もぐらたたき!

CDのレビューとかなんとか

Leftoverture/Kansas

2015-01-30 23:03:16 | レビュー

<List>
1. Carry On Wayward Son
2. The Wall
3. What's On My Mind
4. Miracles Out of Nowhere
5. Opus Insert
6. Questions of My Childhood
7. Cheyenne Anthem
8. Magnum Opus
  )Father Padilla Meets the Perfect Gnat
  ) Howling At the Moon
  ) Man Overboard
  ) Industry On Parade
  ) Release the Beavers
  ) Gnat Attack

<Member>
・Steve Walsh(Vocal, Keybord)
・Robby Steinhardt(Violin, Vocal)
・Kerry Livgren(Guitar, Keybord)
・Rich Williams(Guitars)
・Dave Hope(Bass)
・Phil Ehart(Drums)

1976 年リリースの4th。Kansasというバンドは、Rushもそうですが、プログレッシブロックの範疇に入れてしまうのはマニアには許せないのではないで しょうか。私はプログレッシブロックの影響を受けたロックとして解釈しています。これらのバンドは活動期も被りますしね。

本作は、彼らの作品群の中で最もギターがフューチャーされていて、展開も激しく、ハードロック、ヘヴィーメタルファンにお奨めするならこの作品です。

"Carry On Wayward Son"はコーラスから始まり、重いギターとベースのリフで進行していく彼らの代表作です。

"The Wall"は叙情的な名曲。ギターソロやバイオリンがとてもメロディアスです。

"Cheyenne Anthem"はアコースティックで優しい序盤から急にスリリングな展開を経て最後はなんとなくYesの最高傑作"Close to the Edge"の名曲、"And You and I"の最後、Steve Howeのスティールギターソロを思い起こさせます。

"Magnum Opus"はテンションが高く、めまぐるしい展開で8分を超える曲があっという間に感じられます。組曲のタイトルが笑えます。

キーボード類もピアノやムーグ・シンセサイザー、ハモンドオルガンが随所に顔を出し、効果的に他の楽器と調和しています。Steve Walshのボーカルも高い声が出ています。

次作"Point of Know Return"とどちらが良いアルバムか?答えは難しいですが、本作に軍配をあげます。両方入手するのが一番良いですね。


Out of the Sun/Joey Tafolla

2015-01-29 18:28:35 | レビュー

<List>
1. Eternity's End
2. Out of the Sun
3. Zero Hour
4. The Summon
5. Stalingrad
6. Truce With Kings
7. Fire in the Lake
8. Samurai
9. Nine Tomorrows

<Member>
Joey Tafolla(Guitar)
Tony MacAlpine(Keyboard)
Reynold Carlson(Drums)
Wally Voss(Bass)
Paul Gilbert(Guitar)

1987年リリースの1stソロアルバム。Shrapnel
系 ギターのインストゥルメンタル。「Joey Tafollaなんて知らないよ、しかもオールイントゥルメンタルだなんて」って感じですが、良いアルバムですよ、これは。Joey Tafollaのギターテクニックもそんなに傑出したものではないですが、曲が良いんです。何故なら、プロデュース兼キーボディストとしてTony MacAlpineが噛んでいるからです。Wally VossはあのYngwie J. Malmsteenと活動されていたのですが、お亡くなりになりました。そして、"Zero Hour"、"Stalingrad"、"Truce With Kings"、"Nine Tomorrows"でPaul Gilbertがゲスト参加しています。激しいギターバトルあり、Tony MacAlpineの高速Keybordあり、タッピングを使ったベースソロあり、色々聴き所がありますが、私は"Stalingrad"のポールギル バートの超絶ソロが好きで、この曲を何度も繰り返して聴いていました。この頃はたくさんのShrapnel系ギタリストがアルバムをリリースしましたが、 現在もなお流通している数少ない作品です。幾らなんでもいつまでもという訳にはいかないでしょうから、とりあえずPaul Gilbertのファンは買いですよ。


Clockwork Angels/Rush

2015-01-28 20:24:08 | レビュー

 

<List>
1. Caravan
2. BU2B
3. Clockwork Angels
4. The Anarchist
5. Carnies
6. Halo Effect
7. Seven Cities of Gold
8. The Wreckers
9. Headlong Flight
10. BU2B2
11. Wish Them Well
12. The Garden

<Member>
・Geddy Lee(Bass, Vocal, Keybord)
・Alex Lifeson(Guitar)
・Neil Peart(Drums)

2012年リリースの20th。先行リリースで"Caravan"と"BU2B"を聴いた時、「1曲目はまぁ最近のRushのアルバムのつかみの1曲とし ては少し弱いな、2曲目は未だ未完成じゃないだろうか。もう少しBrush Upして貰わなければ困る」と率直に思いました。でもフルレンスアルバムに組み込まれて聴いた時には全然違和感なく、かなり魅力的な曲に変わった様に思い ました。

