆は, あまり個人的なことや私生活を語らないのが特徴だが, 珍しく「楽屋裏」の話がいくつかあり、とても面白い。
標題の「四次元時計は狂わない」は東大で開発している「百億年に1秒しか狂わない」という「光格子(ひかりこうし)時計」をテーマにしたもの。現実の世界はX,Y,Zの軸を持つ空間と時間(T)がからみあった4次元の世界で, 重力が1Gしかない地球上では,時間と空間が別もののように見える。超精密な光格子時計が実用化されると, 高度変動や地下マグマの上昇やプレート移動による重力変化を時間差として検出でき, 空間と時間の一体性が実感できるという。
副題の「21世紀 文明の逆説」は, 36歳時の随筆集『文明の逆説:危機の時代の人間研究』(講談社文庫)を意識している。これに含まれる「人間とは何か?」という、若くてみずみずしく,感性にあふれた人間に関する50の設問と回答は, いまなお読むに値する。
2.献本お礼など
1)「医薬経済」2/1号のご恵送を受けた。お礼申し上げます。
この号では、元厚労省医政局長で、日本尊厳死協会理事長の岩尾總一郎氏が「糖質制限ダイエットの勧め」という評論を寄せているのが目についた。
糖尿病患者と予備軍が国民の6人に1人となるなかで、それを予防するために「糖質制限食」がきわめて有効であることを、自分自身の糖質制限ダイエトの経験から論じたものだ。
2011年に英国糖尿病学会が、2013年にはアメリカ糖尿病学会が、それぞれ糖尿病の食事療法ガイドラインを変更し、糖質制限食を容認したことが述べられている。また、これまで「身体に悪い」とされていた、高脂肪食も「コレステロール神話」が崩れて、「脂肪とバター」は大いに取るべきだと、最近の栄養学は変わって来たことも述べられている。
つまり、私が実践している「炭水化物抜き、タンパク質と脂肪で必要なカロリーを得る」という食事法が、まったく独立して支持を得られたということだ。
今の検査値については、あらためてレポートするが、炭水化物抜き、甘味はパルスィートでという食生活を2年続けて、まったく異常を認めない。糖尿病薬や注射とも縁が切れたままだ。
これで日本糖尿病学会の主張には科学的根拠がないことが、まず確立したわけだが、同じように日本移植学会の「病腎移植」否定論についても、第三者の支持が得られることを期待したい。
2)麻野涼(高橋幸春)さんから、新著『誤審死』(文芸社文庫, 2015/2)のご恵与にあずかった。高橋さんは本名ではノンフィクションを、麻野涼の筆名で「社会派ミステリー」を書いている。病腎移植を主題にした『死の臓器』、私立高校の爆破予告に始まる『死の刻』、少年に一人娘を斬殺された母親が体験する少年事件裁判の展開を扱った『死刑台の微笑』などの書き下ろし文庫が、この系列に属する。
いずれも「死」という言葉がタイトルに用いられているのが特徴だ。(私はこの「死」のイメージがどうもしっくりこないのだけれど…)
本名と別に林不忘名で「丹下左膳」シリーズを、牧逸馬名で「犯罪実録小説」(今日の用語で犯罪事件ノンフィクション)を、谷譲次名で米国体験記(「メリケンジャップ」もの)を書いた作家に、昭和初期の長谷川海太郎がいるが、過労のあまりわずか35歳で急死した。
どうかそういう前例に陥らないように、ゆとりをもって、健康に留意して、「修復腎移植」公認への著作活動によるご支援もお願いしたい。
「修復腎移植」といえば、元下関済生会病院の院長、上領頼啓先生から連絡があり、2/8(日)に下関市で公開講演を行ったそうだ。2006年の「病腎移植騒動」の時は、山口大学医学部生が万波誠を招いて自主講演会を開くことを企画したところ、医学部当局が「好ましくない」と弾圧して中止させるという事件が起こっている。
当時は「メディア大バッシング」に臆して、山口大の同窓会もクラス会も誰一人として万波擁護の声をあげられなかったが、今年に入り明らかに風向きが変わってきた。
さて、汚辱にまみれ日本移植学会の社会的信用を失墜させた阪大ノバルティス寄付講座、高原史朗教授の停年が近づいてきたが、移植学会はだれを後任の理事長に選出するのであろうか。これも目が放せない。
1. エフロブ「買いたい新書」の書評No.255に、立花隆「四次元時計は狂わない:21世紀 文明の逆襲」を取りあげました。雑誌「文藝春秋」に連載の巻頭随筆を一冊の本にまとめたものです。
http://www.frob.co.jp/kaitaishinsho/book_review.php?id=1423266110
