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ふぅん

闇閃閑閊 ≡ アノニモス ≒ 楓嵐-風

初めて書いた遺書

2009-08-13 22:08:47 | 日々随想
世の中には 信じられるか否かでなく
事実だけが 存在している


僕にとって 今でも信じられないのは
鉄のカタマリが 空を 飛ぶということだ
いわゆる 飛行機というものだ


その昔 羽田に 人を迎えに行った時
早目に到着したので 屋上の展望デッキから
望遠鏡で 飛行機の離着陸を見ていた


すると あの鉄のカタマリは 
翼の辺りが ブルブルと振動しているのだ!
あの どでかい 丈夫な翼が 上下にブレているのだ!


よく見ていると それは どの飛行機でも
同じように 翼が震えていて
なんだか 簡単に取れちゃいそうな錯覚に 陥った


それから数年後 僕は 飛行機で海外へ行った
初めての飛行機は 初めての海外だった


出発する朝 僕は たくさんの封筒を
家の机の上に きれいに並べて 家を出た
家族や友人 更に 仕事先の方々へ
自分のスケジュールや 感謝の言葉を書いた 遺書だった


無事に帰国して 何通もの遺書を見て
はずかしくなって 全て 廃棄した


でも 今でも 飛行機が飛ぶことを 信じていない
信じていなくても 飛ぶことは 事実である
僕は 結構 こうした矛盾の中で 生きている

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