もぐらたたき!

CDのレビューとかなんとか

おしらせ

2015-03-31 22:55:16 | レビュー

本日で今年度も終わります。10月下旬から毎日お届けしてきたこのブログですが、私もそろそろ限界が来たようです。

例えばCamelの"Snow Goose"やFocusの"Hamburger Concerto"、Premiata Forneria Marconiの"Per Un Amico"等はどれも良い作品ですが、その素晴らしさをどのように伝えたら良いのかわかりません。

毎日同じ姿勢でPCに向かう事は出来ません。辛い日、頭が回らない日、疲れた日、忙しい日もありました。ですので、ここら辺りでペースを落としたいと思います。
 
アクセスログからはどちら様かは判らないのですが、更新と同時に駆けつけて下さる方が多数おられ、とても嬉しく思いました。


そんな訳で毎週土曜日を目安に投稿日としたいと思います。ですので力(りき)の入った内容にする所存です。それ以外の日も余裕があればこれまでの記事をメインテナンスしたり、加筆したりしようと思います。

ですので引き続き御愛顧頂ければ、皆々様へは「ありがとうございます」と申し上げたい気持ちです。


Grace Under Pressure/Rush

2015-03-31 22:52:54 | レビュー

<List>
1. Distant Early Warning
2. Afterimage
3. Red Sector A
4. The Enemy Within
5. The Body Electric
6. Kid Gloves
7. Red Lenses
8. Between the Wheels

<Member>
・Geddy Lee(Bass, Vocal, Keybord)
・Alex Lifeson(Guitar)
・Neil Peart(Drums)

1984年の10th。心機一転、プロデューサーを長年に渡り関わってきたTerry Brownと決別し、Peter Hendersonを起用。"Moving Pictures"から"Signals"への大きな変化と同様、このアルバムもドラスティックを変えてきました。
 
まず、音空間の奥行が狭い感じがします。キーボードはさらに増えました。Rushの作品の中でこのアルバムが一番キーボードの使われているアルバムでしょう。そして扱うテーマがシリアスであることも相まって冷たい感じがします。

オプティミスティックで明るい曲がありません。"The Enemy Within"や"Kid Gloves"は明るく振る舞おうとしているのですが、なりきれていないですね。
 
このアルバムは精神的に最もへヴィーで冷たい作品に思えます。"Signals"と同じ方向を目指したようで、指向しているものは異なります。そんな訳でこのアルバムは少々ひいてしまう感じでしたが、"Grace Under Pressure Tour"の映像を見て、そのパフォーマンスの高さに驚嘆するのでした。Neil Peartもクリック音?をモニターして非常に精確でプロフェッショナルな演奏を見せてくれます。
 
このアルバムの色を決定付ける曲として"Distant Early Warning"、"Afterimage"、"Red Sector A"、"Between the Wheels"が挙げられるでしょう。特に最後の"Between the Wheels"で聴く事が出来るAlex Lifesonのギターソロは全作品の中でも最高の部類に入るものです。
 
このアルバムは"The Spirit Of Radio"~"Hold Your Fire"までの華やかだった頃の作品の中では最後に聴くべきかもしれません。


Ace of Spades/Motörhead

2015-03-30 18:54:26 | レビュー


1. Ace of Spades
2. Love Me Like a Reptile
3. Shoot You in the Back
4. Live to Win
5. Fast and Loose
6. (We Are) The Road Crew
7. Fire, Fire
8. Jailbait
9. Dance
10. Bite the Bullet
11. The Chase Is Better Than the Catch
12. The Hammer
 

・Lemmy Kilmister(Vocal, Bass)
・"Fast" Eddie Clarke(Guitar)
・Phil "Philthy Animal" Taylor(Drums)

1980年リリースの4th。このバンドはギターが2人になった時期もありますが、この3人が黄金期でしょう。

このアルバムは曲毎に変化があって、アルバム1枚通して聴いたら傑作には違いないのでしょうが、「じゃんじゃじゃじゃじゃじゃじゃーじゃ、Ace of Spades !、Ace of Spades !」、「じゃんじゃじゃじゃじゃじゃじゃーじゃ、Overkill !、Overkill !」って感じで同じじゃないの?という感じです。まぁ、Lemmyがいればカッコイイと思う人には大した問題じゃないのかもしれませんが、、、


