毒まんじゅうはいかが?

CDのレビューとかなんとか

90125/Yes

2015-07-25 23:16:31 | レビュー

<List>
1. Owner of a Lonely Heart
2. Hold On
3. It Can Happen
4. Changes
5. Cinema
6. Leave It
7. Our Song
8. City of Love
9. Hearts

<Member>
・Jon AndersonVocal)
・Chris Squire(Bass)
・Trevor Rabin(Guitar, Keyboard, Vocal)
・Alan White(Drum)
・Tony Kaye(Keyboard)

1983年リリースの11th。ギターにTrevor Rabinを据えて"90125Yes"3部作の最初の作品です。
 
"Fragile"や"Close to the Edge"の頃の音像を期待してこのアルバムを聴くと全く脈略が無くて失望します。
時は1983年、Asiaが既にPopな音楽性で成功を収めていたので、それに追随したたのか、それともSteve Howeとは全く互換性のないTrevor Rabinを据え、彼を中心に創作した結果がこうなったのか・・・

しかしYesはその時々に応じて"Going for the One"の様な毛色の違う作品をリリースした歴史を鑑みるとこれもアリでしょう。
 
まず、音が圧倒的に良い事。プロデューサーはあのTrevor Horn。それとTrevor Rabinがかなりかんでいるでしょう。
Trevorのボーカルもかなり良いですよ。
でも、やっぱりJon Andersonのボーカルの方が安心しますね。
 
涙を誘うのはTony Kayeの存在ですね。
キーボードの美味しい所はTrevor Rabinがかっさらって、これじゃあイジメじゃないか。しかも年下から。
 
このアルバムのハイライトは1曲目の"Owner of a Lonely Heart"ですね。
車のコマーシャルにも採用されていたから、皆どこかで聴いたことがあるのではないかと思います。
おもいっきりミスマッチだと思いましたけど。
PVも作成され、マニアックな存在だったYesもかなり表舞台へ躍り出たという感じです。
 
3部作の中での評価の筆頭はこれでしょう。
個人的にはさらにPopな"Big Generator"が好きですけどね。
"Talk"は嫌いだったけど、久々に聴いたらいいじゃないかと思うようになりました。
 
常にYesのオリジナルメンバーであり続けたChris Squireがお亡くなりになりました。
彼のメロディアスでありながらトレブルの効いたベースは、多くのミュージシャンから尊敬を集め、影響を与えました。
心よりご冥福をお祈りいたします。


Hemispheres/Rush

2015-07-19 01:08:57 | レビュー

<List>
1. Cygnus X-1 Book II: Hemispheres
□□) Prelude
□□) Apollo (Bringer of Wisdom)
□□) Dionysus (Bringer of Love)
□□) Armageddon (The Battle of Heart and Mind)
□□) Cygnus (Bringer of Balance)
□□) The Sphere (A Kind of Dream)


2. Circumstances
3. The Trees
4. La Villa Strangiato (An Exercise in Self-Indulgence)
□□) Buenos Nochas, Mein Froinds!
□□) To Sleep, perchance to dream...
□□) Strangiato theme
□□) A Lerxst in Wonderland
□□) Monsters! - 5:49
□□) The Ghost of the Aragon
□□) Danforth and Pape
□□) The Waltz of the Shreves
□□) Never turn your back on a Monster!
□□) Monsters! (Reprise)
□□ⅺ) Strangiato theme (Reprise)
□□ⅻ) A Farewell to Things

<Member>
・Geddy Lee(Bass, Vocal, Keybord)
・Alex Lifeson(Guitar)
・Neil Peart(Drums)

1978年リリースの6th。1曲目、"Cygnus X-1 Book II: Hemispheres"は、LPレコードA面全部が前作"A Farewell to Kings"の"Cygnus X-1 Book Ⅰ: The Voyage"の続編になります。

そ れは、Rushがそれ以前に追求した"Caress of Steel"の5曲目"The Fountain of Lamneth"、"2112"と同じ構成ですね。そしてYesの"Close to the Edge"、Emerson, Lake and Palmerの"Tarkus"という手本もありました。
 
これらの組曲に通じる事は大まかに言えば、「動で始まり静へ、そして再び動へ」というもので、後発の"Cygnus X-1 Book II: Hemispheres"も基本的にそれに沿ったものになりました。

し かし"Cygnus X-1 Book I: The Voyage"の続編を作るのにあたり、歌詞を担当するNeil Peartは相当苦しんだそうですね。英語の苦手な私にはそれより、曲の方が相当強引でまとまりに欠いていると思いました。最後の仕上げというか洗練さと いうか。テクニックはRushのアルバムの中でもかなりものですけどね。
 
