ももママの心のblog

猫が大好き。有料老人ホームで生活相談員をしています。映画が好きだけど、なかなか見られません。

新日本紀行ふたたび

2008-05-18 | その他テレビ番組
土曜日の午前中にこんな番組があったのを最近知りました。「新日本紀行ふたたび」です。

http://www.nhk.or.jp/archives/kikou/

職場(老人ホーム)で、土曜日の昼食の時間に懐かしいテーマ音楽が耳に入ってきました。「新日本紀行」のテーマ音楽です。富田勲さんの作曲された叙情的なメロディー。なんと18年も放送されていたとのことで、子どもの頃から毎週のように見ていた番組だったので、びっくりしました。最初は単なる「アーカイブ」なのかと思っていましたが、昭和の時代に番組で取材した土地を、ふたたび訪れる番組と知って、録り忘れない限り録画しては観ています。(録り忘れも多いのですが・・・)

17日(土)放映分は、山形の天童市・将棋の駒の里でした。昭和48年に訪ねたときの映像も流れます。ナレーションは森本毅郎さんで、これも嬉しかったです。(昔大好きでしたから)当時は30名余もいた書き駒の職人さんも今はすっかり減ってしまい、師匠でもあるお父さんと一緒に駒を作っていた方も今は高齢になっていました。しかも、駒を作るだけでは生活にならないのか、観光客相手に実演をする日もあるようです。(観光客の名前を駒に書き、お土産にしていました)

また、工場勤めをしながら彫り駒の職人を目指している30代の方(妻子あり)を取材し、その奮闘振り、そして厳しい現実も垣間見ることもできました。

母親が「新日本紀行」が好きで、一緒に見ているうちに楽しみにはしていましたが、昭和48年と言うと、まだ私は高校生。山形に行った事もなければ、将棋の駒なんて興味なし。生活とか歴史とか、そんなものの重みもまったく分からなかった私が、当時の放送を見て何を感じたのでしょうか?何も覚えていませんが、せいぜい表面的なことしか分からなかったでしょう。

でも、大学に入ってから旅行のクラブに入って何となく求めていたのは、こんな素朴な人々の生活の端々に触れることだったように感じます。単に観光地だけを見て回るのではなく、人間が実生活をしているその場を訪ねたかったような・・・。未熟だったので、そんな大層なことは、結局出来ずじまいだったと思いますが・・・。

今はそんな私も中年になり、少しは世の中が見えてきました。将棋の駒の需要自体が落ち込んでいると思われる中、貴重な職人さんの技術を伝承して行こうと努力している方がいる姿は静かな感動を呼び起こすものでした。

夕食後の団欒の時に流れていた富田さん作曲のメロディーを聴くと、その団欒のにおいまで思い出されるような個人的な郷愁にも浸ってしまいます。しかし、激減する将棋の駒の職人さんにも、21世紀の生活があるのですね。滅びてしまうかもしれない江戸時代からの技ですが、まったく光がないわけでもないと思いました。色々感じさせられ、心に染み入る番組です。

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