もぐらたたき!

CDのレビューとかなんとか

Live/Alice in Chains

2015-08-29 22:53:41 | レビュー



<List>
1. Bleed the Freak
2. Queen of the Rodeo
3. Angry Chair
4. Man in the Box
5. Love, Hate, Love
6. Rooster
7. Would?
8. Junkhead
9. Dirt
10. Them Bones
11. God Am
12. Again
13. A Little Bitter
14. Dam That River
 
<Member>
・Layne Staley(Vocal)
・Jerry Cantrell(Guitar, Vocal)
・Sean Kinney(Drums)
・Mike Inez(Bass)
・Mike Starr(Bass)
 
2000年にリリースされたライブアルバム、というか別々の会場で録音されたものの寄せ集めの様です。今のテクノロジーを使えばぶつ切りの音源を簡単にひとつの流れにしたり、客の歓声を付加させたり出来るのでしょうね。
 
気になるのはLayne Staleyの健康状態。まだ元気だったのか、まずいのは外したのか彼をを気遣うような音源は入っていません。
事前に複雑な事情を聴かされなければ純粋に流れを楽しめるものになっています。
 
こうやってAlice in Chainsの音を聴くと、確かにベースは前に出ていますが、Jerry Cantrellのギターはグランジのギタープレイという感じはしません。うねっているよりクランチしているという印象の方が強いです。メタルのそれに近いです。
ギターソロもたくさん盛り込まれており、実に好感が持てます。
 
新しいボーカリストが入ってからのAlice in Chainsはあきらかにうなっていますが、Layne Staley在籍時代のAlice in Chains
は再考されるべきだと思います。そして新しいAlice in Chainsも。



Time Machine 2011: Live in Cleveland/Rush

2015-08-23 00:11:41 | レビュー



<List>
Disc1
1. The Spirit of Radio
2. Time Stand Still
3. Presto
4. Stick It Out
5. Workin' Them Angels
6. Leave That Thing Alone
7. Faithless
8. BU2B
9. Freewill
10. Marathon
11. Subdivisions
12. Tom Sawyer
13. Red Barchetta
14. YYZ
15. Limelight

Disc2
1. The Camera Eye
2. Witch Hunt
3. Vital Signs
4. Caravan
5. Moto Perpetuo/Love for Sale(drum solo)
6. O'Malley's Break(acoustic solo)
7. Closer to the Heart
8. 2112 Overture/The Temples of Syrinx
9. Far Cry
10. La Villa Strangiato
11. Working Man

<Member>
・Geddy Lee(Bass, Vocal, Keybord)
・Alex Lifeson(Guitar)
・Neil Peart(Drums)

2011年にリリースされた名作"Moving Pictures"を完全再現する事を主旨とするライブ。

もう4年前になるんですね。速いものです。翌年2012年には"Clockwork Angels"がリリースされ、またその翌年2013年には"Clockwork Angels Tour"がリリース。
Neil Peartと再起を図った"Vaper Trails"からフルレンスアルバム毎にライブアルバムもリリース。
実は未だこの"Time Machine 2011: Live in Cleveland"のDVDは購入したけれど見ていないし、"Clockwork Angels Tour"も未聴。同作DVDは日本盤がリリースされるのを待っていたけれど、配給元のワードレコードが過去の作品と抱き合わせで限定発売したものだから、同じタイトルを2作品購入するのは幾らRushのファンでもキビシイ・・・余裕が出来たら外盤を購入しようかと思っています。
ワードレコードは単独で日本盤を発売しなさい。
 
で、このところはいつもながら充実したてんこもりの内容になっています。
しかしながら、正直違和感を感じています。
これも時の流れが為せるものかと自分を責めたりもします。
 
