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Polepole Life new

びわ湖の湖南に在住。
亡きA.コッカーNOIRと山歩きを愛すシニアライフを綴ります。

THE BIG ISSUE 

2007-11-29 12:29:03 | 






「いいもの、買ってきてあげたー♪」
帰宅した夫が得意そうにバッグからだしたのは・・・

THE BIG ISSUE JAPAN』

前々から、週2大阪に出かける夫に頼んでいた‘お土産’です。
はんなさんのブログでこの雑誌を知って以来、見かけたら
買って来てくれるように頼んでいます。
 
この雑誌は、ホームレスの方の社会復帰に貢献することを
目指して、1991年イギリス・ロンドンではじまり数カ国で
発行されているそうです。

販売者は、最初10冊の雑誌を無料で受け取り、その売上
3000円を元手に140円原価の雑誌を今度は仕入れて
販売します。差額の利益を蓄え住居を得て自立することが
目標なのです。

アメリカでは以前からホームレスのみが販売できる新聞
(street newspaper)があっったそうですが、これを
事業として展開した人って、すごい!

日本では2003年大阪で日本版が発売され、今では
他の都市にも拡大しているようです。
まだ、手にとられたことのない方。・・・300円記事も
興味深いものが沢山
あります。
ぜひぜひ、見かけたら買ってみてください♪
(今回は特に表紙とインタヴュー記事が『5th エレメント』
以来、大好きなミラ・ジョヴォヴィッチ・・・nose5ラッキー。) 

表紙裏にはコンテンツと併記で、『ビッグイシュー行動規範』が
表記されています。
― この雑誌の販売員さんは、公共的に迷惑にならないように
配慮しながらの販売行為
で真面目にお仕事をしてるんだなぁ。

こんないい雑誌を気軽に買って、読んで、間違いなく(ほかに
流用されたり、搾取されることなく)真面目なホームレスの
方のお役に立てる
なんて・・・
これからも、出来る限り購読したいと思う雑誌です。





風邪っぴきの友。

2007-11-07 15:26:01 | 



このところ、見たり読んだりしていた本です。



この辺りに、相変らず庭を何とかしたいとか、
植物を育てたいとか、あきらめきれない熱い願望が
現れています。

本のようには、いかないまでも
「このアイディアもらった!」とか、
せっかく芽生えるやる気が本の返却と共に
消滅してしまうのが・・・かなしい。
本を買った場合は・・・やる気は本と一緒に棚で
ホコリをかぶって忘れ去られます。




このふたつの方が、読んだ成果がどこかに現れる
可能性があり
ます。

右のワンコ服の本は、かつて3着ベストや袖つき
レインコート制作に役立ちましたが、苦心の
傑作があっという間に破かれたり、悪評だったり
したトラウマで、「NOIRの袖つきレインコート
という新しい大願はまだ成就していません。

左のほうはnose4な表紙に反して中身は、
おしゃれでステキなデザインアイディアが
いっぱいでした。

年賀状とか、NOIRのネームカードとか
消しゴムはんことか、
・・・何らかの形で近いうちに、日の目を見ると思います。




お酒が飲めない私のいいナイトキャップ。
ところが風邪を引いて数日ベッドにいたので、
下の3冊と一緒に、一日半で読み終えてしまい、
且つ図書館にもいけずにつらい数日を過しました。

(反動で、この後は本の厚さで借りるものを決めてしまった・・・。)



癒し系の三冊。右の「犬が・・・」は、犬の写真に
みじかい文が添えられています。
可愛いというより、寂しくなるような犬達ですが・・・
かわいくもあり、哀愁もあり、しっかり力強さもあり・・・
確かにいろいろ伝えてくれる犬達です。

犬の人格?と向かい合った著者の言葉がいいかんじ。

真ん中のランディさんは、相変らず期待を裏切らないし
『18年目の・・・』は展開を予想しながらも。。。うん。いい感じ。

軽くて、すごく打たれるとか、心に残るとか、
そこまで行かないけれど、癒される3冊です。



本の奥付・・・今回は省略。
後日『続きを読む』に、ポツポツ入れておこうかな。







英語の副題

2007-09-30 14:24:23 | 



英語は相変らず映画を見ていても歌を聴いてもチンプンカンプン。
ましてやニュアンスなんてわかるはずがない私がいうのは
おこがましいのだけれど、それでも上記ふたつの本の副題を見ると、
日本語のタイトルよりも内容がずっと伝わる。
両方とも日本人の著者なのに、どうしてだろう。

