ももママの心のblog

猫が大好き。有料老人ホームで生活相談員をしています。映画が好きだけど、なかなか見られません。

母べえ

2008-02-20 | 映画 か行
黒澤明作品でスクリプターをやっていた野上照代さんの自伝の映画化。治安維持法で逮捕された父を待つ一家の心温まる一作。

2008年(公開) 日本 ヒューマンドラマ
2008年2月20日 ワーナーマイカル・シネマ新百合ヶ丘
監督 山田洋次(武士の一分、たそがれ清兵衛ほか多数)
原作 野上照代
出演 吉永小百合(北の零年、長崎ぶらぶら節ほか多数)、浅野忠信(座頭一ほか)、壇れい(武士の一分ほか)、坂東三津五郎(武士の一分ほか)、
(出演作品などは私が観たものに限る)

昭和15年、東京。学者の野上滋(坂東三津五郎)一家は仲の良い家族だった。を父べえ(とうべえ)、母(吉永小百合)を母べえ(かあべえ)、長女の初子を初べえ、次女の照美を照べえ呼び合っていた。ある日父べえが思想犯として逮捕されるが、母べえは夫を信じて子どもたちと暮らす。父べえの教え子である山ちゃんこと山崎(浅野忠信)や父の妹であるちゃこおばさん(壇れい)たちが一家を励まし、隣組の人たちもそばにいた。

子役がとても良いです。セットも昭和15年は懐かしいはずないのに、なぜか懐かしさを感じさせます。狭い路地に面して建ったこじんまりとした木造平屋。竹の垣根には子どものズック靴が干してあります。縁側に並んで座ってスイカを食べ、種を飛ばしたり・・・。これって全部、まだ昭和30年代でも同じように私の周辺にもあったものばかりですけど?
治安維持法がない今の時代、でも、国家が国民をコントロールしようとし始めている昨今です。まったく過去のこととして葬ってしまってはいけないことですね。
まだ小さい子供がいるお母さんの役としては吉永小百合さんはちょっと年齢的に厳しいです。まあ、当時の大人たちって今の大人と違って、もっとしっかりしていたし、もっと大人だったので、60代の吉永さんが30代の役をやるのは、さほど無理がないと考える人も多いのでしょうが、私にはやはり気になることでした。
反戦映画としては物足りないし、全体にきれいごとが多く、すすり泣く声も聞こえましたが、どうも乗り切れない気持ちのまま終わりました。子供たちが大人になった後のエピソードも蛇足と思え、倍賞千恵子が特別出演で長女の成長した姿を演じていましたが、これもまた、年齢的に無理を感じました。山田洋次監督が自分の好きな女優、俳優さんを集めて、好きに撮っているのだと・・・。笑福亭鶴瓶がのびのびと地のままで演じていて、楽しそうでした。こういうのは、観ている方も楽しいです。

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