このアルバムで感じるのはロックミュージックへの決意ですね。老体に鞭打ってさらにテクニカルにヘヴィーにアグレッシブにやれることを全力でやるといった 感じです。どう考えてもバンド活動は40周年を迎え、末期に差し掛かったと思うんです。だって、フルレンスアルバム20枚目ですよ?で、そんじょそこらに いる若いバンドより余程エネルギーを発散していますよ。

幾つかの特筆事項があります。大胆にストリングスを導入したこと。直近のライブでは、ストリングス・セクションを同行させている様ですが、それ以降のライブでどう再現されるのか今回限りなのか判りませんが、大きな決断だったと思いますね。

さらにGeddyの歌い方が変わった事。高い声を多様するようになったのですが、ボイストレーニングか何かを行ったのでしょうか。あまり高くないのだけど 上手く低い声とコントラストをつけて高く感じさせるような感じもします。それと歌い方に癖が加わった部分が気になります。

以前、Foo Fightersとツアーをしたこともが大きいのでしょうが、Nick Raskulineczがプロデューサーということで、かなりその影響下にあるように思います。

Geddyのベースは相変わらず驚異的だし、Alexのギターは一時下手になったのじゃないのか?と思わせる時期もありましたが、また上手くなって Geddyと共に音の壁を作り上げています。曲のカラーを決定付けているのは彼です。で、Neilですが、チューニングが下げたのでしょうね、それが二人 の音圧と被ってしまっている部分もあると思います。なので、クリアーでないこともあってそれ程目立ちません。今の音楽性に合わせているからでもあると思い ます。相変わらずプレーは凄いですが。

それと、このアルバムがコンセプトアルバムであるということ。全然そんな意識で聴いてませんね。前作の"Snakes & Arrows"の方が余程コンセプトアルバム風じゃないか?と思える位普通です。歌詞はすべてNeilが担当している訳ですが、英語が苦手な私にもちょっ とエグいフレーズが飛び込んできて「Neilは若ぶっているのかねぇ?(笑)」とか思ってしまいました。

ということで、このアルバムもこれから何度も聴くことになるでしょう。不思議に思うのは、このアルバムをリリースするにあたり、なんでマイナーなRoadrunner Recordsへ移籍したの?ビルボード2位獲得。


Battle Lines/John Wetton

2015-01-27 23:04:55 | レビュー

<List>
1. Right Where I Wanted to Be
2. Battle Lines
3. Jane
4. Crime of Passion
5. Sand in My Hand
6. Sea of Mercy
7. Hold Me Now
8. Space & Time
9. Walking on Air
10. You're Not the Only One

<Member>
John Wetton(Vocal, Bass, Guitar,Keyboards)
Dave Boruff(Saxophone)
Robbie Buchanan(Piano)
Michael Cartellone(Drums)
Robert Fripp(Guitar)
Claude Gaudette(Keyboard)
Michael Landau(Guitar)
Jed Leiber(Keyboards)
Steve Lukather(Guitar)
Bob Marlette(Keyboard)
Simon Phillips(Drums)

1994年リリースの2ndソロアルバム。この人は休むことなく絶えず音楽活動をしていますね。当初は日本先行発売で"Voice Mail"というタイトルでした。

まぁ、後発の"Battle Lines"にはボーナストラックとして"Battle Lines"のアコースティックバージョンが追加収録されていますが。このアルバムはプログレではありません。ポップであると言えます。ですが、John のボーカルを正面に据え、最大に活かす作りになっています。当時の声の調子も良さそうです。そして落ち着いた曲が多いです。全ての曲が良い曲で、アルバム のまとまりや曲順も文句のつけようがありません。心が癒されます。後にライブアルバムでも収録される"Battle Lines"、"Hold Me Now"がとても良いです。ゲストメンバーもMichael Cartellone、Steve Lukather、Simon Phillips、そしてRobert Frippが参加しています。こういうアルバムに光を当てて欲しいです。このまま埋もれたら勿体無い。本当に良いアルバムなんだから。


Pawn Hearts/Van Der Graaf Generator

2015-01-26 21:46:52 | レビュー


1. Lemmings
2. Man-Erg
3. A Plague Of Lighthouse Keepers


・Peter Hammill(Vocals, Guitar, Piano)
・Hugh Banton(Bass, Organ, Keybord, Bass Pedal)
・Guy Evans(Drums, Piano)
・David Jackson(Saxophones, flute)

1971年リリースの4th。このアルバムはVan Der Graaf Generatorの最高傑作とされているので聴いてみました。バンドのパフォーマンスが良いとか悪いとか、実際複雑で難解な演奏であるけれども、論評する前に決して上手いボーカルとは言えないボーカルのPeter Hammillが全てのイニシアティブを握ります。訳の判らない事をつぶやいたり、内省的になったり普通になったり、怒ったりわめいたりして全ての注目を彼が奪うのでした。一番短い言葉で表すなら基地外?これ、ライブで再現可能なのですか?ディストーションは掛かっていないけれど音がたっぷり詰まった非常に攻撃的なアルバムです。