特に『世界に抱かれるために。』で恋人同士が抱きあう写真を
使用した田口ランディの本はこの著者のものでなければ
いかにおしゃれなカバーでも手に取らなかっただろう。
(著者がコレで納得した理由がわからないくらい。) 



世界に抱かれるために-How to connect with the world
田口ランディ 新潮社 2005/5
風水・ヒーラー・・・私は信じない。それなのに彼女がそれらに
近づいていく過程は共感できる。
「ティッシュをもらうちから」が印象にのこった。
今の私は、一応受け取るけど顔に迷惑や不愉快がでるだろう。
自分が疲れているのだ。
イヤな気持ちをウィルスのように撒き散らしていると、
まわりも汚染されるし、自分もしんどい。
著者は人間好き。一緒に暗闇に落ちていくのではなくて
一緒に洞窟を探検しているような共感+安心感が魅力だ。




水辺にて―on the water/off the water    
梨木香歩 筑摩書房 2006/11
表紙の写真がきれい。風景もファルトカヌーも。
私が漕ぐ船好きになったきっかけは、林間学校で乗った
カッター(大きなローイング・ボート。多人数乗れる)だった。
群馬県の赤城の大沼の霧に包まれ迷ったことがある。
漕いでも漕いでも宿舎近くの景色が見えない。
湖沿いの車に声を掛け、ようやく戻れたことがあった。
それでも、怖いような静けさの中、森と霧に包まれ
同級生達と異空間に迷い込んだかのような感覚は
もう一度体験したい思い出の1つだ。
カヌーを手に入れたものの、その時の追体験はまだない。
琵琶湖の岸近くをふらふらするばかり。

本は、期待を裏切らなかった。水面を滑っていて味わう
自然の静かさ、音、・・・ふと近寄る危険・・・出会い・・・
憧れの世界。




美術モデルのころ
長島はちまき バジリコ 2005/10
「レンアイ至上主義」っていうのがどうもね。私とは相容れない。
若い頃から私はそういうのはイヤだった。
でも、絵・・・うまい。美大出身だろうと思ったら違った。
美術モデルやPOP・イラストのアルバイト・・・
彼は劇団員で同棲したり地方公演の追っかけしたり
手伝ったり・・・

フン!といいながら時折魅かれたわー。そういうの。
ひとりで肩肘張ってがんばってたからねー、わたし。

でも、、、捨て身のピュアさがところどころ痛々しい。

有名な『チロといっしょ』の著者。




ミステリー・ディナー
デイヴィッド・グレゴリー(著
西田美穂子(訳  安西水丸(装画
ランダムハウス講談社 2005/11
安西水丸の表紙絵がゼツミョー。すきだなぁ。

著者はMBA取得後10年間のビジネスマン生活を経て
脱サラ。神学校で宗教認識論というのを勉強しているらしい。

宝石箱のような一冊。
こう語られるとキリスト教を少し理解できる気がする。
キリスト教のいい部分があたたかい口調で説明されている。


 ・ ・ ・

本とは関係ないけれど、キリスト教にまつわる<追憶>

むかし、日本人ブラザー2人に出逢った。
アフリカの貧しい人々の住む地域で共同生活を
しながら狭い住居の半分に祭壇を設けて、
祈りの場を同じ地域の隣人に提供していた。
穴倉のような暗い4畳半程度の部屋で
大人2人窮屈な暮らし。
「祭壇って、そんなに必要ですか?こんなに狭いのに」
とたずねる私に
「祭壇があって、マリア像や宗教画があった方が
わかりやすいから。ここに足を運ぶ習慣から始まるんですよ。」
「彼らはね。同じ大きさの空間に僕らの3倍以上の家族で
暮らしています。祈る場所は必要なんだ。」と答えた。

