「天の花 なでし子物語」 伊吹有喜
前作で出てきた「あの夏の出来事」が描かれた本作。
リュウカの中学生にしては幼い、純粋さが切ない。
少しだけ、少しだけ先に大人になるヨウヨ。
「あの夏の出来事」がずーっと続けばいいのにと思わずにはいられない。
おかしなもので最初の「なでしこ物語」を読んで
龍治ってもっと嫌な人だと思っていた。
なので、二作目は「なんでぇ」と思ったのだけれど。
彼には彼の物語があるのだ。
当たり前だけど、見えているところだけが人の全てではない。
「何もかも承知で好きなんだ」なんて言われちゃうとね。
携帯もパソコンも一般的でないこの時代。
時代背景は昭和の後半なんだけど、
峰生という場所はもっともっと昔のような気がしてしまう。
って言っても、若い人には生まれる前の話だもんなぁ。
充分昔の話かぁ。
次作が楽しみ、だけれど、読むと終わっちゃう(多分)・・・もどかしい。
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