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CDのレビューとかなんとか

2112/Rush

2015-02-04 19:59:08 | レビュー

<List>
1. 2112
. Overture
. The Temples of Syrinx
. Discovery
. Presentation
. Oracle: The Dream
. Soliloquy
. Grand Finale
2. A Passage to Bangkok
3. The Twilight Zone
4. Lessons
5. Tears
6. Something for Nothing

<Member>
・Geddy Lee(Bass, Vocal, Keybord)
・Alex Lifeson(Guitar)
・Neil Peart(Drums)

1976リリースの4th。名作"2112"です。最初これを耳にした時、「なんと古臭い音だ」と思いました。ジャケットの裏の3人の格好を見てさらに古臭いと思いました。Geddy Leeのボーカルも限界ギリギリで無理して高い声を張り上げていて辛い感じがしました。

で も、あの名作"2112"ですよ。この前後のアルバム、"Caress of Steel"と"A Farewell to Kings"を聴いてやっと腑に落ちた感じです。大作志向はもう既に"Caress of Steel"で確立されていて、その延長上にあるアルバムだなと、スペイシーな感覚は"A Farewell to Kings"に引き継がれたと思います。

"2112"は物語の様です。へヴィーな展開からアコースティックへそしてまたへヴィーになって最後はGeddyの悲痛な叫びからイントゥルメンタルのエンディングを迎えます。1人2役を演じているんですね。スペースオペラです。

是非日本盤を買って歌詞の和訳を読むことをお奨めします。

LP レコードでいう所のA面丸ごと1曲(組曲)、B面を"A Passage to Bangkok"~"Something for Nothing"まで。プログレッシヴ・ロックの手法ですね。で、そのB面ですが、A面とは全然繋がりのない中華風のフレーズが印象的な"A Passage to Bangkok"、さらに繋がりのない"The Twilight Zone"、ポップな"Lessons"、優しい名曲"Tears"、最後にメタリックな"Something for Nothing"。B面がA面の完成度に比べ散漫な感じがします。それとテクニックが見えにくい。"A Farewell to Kings"はテクニックが良く見える。そんな印象です。

"2112"アルバムは、ジリ貧に陥りつつあったバンドの再デビューアルバムです。ここからRushの快進撃が始まりました。でも、"A Farewell to Kings"の方が好きかな。