同じ頃、有名な日本人神父に出逢った。
同じ街の大きな教会で何不自由なく家族と信者と
日本人社会に包まれて教会や日曜学校の建物とは
別の屋敷にビジネスマンのように暮らしていた。

もちろん、宗派の違いもあるだろうけど
理解と実践は個人に掛かっているのだろうか。

私は、ブラザーたちのおだやかな空間を足繁く訪ねた。
「近所の女の子が抱いていた幼い兄弟に自分の食べ物を
分け与えようとして窒息死させてしまった。
よくあるんだ。そいうことが。
善意で精一杯しているのに、貧しさから来る事故が。」
そういって沈んでいることもあれば
学生時代好きだったバイクの話で盛り上がったりもした。

「勉強して、洗礼を受けたい。」と話すと
「日本に帰って、元の生活に戻ってからゆっくり考えると
いいですよ。いつでもできますから。いろいろ経験して、
ゆっくり考えてからでいいんですよ。」
と、あしらわれてしまった。

帰国後、手紙を書くと宗教画と聖書の一文が
書かれたしおりと、短い手紙が戻ってきた。
彼らはお元気だろうか。今はどこにいるだろうか。
宗教の話ではなくてもいい。
こころの話でなくてもいい。
どんな風に暮らしているのか伺いたい。

結局、私は宗教に馴染めず洗礼を受けることはなかったし
そんな気持ちも忘れかけていたけれど。
「ミステリー・ディナー」がきっかけで
その時期の記憶と気持ちがこみ上げてきた。






ウォーミングアップ

2007-09-15 10:52:05 | 



 若い頃は、忙しかろうが疲れていようが手当たり次第
安価な文庫本を買ったり、一度に4冊しか借りられなかった
近所の図書館に日曜日は朝借りた読みきったものを持って、
次の週のための本をもう一度借りに行ったりした。

 それが、近年忙しく働く間に段々と字が追えなくなって
「2・3行読んだら眠くなって・・・」というのが
初めて実感としてわかるようになった。
 仕事から離れ、時間がゆっくり取れるようになってからも
なかなか本に入り込めなくなって一冊読み終えるのが一苦労に
感じられ、目の疲れからか頭痛までしてくる。

 老化かと思って、これからの人生を本から離れたらどんなに
退屈な時間が増えるだろうかと心配したけれど、このところ
だんだん以前のペースが戻ってきた。
 すなわち、「面白い!」と思えれば´読む´という意識もなく
読み進み、´気がつくと読み終えている´。

 今年の秋は、読書の秋が楽しめそうだ。




フェアリー・フェラーの神技
マーク チャドボーン(著) 木村 京子(訳)
バベルプレス 2004/11

実存するカバー絵をモチーフに描かれた幻想的小説。
母親の「転ばぬ先の杖」が、逆に呪縛になっていたように
悪く取ってしまうのは私だけだろうか。
結末は、爽やかにまとまっているのがいい。




特別料理 (異色作家短篇集)
スタンリイ エリン(著) 田中 融二(訳)
早川書房 2006/7

ミステリーで特別料理といえば・・・。案の定の結末。
わかっているのに面白い。わかっているからこそ冒頭から
ワクワクと調理場の秘密に惹きつけられ、雰囲気にドキドキ。
短編集。他の作品も一皿一皿味わいがあって・・・ご馳走でした。




神様からひと言
荻原 浩一 著
光文社 2002/10

組織(会社)の中でのモノづくりは、たいていは個人では
出来ない規模の仕事を立ち上がれなくなるほどのリスクを
抱えることもなく進められる。成功すれば醍醐味は大きい。

それだけに、すんなりとGOは掛からない。
創り上げた自信作を準備万端整えて発表。。。
なのに、結果は無理解・酷評・歪曲した形で拾われたり
シロウトにこっぱ微塵に打ち砕かれたり。。。
爆発したくなるよね。なぜ、みんなガマンできるんだろう?
私にもはるか昔にあって、今につながる悲哀。

出だしから、いいテンポで引き込まれた。

それにしても、『坊ちゃん』も思い出したけど、この感じ・・・
なんか覚えがあるような・・・デジャヴーの正体がわかった。
つい最近読んだ過疎の村おこしの騒動を描いた
『オロロ畑でつかまえて』が同じ作者だったのだ。

