船橋情報ビジネス専門学校

身近で起きた出来事を更新していきます!!

ノッチと機関砲

2019-10-31 15:04:14 | Weblog
就職指導室の徳永です。

この時期、2021年春卒業予定の学生はインターンシップに積極的に参加しています。

今は、インターネットの情報もあるし、職場体験もあり、より的確な就職先選びが可能です。職場体験は、高校や専門学校、大学ではインターンシップ、中学では職場体験学習、小学校では職場見学と呼ばれているようです。

私が中学生だったころは、職場体験という言葉すらなかったように思います。その当時、将来なりたい職業で男子に人気だったのがプロ野球選手やパイロット、特急列車の運転手だったと思います。女子はスチュワーデス(現:キャビンアテンダント)、学校の先生だったかな。私は、まだ一度しか乗ったことのない特急列車の運転士になってみたいと思っていました。白い制服に身を包み颯爽と運転台に乗る運転士の姿に憧れていました。

たまたま友達の父親が特急の運転手で、電車の車庫に、友達2人と私を連れていってくれることになりました。多くの電車が並ぶ車庫の中には、「こだま」型特急電車がありました。しかし、浮かれた気分とは裏腹に、実際に運転台に乗ると、その高さに恐怖感すら。ノッチ(ノッチハンドル:車のアクセルのようなもの)を握らせてもらいながら、友達の父親が、これで時速100キロは出せると説明してくれました。ますます特急の運転手なんて怖い仕事だと思いノッチを握る手の平が汗で滑ってことを覚えています。一緒に連れて行ってもらった友達も、その後、電車の運転手にはならず他の道を歩んだことからすると、私と同じように思ったのかもしれません。

運転士を目指さず時は流れて前職で、運転士訓練センター落成を取材することがありました。訓練センター内には3つの駅があり実物の電車を運転させてもらいました。しかし、調子にのってスピードを出しすぎて駅ホームの停止線からオーバラン、車だけではなく電車も急に止まれない、電車はもっと止まれない。やはり電車の運転士にならなくてよかったと思いました。これが私の職場体験の結論でした。

さて、昨日の京都新聞によると、『京都府舞鶴市の中学生が10月上旬、職場体験で訪れた海上自衛隊の艦艇で、機関砲の模擬体験をしていたことが29日までに分かった。自衛隊員が扱う火器を中学生が操作することを疑問視』。今月上旬、中学2年生の男子生徒2人が、掃海艇「すがしま」職場体験で、機関砲の機器を触って操作を体験したそうです。それに対して、教職員組合は17日、「人を殺傷する能力がある銃器を公教育の場で生徒が使用することは許されない」として、自衛隊での職場体験をしないよう求める要望書を市教委に提出したとあります。

職場体験が難しい問題になったようです。職場体験をする生徒の立場からですと、機関砲操作はありだと思います。職場見学ではなく職場体験だからです。

実際にノッチを握って電車の運転士は無理だと思った私。自衛隊に職場体験に行った中学生は機関砲を操作してどう思ったでしょうか。将来の自分の姿が見えたのではないでしょうか。それとも見えなかったでしょうか。ノッチと機関砲、その感触は職業選びをする中でとても大切なものだと思います。


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