ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始め、いつのまにかトライアスリートになってしまった私。

【早稲田AO入試】難波先生より

2016-03-07 13:05:07 | 難波紘二先生
【早稲田AO入試】
 小保方のAO入試に関する不審点については「武田ブログ」で賛否両論の書き込みが行われ、それなりに「オート・バランス」が取れていると思うので、独自な発言は差し控える。

なお2/29【ティーチャーズの背信】における
<A single transplantation can be carried out within ~10 min.>(10秒以内に1回の移植ができる)と強調している。>という記載は、「〜10min.」を「10秒以内に」と誤訳しており、撤回してお詫び申し上げます。
 原論文は、「細胞シートをマウスの皮下に、すばやく、高度の再現性をもって移植する画期的技術を確立した」という内容で、まさかそんな技術で「10分もかかる」とは思えず、つい「10秒以内」と思い込んだのが誤訳の主因です。(論文自体が撤回されているので、中身はもう無関係ですが…)。

 小保方が受験した2001年秋に行われた、早稲田の2002年度 AO入試で、私が不審に思うのは次の2点だ。

 第一は、応用化学科の入試実施要綱に「実験内容は事前に指示する」とあるが、翌年以後は「(前年度は)一次合格発表時、合格者に実験内容を指示」という表記に変わっていることだ。
大学の試験問題というのは、公平性を担保するために教官も事務も大変神経を使うものだ。
 実施要綱では読み方により誤解が起こらないように注意するのは当たり前だ。
 試験問題の事前漏洩も大問題で、広島大ではかつて機密保持のため刑務所で試験問題を印刷していた。ところがその下刷りが、受刑者を通じて外部に漏れ、一部の受験生が受験業者からコピーを入手するという不祥事が発生した。結局、この事件では学長が引責辞職した。

 2003年度以後は「(前年度は)一次合格発表時、合格者に実験内容を指示」とあるので、実験課題とその告知日の関係が誰にも明瞭となるが、2002年度の「実施概要」:「実験室にて実験を行い、レポートを作成する(実験内容は事前に指示する)。」では、二次試験と試験問題との関係がよくわからない。
 なぜ2002年度「入試要項」に「一次合格発表時、合格者に実験内容を指示」と明記されなかったのだろうか?(そう書かれていても、二次試験受験者が平等になれるわけではないが…)
 さらに「2003年度は一次合格発表時、合格者に実験内容を指示」では、2004年度にも同じことが行われるという保証が受験生に与えられない。これでは「公正な入試要項」とは言えないだろう。
 UnknownさんがアップしたURL情報によると2002年で早稲田応用化学科のAO入試定員は10名で、20名の志願者があった。〔下表:()内は女子数で内数。〕

 志願者は男14名、女6名。一次試験合格者は男2名、女5名。(最終合格者は変わらず)。
合格率は男2/14(14.3%)、女5/6(83.3%)となっている。何で女子の合格率が異常に高いのか?これも何だか腑に落ちない。ともかく一次合格女子5名の中に小保方晴子が含まれていた。
 前回引用した「2007年度給付奨学生4名」(いずれもM2)には、小保方以外の女子大学院生が含まれておらず、2002年度入学の女子がとくに優秀だったとは思われない。
http://www.waseda-oukakai.gr.jp/gakusei/shougakukin/2007message.html#obokata

 もう一つ不審なのは応用化学科の「出願資格」で、これは小保方が受験した2002年度試験では、
「数学(1〜3)、数学(A~C)、物理(1B, 2)化学(1B, 2)あるいはこれらに準ずると認められる科目を履修している者」
となっている。つまり生物学を履修した受験生には不利に作用するような資格制限だ。

 これは翌2003年度の入試では、
「高等学校において数学の取得単位が15単位以上であり、かつ物理・化学・生物の合計取得単位が11単位以上であること」と、条件が弛められている。
 しかも「<物理・化学・生物の合計取得単位が11単位以上であること>とは、物理と化学、化学と生物、物理と生物 あるいは物理と化学と生物、何れかの合計取得単位数が11単位以上であれば良いということです」という丁寧な但し書きまである。
 ここまで説明が丁寧だと、逆に2002年度「入試要項」に「一次合格発表時、合格者に実験内容を指示」と具体的に書いてなかったのか、が不審である。

 これを小保方の側から捉えると、「2002年度の早稲田AO入試」は彼女が早稲田に入学する「千載一遇」のチャンスだったといえよう。2001年度にはAO入試がなかった。2003年度は生物学を履修した他の受験生が有利だっただろう。
 これを単なる偶然の連続と見るか、それともある種の作為を感じるか、が問題だろう。
 ともかく「小保方は一次選考合格後に、実技試験の問題を知り、担任の化学教師の好意により、化学実験室でエステル合成の練習をした」ことは、「あの日」に書かれていることだ。