全体はⅠ「日本再生」(13篇),Ⅱ「革命の世紀」(14篇),Ⅲ「知の新時代へ」(12篇)の3部に分かれ,「PTG第二世代へ」,「ひこばえ」,「現代のグスコーブドリ」,「幻の都市」などどれを読んでも,東日本大震災と津波による被災の大きさとそこからの復興を願う,著者の思いが痛切に感じられる。「知の巨人」と呼ばれる立花隆は, あまり個人的なことや私生活を語らないのが特徴だが, 珍しく「楽屋裏」の話がいくつかあり、とても面白い。
標題の「四次元時計は狂わない」は東大で開発している「百億年に1秒しか狂わない」という「光格子(ひかりこうし)時計」をテーマにしたもの。現実の世界はX,Y,Zの軸を持つ空間と時間(T)がからみあった4次元の世界で, 重力が1Gしかない地球上では,時間と空間が別もののように見える。超精密な光格子時計が実用化されると, 高度変動や地下マグマの上昇やプレート移動による重力変化を時間差として検出でき, 空間と時間の一体性が実感できるという。
副題の「21世紀 文明の逆説」は, 36歳時の随筆集『文明の逆説:危機の時代の人間研究』(講談社文庫)を意識している。これに含まれる「人間とは何か?」という、若くてみずみずしく,感性にあふれた人間に関する50の設問と回答は, いまなお読むに値する。
2.献本お礼など
1)「医薬経済」2/1号のご恵送を受けた。お礼申し上げます。
この号では、元厚労省医政局長で、日本尊厳死協会理事長の岩尾總一郎氏が「糖質制限ダイエットの勧め」という評論を寄せているのが目についた。
糖尿病患者と予備軍が国民の6人に1人となるなかで、それを予防するために「糖質制限食」がきわめて有効であることを、自分自身の糖質制限ダイエトの経験から論じたものだ。
2011年に英国糖尿病学会が、2013年にはアメリカ糖尿病学会が、それぞれ糖尿病の食事療法ガイドラインを変更し、糖質制限食を容認したことが述べられている。また、これまで「身体に悪い」とされていた、高脂肪食も「コレステロール神話」が崩れて、「脂肪とバター」は大いに取るべきだと、最近の栄養学は変わって来たことも述べられている。
つまり、私が実践している「炭水化物抜き、タンパク質と脂肪で必要なカロリーを得る」という食事法が、まったく独立して支持を得られたということだ。
今の検査値については、あらためてレポートするが、炭水化物抜き、甘味はパルスィートでという食生活を2年続けて、まったく異常を認めない。糖尿病薬や注射とも縁が切れたままだ。
これで日本糖尿病学会の主張には科学的根拠がないことが、まず確立したわけだが、同じように日本移植学会の「病腎移植」否定論についても、第三者の支持が得られることを期待したい。
2)麻野涼(高橋幸春)さんから、新著『誤審死』(文芸社文庫, 2015/2)のご恵与にあずかった。高橋さんは本名ではノンフィクションを、麻野涼の筆名で「社会派ミステリー」を書いている。病腎移植を主題にした『死の臓器』、私立高校の爆破予告に始まる『死の刻』、少年に一人娘を斬殺された母親が体験する少年事件裁判の展開を扱った『死刑台の微笑』などの書き下ろし文庫が、この系列に属する。
いずれも「死」という言葉がタイトルに用いられているのが特徴だ。(私はこの「死」のイメージがどうもしっくりこないのだけれど…)
本名と別に林不忘名で「丹下左膳」シリーズを、牧逸馬名で「犯罪実録小説」(今日の用語で犯罪事件ノンフィクション)を、谷譲次名で米国体験記(「メリケンジャップ」もの)を書いた作家に、昭和初期の長谷川海太郎がいるが、過労のあまりわずか35歳で急死した。
どうかそういう前例に陥らないように、ゆとりをもって、健康に留意して、「修復腎移植」公認への著作活動によるご支援もお願いしたい。
「修復腎移植」といえば、元下関済生会病院の院長、上領頼啓先生から連絡があり、2/8(日)に下関市で公開講演を行ったそうだ。2006年の「病腎移植騒動」の時は、山口大学医学部生が万波誠を招いて自主講演会を開くことを企画したところ、医学部当局が「好ましくない」と弾圧して中止させるという事件が起こっている。
当時は「メディア大バッシング」に臆して、山口大の同窓会もクラス会も誰一人として万波擁護の声をあげられなかったが、今年に入り明らかに風向きが変わってきた。
さて、汚辱にまみれ日本移植学会の社会的信用を失墜させた阪大ノバルティス寄付講座、高原史朗教授の停年が近づいてきたが、移植学会はだれを後任の理事長に選出するのであろうか。これも目が放せない。
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