12年前のあの日
私達は房総にいた
今日のように快晴の空
青い海をながめながら
オーダーした
トロピカルジュースを待って
寛いでいたパーラーが
突然揺れて
よろめきながら外に飛び出した記憶
咄嗟に海岸線から離れようと
車に飛び乗り
房総半島の高地の細道を
帰路に向けひたすら走った記憶
途中渋滞し始めた道すがら
コンビナート方面に
燃え上がる火の手を見た記憶
深夜過ぎにやっと辿り着いた我が家
食器の破片が飛び散り
本が散乱している中
留守をしていた愛犬達が
震えながら胸に飛び込んできた記憶
あれから12年
今私達はここにいて
生きていて
命の尊さを噛み締めて
14時46分
静かに黙祷を捧ぐ