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ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始め、いつのまにかトライアスリートになってしまった私。

【群衆の中の一つの顔】難波先生より

2015-03-30 16:05:52 | 難波紘二先生
【群衆の中の一つの顔】
 3/29(金)の「報道ステーション」で古館伊知郎と古賀茂明の言い合いを見ていて、昔見た標題のアメリカ映画を思いだした。
 1960年代に一度見たきりなので、細部は間違っているかもしれないが、粗筋はこうだ。
 ごく普通の市民で、失業中の男がひょんなはずみでテレビのトークショウの司会者になる。
「ローンサム・ローズ」と名乗るその男の番組は、みるみるうちに大人気となり、男の語り口やコメントが大衆を動かすようになる。男自身も次第に周囲に対して尊大になるが、それは番組では表に表さない。
 テレビ局の幹部は、高視聴率を上げ、それゆえにコマーシャル収入増につながるローンサム・ローズを切ることができない。ところが、長いコマーシャル休憩の時間に、視聴者をボロカスに言っている男の画像と音声を、放送技師(発掘した女性ディレクター?)がカメラのスィッチを切らず、わざと電波で流してしまう。
 それで大衆にやっとローンサム・ローズの正体が暴露され、彼は元の群衆の一人に戻る、という筋だった。思想的にはオルテガ・イ・ガセット『大衆の反逆』(1930)やD.リースマン『孤独な群衆』(1959)の影響を受けた作品化だと思う。テレビと大衆化社会のはらむ問題点を、見事に予言していたハリウッド映画だった。
<付記>これを書いた後、ネットに映画記事があるのを知った。
 http://movie.walkerplus.com/mv2776/

 古賀はあの映画の放送技師のような役割を今夜の番組で演じてくれた。特に、古館の楽屋での発言(「貴方を降板させまいと必死に努力したが、お役に立てなくて申し訳ない」)まで暴露したのはよかった。あれで「報道ステーション」の古館という、「ローンサム・ローズ」の正体がよくわかった。古賀が今夜で番組を降ろされることを知り、多くの人がラストメッセージに耳を傾け、彼が提示するパネルを見つめただろう。カメラをアップから動かさなかったのも良かった。菅官房長官は画面を見て凍り付いたであろう。
 そこにモロな安倍批判、「I am not ABE!」。この小さなプラカードは、確実に統一地方選に影響を与えるであろう。今夜の番組の意義は古賀が安倍内閣に引導を渡した、という点にあると思った。

 ネット情報では、「報道ステーションは3月いっぱいで古館降板」ということであったが、古館は古賀を切ることで自分の生き残りを策した、と視聴者の多くは理解しただろう。4月からの「報道ステーション」がどうなるか、興味深い。

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5 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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Unknown (Mr.S)
2015-03-30 22:00:02
古賀が安倍政権に引導?
STAP問題では切れ味のよかった難波包丁も
今となっては錆びついたか?
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Unknown (花子(改名))
2015-04-05 02:07:05
個人的に古賀氏は良心に従って行動を起こした尊厳する人物ですので応援したい気持ちですが、古賀氏の希求する文化大国を目指すと10年以内に日本はチベット化するでしょうね。安倍政権の目指す『列強』は、喫近の中国や北朝鮮の脅威から日本本土を守るものです。引導は渡せていない。
2020年には中国経済が破綻し民主化の波が広がるんだと幼稚な私は期待していたのに、中国が世界から資本を募る銀行が大盛況らしいじゃないですか…莫大な金を持ってる奴には勝てませんよ。狂国を上回る理性ある狂国にならないと押さえつけられないですよ。
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Unknown (花子)
2015-04-05 23:06:54
安倍政権は日本が侵略されない為に活動していることは分かるのですが、安倍政権のやり方では格差や差別は拡がる一方でしょうね。小保方が60万円程返還して許されるような国はおかしい。国が税金を流す組織に付与されている権限が、民主主義のそれとは違う。
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Unknown (Mr.S)
2015-04-06 19:45:23
じゃあ、小保方氏はいくら返還すればいいのかな?
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Unknown (花子)
2015-04-06 21:43:33
いくらが良いのでしょうか?
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