"Snakes & Arrows Live"から感じていたのですが、Geddyのボーカルアプローチが変わりましたね。これは、低い声からひっくり返して高い声をを意識させる唱法なのか、歌い方に変な癖がついた(西城秀樹唱法!?)のかどうもラフな感じがします。フェイクが多い。
でも気持ちはわかります。もう同じ曲を何百回演奏したか判らないでしょうから。
しかしながらRushはインプロビゼイションというより、アルバムに収録されている曲通りカチッと纏めて再現するところに魅力を感じていた私にとっては、ちょっと残念なのです。
 
加えて、これもレコーディングテクノロジーに負う所が大きいのでしょうが、各パートが非常にパワフルな反面、各パートの付帯音と言うか残響と言うか、ガシャガシャ鳴っている様に聴こえるし、折角マッチドグリップに戻したNeil Peartのタイム感が損なわれている様に感じます。どうなんでしょうか?ツーバスはもう古臭いのでしょうか?ダブルペダルより細かいニュアンスが出せると思うのですが。
 
Alex Lifesonは要所は締めてますね。ギターソロは原曲のイメージそのままに演奏してくれます。
 
Geddy Leeのベースは結構自由にブリブリ言わせています。FenderのPrecisionベースの音ですね。さぞ弾きにくいでしょうに。さすが上手いんだなぁと思わせます。

そして、"Moving Pictures"再現へ。
多分映像を見たら印象が変わるんでしょうが、演出のSEの音がウザい。
淡々とレコード通りに演奏しても楽しくないでしょうけど、DVDのお楽しみは後にとっておきましょう。
ここでの聴き所は演奏が難しいからやらなかった"The Camera Eye"ですね。
これをやってくれただけで感涙ものです。
 
話は前後しますが"Presto"を聴く事が出来たのも個人的には嬉しかったですね。
そして、アルバム"Test for Echo"からは見事にスルー。

Geddy Leeのボーカルにはネガティブな意見を述べましたが、不思議な事に"Snakes & Arrows"からの曲は見事にマッチします。妙な力みも感じさせず、アルバムより魅力的に感じる程です。
そして、未だリリースされていなかった"Clockwork Angels"からの2曲は既に完成度の高い演奏を披露しています。
それらを鑑みると、やはりレコーディング・テクノロジーの進化に依るところが大きいのでしょうね。

その後にリリースされる"Clockwork Angels"を指してプログレ時代に戻ったとか、グランジ色が強まったとか色々な意見を見聴きしますが、私は今のRushはラウドロックというニュアンスが一番近いと思います。

また曲に戻りますが、"La Villa Strangiato"はイントロが実に洒落ていて見事。本当にセンスが良いです。本編もいささかの衰えも感じさせず、Alex Lifesonはより上手くなった様な気さえします。

そして最後は"Working Man"。1stアルバムはほとんど聴かないのですが、このレゲエ調のアレンジはこの曲に新しい生命を吹き込んでいます。この曲が好きになりました。



Never for Ever/Kate Bush

2015-08-15 22:30:53 | レビュー

<List>
1. Babooshka
2. Delius (Song of Summer)
3. Blow Away (For Bill)
4. All We Ever Look For
5. Egypt
6. The Wedding List
7. Violin
8. The Infant Kiss
9. Night Scented Stock
10. Army Dreamers
11. Breathing

1980年リリースの3rd。
前作"Lionheart"は『歌姫』の作品として相応しいものでした。
この頃は若くてとても美人ですから。
今はすっかりおばはんですけど(苦)

その次作である"Never Forever"は、その『歌姫』を揺るぎないものにさせるのではなく、キチキチ路線に片足を踏み入れるのでした。
黙ってキープコンセプトの作品を作っていたら『歌姫』を不動のものとしていただろうに。
やはり、彼女は一癖も二癖もあるミュージシャンであり、アーティストでした。
『アーティスト』はCMに出たり、ドラマに出たりはしません。
かなり権限と自由度を与えられたのでしょう。
アルバムアートもキチキチ。
『ミュージシャンシップ』を強く感じさせる作品です。

