もぐらたたき!

CDのレビューとかなんとか

Test for Echo/Rush

2015-05-30 22:42:56 | レビュー

<List>
1. Test for Echo
2. Driven
3. Half the World
4. The Color of Right
5. Time and Motion
6. Totem
7. Dog Years
8. Virtuality
9. Resist
10. Limbo
11. Carve Away the Stone

<Member>
・Geddy Lee(Bass, Vocal, Keybord)
・Alex Lifeson(Guitar)
・Neil Peart(Drums)
 
1996年リリースの16th。このアルバムは発売当初は良く聴いたものですが、Rushの作品の中で唯一(1stは対象外)の駄作だと思っています。前作"Counterparts"のキープコンセプトでプロデューサーも引き続きPeter Collins。これで駄作が出来る筈がないのですが。

まず1曲目の"Test for Echo"。ここ最近は最新作"Clockwork Angels"に至るどのアルバムも1曲目が弱いです。"The Spirit Of Radio"や"Tom Sawyer"のようにライブに外せない曲は生まれて来ないです。
 
インストゥルメンタルがグランジっぽいと言ってもこのアルバムでのGeddy Leeの声は優しすぎて、そのミスマッチのまま曲は進んでいきます。いや、これはもう角がとれてグランジとは言えないでしょう。
別にグランジにこだわっている訳ではありませんが、彼らの作品の中で一番グランジ色を感じさせる曲は前作の"Counterparts"に収録されている"Stick It Out"だと思います。それには到底及びません。どうも中途半端なのです。

とても残念に思うのは"Dog Years"~"Virtuality"です。彼らは予算も時間もたっぷりあったでしょうに、これらの曲を聴くとなんだか誰かにせかされて作ったような印象を受けます。
 
唯一救われるのが"Resist"です。良い曲ですよ。後(のち)のライブのセットリストの中に組入られる曲は本作からはこの曲だけですよね。
 
この作品を制作するにあたってNeil Peartはかなりの意気込みで臨みます。ドラムのレッスンを受け、これまでのスタイルをかなぐり捨てて、一から叩き方を再構築したそうです。マッチド・グリップからトラディショナル・グリップに変え、バスドラもツーバスを止め、ツインペダルになりました。個人的には以前の方が見ていてカッコイイのですが。聴いても違いが判りません。
 
そして"Test for Echo"はビルボードは5位まで上がったようですが、丁度この頃のアメリカは不況で折角の"2112"30周年ツアーも兼ねていたというのに客の入りが悪かったとか。
 
そして、その後のNeil Peartに降りかかる不幸。この頃がRushのどん底ですね。
ですが、見事に這い上がりました。
次作の"Vapor Trails"で倍返しです。


Nomansland Live in Poland/John Wetton

2015-05-23 23:29:46 | レビュー

<List>
1. Intro - Guitar Concerto
2. The Last Thing On My Mind
3. Sole Survivor
4. Book Of Saturday
5. Emma
6. Tatras
7. In The Dead Of Night
8. Bygosh!!
9. Easy Money
10. Rendez-vous 6:02
11. The Birth Of Igor
12. After All
13. Starless
14. The Night Watch
15. Suzanne(Bonus Track)

<Member>
・John Wetton(Vocal, Bass)
・Steve Christey(Drums)
・David Kilminster(Guitar)
・Martin Orford(Keybord)
 
2000年リリースの4枚目のライブアルバム。ソロアルバム"Arkangel"のリリースに伴うツアー。

"Arkangel"アルバムは少しダークな感じがするアルバムで、その中からも数曲披露されていますが、彼に求められる物は必然的に過去の華々しいキャリアからの選曲になってしまいます。
 
私は彼のライブアルバムを全部聴いた訳ではありませんが、このライブアルバムが一番好きです。
何がって、ここで演奏される雰囲気におちゃらけた部分はありませんし、かなりマジで演奏しています。
他のライブアルバムは「キミタチ、サイコダヨ」と言ってみたり、笑い声が聴こえたり、ポップな演出が感じられたりしたものですが、このアルバムはシリアスです。
 
3曲目はAsiaの中でもガキっぽい曲であまり好きではありません。"Wildest Dream"なんかを演奏したらもっとこのアルバムの価値は上がったでしょう。
 
しかし、往年の名曲をしっかり押さえていてとても好感が持てます。特に"Starless"を完奏したのはとても良いですね。
後半のインストゥルパートのバトルの方に魅力を感じる方もいる程ですから。
 
その往年の名曲のカラーを決めているのがギターのDavid KilminsterとSteve Christeyですね。
彼らの演奏はとても上手いと思います。しかし、David Kilminsterは切れ味がシャープだし、メタルギターリストのようで、非常にモダンな曲の様に感じられます。しかし、Allan Holdsworthのフレーズは無理みたいです。
ドラムのSteve Christeyもロックドラマーで、手数も多いし、ラウドです。
そして、主役のJohnですが、ベース弾けるじゃないですか。Asiaでは退屈なフレーズばかりで衰えたと思っていましたが、やれば出来るじゃないか(笑)
 
最後に"Suzanne"は良い曲ですが、プロダクションも違い明らかに取ってつけた様だし、最後の曲は"The Night Watch"で決めて欲しかったな。


The Carnival Bizarre/Cathedral

2015-05-16 22:12:50 | レビュー

<List>
1. Vampire Sun
2. Hopkins
3. Utopian Blaster
4. Night of the Seagulls
5. Carnival Bizarre
6. Inertia's Cave
7. Fangalactic Supergoria
8. Blue Light
9. Palace of Fallen Majesty
10. Electric Grave

<Member>
・Lee Dorrian(Vocal)
・Garry Jennings(Guitar)
・Leo Smee(Bass)
・Brian Dixon(Drums)

1995年リリースの3rd。あのNapalm Deathに在籍したLee Dorrianが結成したバンドです。しかし、Napalm Death人脈は凄いですね。YesやDeep Purple並です。

1stアルバム"Forest of Equilibrium"は世界一遅いメタルと言われ、世界中のお茶の間を席巻しましたが、これは最初の1、2回聴くのは良いですけど、何度も繰り返して聴くものではありません。メタル耐性がついていても気分が悪くなっていきます。バスの後ろの席で聴いたら吐きます。
さすがに1stの路線は2度3度と繰り返すものではないと考えた(普通そう思う)バンドは、ドゥーム・メタル(また新しいカテゴリーですね、、、)を追求していきます。

彼らのアルバムは1stから5thまでしかフォローしてはいませんが、その中でもこのアルバムが一番良いと思います。 

1曲目から3曲目はミドルテンポのチューニングを落としたメタルの音像なんですが、畳み掛ける様にノリノリの良い曲です。ボーカルのLee Dorrianがハジけまくっていて痛快です。それはジャンルは違いますがGenesisのPeter Gabrielを思い起こします。
3曲目は日本の歌謡曲で聴いたことがあるようなメロディーです。
 
その後それまでよりテンションが下がりますが、これが彼らの追求するドゥームメタルなんでしょうねぇ。
確かにOzzy Osbourneのいた頃のBlack Sabbathとの共通点を見いだすことが出来ますしバンドもBlack Sabbathをリスペクトしているようです。
 
聴いたことはありませんが、今のCathedralはプログレ路線を追求しているようです。
悪いけど、忙しいので、、、