 小保方の母親は当時、帝京平成大学の学科長で、そこにいた東大を定年退職した生物系応用化学の教授が、弟子の大和雅之を女子医大の岡野光夫(早稲田理工学部卒)の助手として斡旋している。(大和は01年講師、03年助教授、08年教授と、とんとん拍子に昇進)
http://electronic-journal.seesaa.net/article/419744679.html
 岡野がバイオ・ベンチャー企業「セルシード社」を創立したのが2001年。同じ年に早稲田第1回AO入試が行われている。すでに岡野には女子医と早稲田応用化学科が組んだ「TWINs」という連携大学院を設立する構想もあった。

 こうしてみると「魚心あれば、水心あり」というのが、複雑な人脈関係を踏まえてみると、より実相に近いかも知れない。そうなると、小保方晴子は大きなフレームの中で踊らされた単なるピエロにすぎない、という見方も出てくるように思う。

 もう一つ不思議なのは、「2002年度早稲田AO入試」における「応用化学科」と「化学科」の入試要項の違いだ。「応用化学科」では、こうなっている。

 他方で「化学科」はこうなっている。

 「化学科」ではAO入試に一次試験がなかった。従って「化学科」へのAO入試出願者は全員が対等の条件で9/30の二次試験に臨んだということになる。
 これに対して「応用化学科」では、一次試験(9/9)と二次試験(9/30)があった。
 結果として見ると、早稲田・応用化学科へのAO入試応募者は、定員10に対してたった2倍の20人でしかなかった。うち7名を合格者として判定し9/30にこれに対して「二次試験」を実施し、全員の「合格判定」を出した。
 「一次試験合格者数(その性別数)」と「最終合格者数(その性別数)」が完全一致しているのは、二次試験がまともに行われていないことを、意味するとしか思えない。

 あるいはこれを以下のように解釈することも可能だろう。「応用化学科」はAO入試の一次試験の結果、募集定員10名の半分を割る7名を「一次試験合格者」とした。ところが二次試験をやってみると、予想外に実験レポートや面接に優れた受験者がいたので、小保方晴子を含め
一次試験合格者を全員合格と判定した。予行演習ができた小保方が、その中に含まれているのは、いうまでもない。(それでも定員の10人を割っているのだが…)
 この辺の事実関係を明らかにするのがジャーナリズムの役割で、私は疑惑を提起するだけだ。確固とした反証が示されれば、いつでも訂正・謝罪するというスタンスに変わりはない。

 この件について【ティチャーズの背信】と題して私が書いた記事が、「アノニマス」さんと「異分野」さんとのやり取りにより、自然終息に向かったことを嬉しく思う。私は「事実を提示しての議論の応酬」が何よりも重要で、それはいまのメディアに不足していることだ、と考えているので、ネットがそれを補完することができれば…と思っている。

 それにしても2014/1/30、早稲田の常田聡教授は、何を血迷って記者会見を開き、
① 小保方晴子は「考え方も行動も非常にユニークで積極性ある学生」
② 「小保方の博士論文の主査を努めたが、非常に優れた博士論文だった。彼女がまとめたのは研究の一部。もっと他にもいろいろな研究成果を残していたので、半ば冗談で、もう一つ博士論文が書けるんじゃないか、そうしたら医学博士も同時に獲れるのでは、という話をした」
③ 「小保方はAO入試で合格しており、常田は小保方の受験にも居あわせた」
というようなことを、「毎日」の須田桃子になぜしゃべったのか?(「捏造の科学者」P.32)

 世の中が持ち上げている時にはしゃしゃり出て「私の功績もあります」とPRし、「捏造」と決まったら、「私は関係ありません」と主張しているように感じるのは、私だけだろうか?
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3 コメント

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Unknown (ttyama)
2016-03-07 17:39:37
小保方稔子は、まだ現職なのですね。
小保方の母親が沈黙を守り続け(られ)てる事に違和感しかありません。
メディアや「ネットの集合知」でさえどこも情報を出せない。
捏造疑惑の初期に、大和・岡野氏が隔離されたのと似ています。

STAP事件の「病みの深さ」を感じてる。二同意します。
今もどこかに「第2の小保方晴子」がアカディミアに生息してる? .... もうホラーです。
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Unknown (感想)
2016-03-07 22:31:24
 「小保方本・続」「ティチャーズ・ペット」「AO入試」「早稲田AO入試」と記事を読んできましたが、

> 賛否両論の書き込みが行われ、それなりに「オート・バランス」が取れていると思うので、独自な発言は差し控える。

という意味がよく分かりません。つまり、そもそもの出発点である「小保方本・続」の、
「つまり小保方はAO入試で、実技試験の問題を事前に知るという『不正』を働いている」
という主張は撤回しないということなのでしょうか?
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Unknown (Unknown)
2016-03-07 23:15:53
修士論文や学士(学部卒業論文)に不在があれば、修士、学士が剥奪された事例はあるものでしょうか?

ネイチャープロトコルの論文撤回理由が、実験データの信用が無い為とされていました。捏造データとの事でしょう。

スタップ論文から、博論、修論、卒論まで不正行為が芋づる式に発覚している状況かと思います。

生物学が中学生のレベルなら、やり直すなら、大学学部からが相応かと思います。
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