「いまは、空しか見えない」白尾 悠
連作短編集。
若者が傷ついても、絶望しそうになっても
生きる道を見つけようとする。
その底力に勇気づけられる。
人生はままならないし、いろんなことがあるけれど
それでも、若者は大人になる。
どうか、誰のものでもない自分の人生を歩いてほしい。
素晴らしかった。
「行け、逃げろ」という翔馬の叫びが
未来にむかう背中を強く押しているようでうれしかった。
母親がもう少し早く味方になってくれればねと思った。
ただ「毒親」で片づけるのは簡単だけど
親である「人」もそれぞれの人生があることも
忘れてはならない。
智佳の父親が寂しくて悲しい人すぎた。
この父親はどうしてこうなったのだろうと
ちょっと考えてしまった。
「女による女のためのR-18文学賞」大賞、読者賞をダブル受賞。
この文学賞で知る作家さんも多くて
いいなと思います。
本屋大賞も前みたいに
まだ売れてない作家さんの作品を選んでほしいなぁ。
いまは、空しか見えない | |
白尾 悠 | |
新潮社 |