Minstrel in the Gallery/Jethro Tull

2015-03-29 19:07:22 | レビュー

<List>
1. Minstrel in the Gallery
2. Cold Wind to Valhalla
3. Black Satin Dancer
4. Requiem
5. One White Duck / 010 = Nothing at All
6. Baker St. Muse
    )  "Pig-Me and the Whore
    )  "Nice Little Tune
    )  "Crash Barrier Waltzer
    )  "Mother England Reverie

<Member>
・Ian Anderson(Vocal, Flute, Guitar)
・Martin Barre(Guitar)
・John Evan(Keybord)
・Jeffrey Hammond(Bass)
・Barriemore Barlow(Drums)
 
1975年リリースの8th。Jethro Tullについては「プログレッシブ・ロック」と言われると同時に「トラッド」と言われますが、その「トラッド」という意味が私にはちょっと解りません。どういう音楽を「トラッド」というのでしょうか?
 
"War Child"は入手済みなのですが、実はまだ聴いていなくてその後に来る作品ですよね?この作品はその「トラッド」色が強い作品という論評を良く見かけるのですが、私の見解ではアコースティックな楽器とフルートのパートが増えたけど、エレクトリック・ギターが絡んでいつものJethro Tullじゃないかという感じです。Ian Andersonも相変わらず弾けていてよろしいし、リズムもいつも通り複雑でこれを以て「プログレ」というのも理解出来ます。既存の音楽にとらわれない自由な作品です。曲も一応は分かれてはいるけれど、アルバム1枚で1作品と捉えて差支えないでしょう。
 
隠れた銘盤とされていますが、このアルバムを許容する事が出来た人達は"Thick as a Brick"や"A Passion Play"という作品を通過した人達だからだと思います。Jethro Tullというバンドの魅力を伝えるのに最初に聴いて貰うのには、この作品はバンドの本質を突いている作品ではあるけれど、一般の人には「なんなのこれ?」って訳がわからないのだろうと思います。敷居が高いでしょう。
 
なので、をまずは"Thick as a Brick"と"A Passion Play"買って聴きましょう。


United Abominations/Megadeth

2015-03-28 18:06:02 | レビュー

<List>
1. Sleepwalker
2. Washington Is Next!
3. Never Walk Alone... A Call to Arms
4. United Abominations
5. Gears of War
6. Blessed Are the Dead
7. Play for Blood
8. A Tout le Monde
9. Amerikhastan
10. You're Dead
11. Burnt Ice
 
<Member>
Dave Mustaine(Guitar, Vocal)
Glen Drover(Guitar)
James LoMenzo(Bass)
Shawn Drover(Drums)

2007年リリースの11th。前作がDave Mustaineのソロアルバムの色合い強いアルバムだったのに対し、このアルバムはバンドとしての体制を整えて作成されました。ですが、クレジットをみると大佐のものばかりです。
 
1曲目からとばして、「Megadethはこうでなければ」と思わせる曲が立て続けに畳み掛け、途中テンションを抑えた曲も挟みつつ、セルフカバー曲で色を添え、最後までアグレッシヴに突き進みます。

「さすがDave Mustaine、さすがMegadeth。とても良いアルバムだった」と思いました。思いましたが、、、しばらくしてひとつの違和感を覚えます。なんかおかしくない?大佐の声。ん~そういう曲だからなのか?どうも以前のような艶やかさや表現力に欠けるのではないかと。"Countdown to Extinction"はボーカルが前に出過ぎていたのであのスタイルは要求しないのですが、前作より劣化している。その予感は次作でさらに顕著になります。ライブ映像を見ても全然声がかすれて出ていない。その音楽性は別としても"Countdown to Extinction"辺りの大佐の声はとても素晴らしかったと思います。ですが、これはそれと比べると別人の様。やはり寄る年波には勝てないのか!?
 
このアルバムで良いと思える曲は1曲目の"Sleepwalker"、9.11テロからインスピレーションを得たと思われる"Washington Is Next!"、ミドルテンポですがタイトル曲である"United Abominations"、こちらがオリジナルではないかと思わせる"A Tout le Monde"、他の曲が劣っている訳ではありません。
 
Dave MustaineとGlen Droverのギターのアプローチの違いが興味深いです。まず音が違うし、プレースタイルも違います。Glen Droverはあっさりテイストの速弾きギターリストという感じでそれはそれで大佐との違いを生んでいて私は好きです。上手いですから。"Sleepwalker"や"Washington Is Next!"での交互にソロを弾いているのを聴くとそれを強く感じます。良いと思うんですが。
 
思うんですが、このアルバム限りとなってしまいます。このバンドはメンバーの出入りが激しすぎます。それが良い結果をもたらすとは思えません。