このアルバムを高く評価するのは最後の2曲につきま す。"The Trees"は、子気味良いリズムチェンジと変拍子で樫の木とカエデの対立を表現しています。これがイギリスとカナダの関係を描いた詞ということで、ダブ ルミーニングになっているのですが、英語はわかりません。でもNeilの作る作詞は素晴らしい。
 
そして最後の"La Villa Strangiato"ですよ。彼らのテクニック全開で突っ走ってきます。10分近いインストゥルメンタルですが目まぐるしく展開が変わり、全然長く感じない。"YYZ"と並び彼らの代表するインストゥルメンタルです。
 
今行っているR40ツアーを最後にライブは行わないそうですね。とても残念です。

 


A Farewell to Kings/Rush

2015-07-12 00:19:57 | レビュー

<List>
1. A Farewell to Kings
2. Xanadu
3. Closer to the Heart
4. Cinderella Man
5. Madrigal
6. Cygnus X-1 BookⅠ: The Voyage
□□) Prologue
□□) 1
□□) 2
□□) 3

<Member>
・Geddy Lee(Bass, Vocal, Keybord)
・Alex Lifeson(Guitar)
・Neil Peart(Drums)

1977年リリースの5th。前作"2112"でブレイクした後のアルバムで、どことなく余裕が感じられます。
 
大作主義、ファンタジーな歌詞、プログレ指向である3rdアルバムの"Caress of Steel"から次作、6thの"Hemispheres"までのRushが好きだという人はわりと沢山いるようですね。
そんな中でもこのアルバムはバランス良く曲が配置されており、1番良いと思います。"2112"よりもです。
 
メタリックな"A Farewell to Kings"、大作"Xanadu"、歌詞が素晴らしく今もライブで演奏される"Closer to the Heart"、そしてこれも大作"Cygnus X-1"。

このスペーシーな大作は序章から複雑な変拍子で緊張感を高め、変幻自在、起伏のある展開を経て最後に疾走、爆発するような曲です。
文句なし。とても素晴らしいカッコイイ曲です。なのでここで止めておけば良かったのにと思います。
続編は、、、無理して作ったからかちょっと苦しく、ぎこちなさを感じます。
 
to be continued...


Killing Is My Business... and Business Is Good!/Megadeth

2015-07-04 23:08:58 | レビュー

 <List>
1. Last Rites/Loved to Deth
2. Killing Is My Business... and Business Is Good!
3. The Skull Beneath the Skin
4. Rattlehead
5. Chosen Ones
6. Looking Down the Cross
7. Mechanix
8. These Boots

<Member>
・Dave Mustaine ? lead vocals, rhythm and lead guitar, acoustic piano
・Chris Poland ? lead guitar
・David Ellefson ? bass guitar, backing vocals
・Gar Samuelson ? drums, timpani
 
1985年リリースのデビュー作。初めて聴いた時はB級作品だけどマイナーレーベルからのデビュー作だから仕方がないだろうと思いました。
まず音が圧倒的に悪い。マスターテープとヘッドのアジマスずれが発生しているのではないかと思いました。大佐も「ワァーォ」なんて繰り返してDave Lee Rothかよと思いました。そしてこのジャケットでしょう?聴く気が失せますよね。

 でも、ジャズのエッセンスを取り入れた奇異な作品だと思いました。これはChris PolandとGar Samuelsonからの影響が大きいですね。
 
ところが、ところが・・・リマスター盤が音が劇的に良いらしいとの事で買って聴いたら驚きました。
まるで新しく録音し直したんじゃないか?そうでないとこんな芸当出来ないですよ。現代のテクノロジーの為せる業でしょうか?
それにしてもこのアルバムとJethro Tullの"Aqualung"はリマスターで劇的に音が良くなったアルバムのBestの部類に入る物ですね。
 
しかし、それとは引き換えに気に入らない部分もあります。
"These Boots"は当時の彼らの音楽性にマッチしてオリジナル曲じゃないかと思える程良い曲です。
この曲がアナログでいうところのB面最後の曲だったのが、アルバム最後の曲に曲順が変わっています。さらには大佐のボーカルに「ピーーーーーー」、「ピーーーーーー」と音を被せています。ちょっとこれは初めて聴いた時は笑って済ませる事も出来ますが、何度も聴いていると耳障りになっていきます。これはいかんでしょう。
 
このアルバムで一番良い曲は"Rattlehead"ですね。彼らが如何に特異な存在であったかが理解出来る曲です。これはMetallicaのモノマネにはならないぞという大佐の才能ですね。
 
もうひとつ言わせてもらえば、Metallicaの"The Four Horsemen"の異名同曲(!?)の"Mechanix"ですが、ちょっと速くしすぎではありませんか?激おこなんでしょうけど。