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「初夏の訪問者 紅雲町珈琲屋こよみ」吉永南央 2020-119

「初夏の訪問者 紅雲町珈琲屋こよみ」吉永南央

シリーズ7作目。

珈琲豆と焼き物のお店『小蔵屋』を営むおばあさんの杉浦草。
きちんと老いてきちんと食べて
きちんと生きている草さんはなかなかハンサムお婆ちゃんだ。

その草さんの幸せでなかった結婚と置いてきた幼い子。
その幼子のあまりにも短い命。
草さんのような人でも、嘘だとわかっていても、
「私があなたの息子ですよ」と言われたら
心が掻き乱されるのだ。

人というのはゾワゾワと揺らすさざ波に弱いのだ。

息子の乳母だったキクに会いに行く場面が、
そういう場面に遭遇したことはないけれど
とても人として共感した。

キクも素敵だ。

このシリーズももう一回はじめから読んでみたいな。

 

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