こぼれ話・豆知識・・・
…映画【
カムイ外伝<2009-10-05>】の主題歌:ヘンデルの「私を泣かせてください」とは、
ヘンデル(ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル)作曲のオペラ
「リナルド(RINALDO)」 全3幕の第2幕、第4場の2番目
(通算41曲目) の曲です。 Lascia ch'io pianga mia cruda sorte(過酷な運命に涙を流し)で歌い始める有名なアリアです。このアリアだけをとって、「私を泣かせてください」又は、「涙の流れるままに(涙の流るるままに)」と呼ばれます。
ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル(Georg Friedrich Händel/1685→1759)は、ドイツ生まれでイギリスに帰化した作曲家です。イギリスに帰化していることから、英語名 George Frideric Handel に従い ジョージ・フリデリク・ハンドル(又はハンデル)とも呼び、イギリスの作曲家として扱うべきという意見もあるようですが、日本ではドイツ名で知られ、ドイツの作曲家として扱われるのが通例となっています。
オペラ【リナルド】の物語 :
①・・・ 剣士リナルドとアルミレーナ、二人の恋の物語です。 舞台はエルサレムを包囲している十字軍のキャンプ。騎士リナルドは、十字軍の総司令官ゴッフレードの娘アルミレーナと恋に落ちていた。エルサレムを見事攻め落としたら、アルミレーナとの結婚を司令官ゴッフレードに認めてもらえる約束だった。 ある日アルミレーナとリナルドが愛を確かめ合っていたところ、エルサレムの王アルガンテの妻アルミーダが二人の前に現れ、魔術を使ってアルミレーナを奪い去ってしまう。
②・・・ 捕らわれたアルミレーナは、その若さと美しさから、エルサレムの王アルガンテに気に入られてしまいます。 恋するリナルドと引き裂かれ幽閉されてしまったアルミレーナは、自分の哀れな境遇をただ嘆き悲しむばかり。そんな耐え難い悲しみを分かろうともせず、執拗に迫ってくるアルガンテ王に対して、アルミレーナは私を一人にしてと言い放つのだった。
Lascia ch'io pianga mia cruda sorte, e che sospiri la liberta.
【私を一人で泣かせてください残酷な運命に溜息をつかせてください失われた自由に】
ヘンデルの「私を泣かせてください」を視聴出来ます。→ こちら 又は、こちら へ。
リナルドは、味方の魔術師の助けを借りるために旅立った。その途中でアルミレーナの使いと称する美しい女性が現れる。リナルドはアルミーダの城に案内されるが、これはアルミーダの罠だった。 リナルドに密かな恋心を抱いていたエルサレムの王アルガンテの妻アルミーダは、捕らわれたリナルドを前に、魔術でアルミレーナの姿に変身して彼の気を引こうとする。一度は本物の彼女アルミレーナだと信じ込んだリナルドだったが、すぐにそれが偽者だと見破る。 捕らわれたリナルドとアルミレーナを救出しようと、ゴッフレードと彼の弟エウスターツィオは味方の魔術師の元へたどり着いた。そこで敵の宮殿の場所を教えてもらい、授かった特別な魔法の杖で敵の邪悪な魔術に対抗することを決意する。
③・・・ 敵の宮殿に到着した彼らは、魔法の杖で宮殿の門を攻撃すると、たちまち邪悪な魔法は解け、宮殿は消え去った。追い詰められたアルミーダはアルミレーナに剣で襲い掛かり、守ろうとしたリナルドを魔法で拘束する。 そこへゴッフレード達が駆けつけて魔法の杖を振りかざすと、リナルドの拘束は解けた。動けるようになったリナルドがすかさず攻撃すると、アルミーダは魔術で消え去り、戦いはゴッフレード十字軍の勝利に終わる。エルサレム王アルガンテと妻アルミーダは捕らえられ、キリスト教に回心した。無事に再会したリナルドとアルミレーナは、めでたく結ばれたのでした。めでたし、めでたし。
(世界の民謡・童謡の
worldfolksong.comさま、参照)