ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始め、いつのまにかトライアスリートになってしまった私。

【糖質制限食、英国へ上陸】難波先生より

2016-06-13 15:35:48 | 糖質制限食・ケトン食
【糖質制限食、英国へ上陸】
 ロンドンの相澤さんからとても嬉しい便りが届いた。一つはブルガリアの「王家の谷」にある前方後円噴のドームとアーチについての私の観察を支持するT.D.Boyd: The Arch and the Vault in Greek Architecture. Amer J Archaeol.82(1), 1978という考古学論文のコピーだ。これについては、別の機会に触れたい。もうひとつは、「糖質制限食、糖尿病のコントロールに有効」という5/31/2016の英紙「タイムズ」記事コピーだ。
http://www.thetimes.co.uk/article/use-this-copy-please-j2cw0df83
 この記事が一風変わっているのは、糖尿病患者たち約12万人がネット上で「diabetes co. uk」という組織を立ち上げ自発的に「糖質制限食」に取り組んだという点だ。
 もちろん、英国の公式の「Eatwell ガイドライン」(英国健康省と糖尿病学会が制定)に違反している。ケィテイ・ギボンズ記者の副見出しには「糖尿病食の革命(ブレークスルー)」とある。効果は抜群で、実験開始後10週間後に「患者の80%で体重が9Kg(10ポンド)以上減、70%以上で血糖値の改善が見られ、20%では糖尿病治療薬が不必要になった」という。
 もちろん英国にも「糖質制限食」に賛同する開業医がおり、彼らがこのプロジェクトに関与している。英国糖尿病学会や健康省は、いつもながらこの結果に批判的だ。だが、ネット時代は「患者自らが臨床研究を組織・実行する」という段階にまで到達した。
 患者たちが実行した「糖質制限食」は以下のとおり:
● 炭水化物(糖質)の摂取をやめ、緑色野菜、豆類をメインディッシュとする。
● 1日に果物あるいは野菜(トマトなど)を少なくとも5個食べる。
● 食事毎にタンパク質を少量食べる。
● 毎日、全乳やバターを中等量食べる。
● オリーブ油、ナッツなど飽和脂肪酸が多いものを摂取する。
● 砂糖入りの食物・飲料は避ける。

 これを江部康二先生の『人類最強の<糖質制限>論』(SB新書、2016/4)と比較すれば、彼の「スーパー糖質制限食」とほぼ同じものだ、ということがわかる。
 私は今まで米国で知られていれば、同じ英語圏だから、英国でも実行されているはずと思っていたが、どうも二つの文化は違うようだ。
 糖質制限食の日本での起原は、宇和島の釜池豊秋医師にある。ドイツが福島第一原発の事故を見て、「日本でさえ事故が起こる」と知り、メルケル政権が「脱原発」路線に踏み切ったように、「日本で開発された糖尿病治療法」として英国に受け容れられた可能性もある。
 もしそうなら、「修復腎移植」と「糖質制限食」という二つの貴重な「医学・医療上のイノベーション」が宇和島発、ということになるだろう。

 私の「スーパー糖質制限食」では血中ケトン体が4/8にケトン体が3310と正常値上限(120)の約28倍に達した。5/12に改めてケトン体の種別を検査してもらったところ、1739μMol/Lと半減していて、アセト酢酸284(14—68)、βハイドロキシ酪酸1455(74以下)であり、増加分のほとんどはβハイドロキシ酪酸(約20倍)であると判明した。これは間違いなく多量に摂取した脂肪(脂肪酸)の分解による増分である。
 空腹時血糖は4/8: 137, 5/12: 126 (mg/dL)とさらに改善し、
 HbA1は4/8: 5.5, 5/12: 5.8(%)といずれも基準値(4.6—6.2)内にある。
 体重は46Kgと安定しており、精神状態は脳がケトン体を燃料としているためにもたらされた鎮静・平安状態にあり、集中力の向上が持続している。
 糖尿病の飲み薬とインシュリンの注射はもう2年前から中止している。これはどうみても、もう「Ⅱ型糖尿病」とはいえないだろう。
 私の家は母が糖尿病、兄も糖尿病で、糖尿病になりやすい遺伝子的な背景があるのはまちがいない。しかし食習慣を変えることで、私の場合は「糖尿病の完全コントロール」に成功したといえるだろう。これは一例報告だが、近く私の実験を総括したレポートをまとめたいと思う。
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1 コメント

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Unknown (Unknown)
2016-06-15 01:26:51
尿酸値をよくモニターしておいた方が良いと思う。蛋白質と脂肪で十分なエネルギー量を摂取していたら大丈夫かも知れんけど。
プリン体が多い食べ物は控えた方が。青魚とか、エビとか、レバーとか、ビールとか。

あと、服薬の種類によっては尿酸値は上昇する。アスピリンとかね。
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