母にはよめた民主主義のからくり

2009-06-09 | 介護日記

昨日の母も相変わらず「知らないオバアサン」全開だった。

リハビリで車椅子に乗った。
「良かったね、トイレに行けるね」
「馬鹿馬鹿しい!まだそんな馬鹿馬鹿しいこと信じてるの!」
車椅子を押していても目を瞑りっぱなしなので
「ずっと寝てて退屈だったでしょ?ほら目を開けて見てごらん」
「フン!どっちも退屈だ」
ベッドに戻ってきたら、何を勘違いしたかマスクの中にツバを吐いてしまった。慌ててマスクを外し拭いていたら「成る程、これでカラクリがわかった」と言う。
「何のカラクリ?」と聞いたら「民主主義の!」と来たもんだ。
母のアッチの世界では何が起こっているのだろうか。思えば「天安門の赤い旗」からすべてがはじまったのかも。
その後も「蒋介石の奥さんが一番幸せかもね」(宋家の三姉妹)
「戦後の民主主義は北方から帰ってきた人たちに冷たかったよ」
あとの話しは聞いてる私に知識が無さすぎ分からず残念。

そして今朝、お茶を暖めに行って戻ってきたら、母の部屋からドクターが出ていった。
「先生何だって?」
「“どうですか?”ってさ」
「何て答えたの?」
「“まあ、何とか”って…禅問答みたいなもんよ(笑)」
今日の母は朝からとても静か、そして困惑していた。毎朝自分がどこにいるかわからなくなっているので一から説明して納得する繰り返しだったが、今日の母は違った。
コッチの世界に戻ってきて困惑しているのではないかしら…
こんな悲しい顔の母より、機嫌の悪い「知らないオバアサン」でいてくれたほうがいい、と気付いた。


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