八方塞のような状況から、登場人物各自の個性がひかりだし
ひと騒動あったのち、いい感じに落ちつく結末。
社会の暗部も背景にしながら、登場人物たちの力強さで
明るい痛快ストーリー・・・共通項が多い。
今回はちょっと古臭い人間のラブストーリーにも
なっていて微笑ましかった。




※ご興味のある方へ:あらすじ等は、画像したのタイトル名から
 リンクしているアマゾンの商品紹介ページでどうぞ。

 




 

根をもつこと、翼を持つこと

2007-08-24 11:20:58 | 





根をもつこと、翼をもつこと
2001年10月30日
田口ランディ 株)晶文社



この人の『できればムカつかずに生きたい』を読んでから、もう一年以上になっていた。
続けさまに同じ著者のものを読みたいと思ったのになぁ。

前作同様、眼に飛び込んだら手にとらずには入られないタイトル。
とてもストレート。そして、今回もタイトルから期待した以上の内容。

正直、「真夏の夜の夢」~本の1/3以上が、肩透かしだったり、わたしには消化不良だったり・・・アレ?という感もあった。地球環境に対する危機感に関しては、
『へ?もう少し持てよぉ。』と反感さえ感じた。

でも、、、著者の書くことへのこだわりを書いた『言葉の船を流す』、“共同生活者である亭主と子供とは仲良くやりたい”『家族ゲーム悪戦苦闘中』、自身の暗部をさらす『幼児虐待と子猫と私』『魂のコード』・・・あー、やっぱりこの人は沁みる。

futaba


『アニミズムという希望-山尾三省さんのこと』は特に、出会えてよかったと思う。

私は争いの元になるような宗教は好まないし、信じない。
でも、何か大きな存在を畏れたり、祈ったり、願ったり、感謝する対象としての「神」のイメージは薄っすらと、でも大きな存在としてに心に持っている。
それは日本古来の神々とも違っていて、今まで知っている中ではアイヌの人の神に近く、人に聞かれると「『森羅万象の中の八百万の神』は信じています。」と答えていた。

だから、山尾三省の講義録をまとめた『アニミズムという希望』(野草社)からの抜粋
『森羅万象に向き合う個人が、そのなかの一象に意味性や喜びとしてのカミを見出し、、それを他者と共有していく新しいアニミズム思想は、個人が個人でありながらそれを越えていく自由を内蔵していると同時に、環境問題という私たちに突きつけれれているある必須の課題を解決していく、小さいけれども重要な方法論でもある』
には引きつけられたし、著者が
「自然だけでなく、パソコンのシステムの中に、人工的な都市の中に、電流のなかに、見つけようと試みている。」「精神世界だけではダメなのだ。」「山尾さんは社会とカミの間に立っている。『暮らす』ということにおいて、私は山尾さんの足元にも及ばない。」と、続けていることに共感を感じる。

《抜粋》
○あとがきの結びの一文

 根とはルーツだ。
 翼とは意識だ。
 飛翔し、想像する力。イメージし、自由に夢想する力。
 根をもつこと、翼をもつこと。
そのことを思い出し、それに支えられるなら、人はどのような環境においてもこの世界にしっかり関与して生きていける。
 たとえ私が限りなく続けようとも、根があるから戻ってこれる。
 たとえ私がある場所に縛りつけれても、翼があれば自由だ。」

○山尾三省の詩

 わたくしは、ここで夢を起こす
 どんな夢かというと
 大地がひと知れず夢見ている夢がある
 その夢を起こす
 大地には 何億兆ともしれぬいきものの意識が
 そこに帰って行った深い夢がある
 その夢は椎の木
 その夢は小麦
 その夢は神
 私はここで夢を起こす
 無言で畑を起こす一人の百姓が 一人の神であることを知り
 無言で材を切る一人の大工が 一人の神であることを知り 
 無言で網を引く一人の漁師が 一人の神であることを知って
 わたくしもまた 神々の列に加わりたいと思う
     (「夢起こし」詩集『びろう葉帽子の下で』野草社)