そして次作の"The Dreaming"でキチキチ全開です。

女性ボーカルものというとどうもイージーリスニングみたいなものを連想してしまうので興味が湧かないのですが、この頃のKate Bushは別です。

日本に『歌姫』と呼ぶに相応しい人はいるのでしょうか?
外人と一緒になった方も「羊水が腐る」と言った方もどんな作品をリリースしたか知らないし、曲も聴いた事がありません。
ぶぶーだけど故美空ひばり先生しか思い浮かびません。


Powerslave/Iron Maiden

2015-08-08 23:24:25 | レビュー

<List>
1. Aces High
2. 2 Minutes to Midnight
3. Losfer Words (Big 'Orra)
4. Flash of the Blade
5. The Duellists
6. Back in the Village
7. Powerslave
8. Rime of the Ancient Mariner

<Member>
・Bruce Dickinson(Vocal)
・Dave Murray(Guitar)
・Adrian Smith(Guitar)
・Steve Harris(Bass)
・Nicko McBrain(Drums)

1984年リリースの5th。バンドはアルバムごとによりプログレッシヴ、そして大作志向に傾倒していきます。
 
それまでディストーションで着飾ったLAメタルを聴いていた耳にはアルバム冒頭のイントロから笑わせてくれるなぁと思いました。
エフェクターを使わずアンプのドライブトーンだけの様なそのサウンドは、これがブリティッシュ・へヴィーメタルの音像なのかと確認させてくれたアルバムです。

で、その"Aces High"。ファストなうえに高音を駆使しないと歌いこなせないBruce Dickinsonには過酷な曲。
声域が広いからと言って高音を駆使した曲を作ると、後々困ります。なのでライブの定番にはなり得なかった名曲です。
 
2曲目の"2 Minutes to Midnight"はAdrian Smithの指向するものが良い方向で反映されたこれも名曲ですね。Iron MaidenにAdrian Smithは必要な人です。
 
アルバム曲"Powerslave"辺りから大作志向を強めていきます。エジプト風のメロディーを加味しても陳腐なものにならなかったのは素晴らしいですね。
 
そして最後の曲、"Rime of the Ancient Mariner"はIron Meidenの中で一番長い曲ではないかと思いますけど、ある音楽評論家が「冗長である」という否定的な趣旨を事を言っていました。それはこの曲人関してはあたらないと思います。曲の長さに上手くフィーリングを込めた傑作だと思います。無駄に長くはありません。Pink Floydの"Echoes"の様に。似通った曲ではありませんが、あの曲と同じような説得力を感じます。
 
大作主義となるとインストゥルメンタルパートが多くなる訳ですが、プログレバンドは一部を除き専任にボーカリストを置かないですね。専任ボーカリストを置くと暇を与えられます。少ない人数で緊張感とテンションを保って演奏するのが良いですね。
 
なので、ギターは3本も要りません。
 
このアルバムに続いてライブアルバム、"Live After Death"をリリースします。その下地となった充実した内容のアルバムである事は疑いの余地がありません。


Hysteria/Def Leppard

2015-08-01 22:58:18 | レビュー

<List>
1. Women
2. Rocket
3. Animal
4. Love Bites
5. Pour Some Sugar on Me
6. Armageddon It
7. Gods of War
8. Don't Shoot Shotgun
9. Run Riot
10. Hysteria
11. Excitable
12. Love and Affection

<Member>
・Joe Elliott(Vocal)
・Phil Collen(Guitar)
・Steve Clark(Guitar)
・Rick Savage(Bass)
・Rick Allen(Drums)
 
1987年リリースの4th。彼らの最高傑作にして最も売れた作品。そしてその後、Def Leppardはこれを超える作品を作ることが出来ません。
 
とっても良い音と練りに練り込まれた楽曲、アルバムジャケットから当初なにか知的なものを感じました。
アルバム全般に渡って一片の綻びもなく整合性があります。

このバンドの特徴は?と聴かれるとなんと答えて良いか具体的な表現が見つかりませんが、彼らのサウンドの特徴のひとつにギターサウンドがあります。
私の記憶が正しければメタルのピックアップを使っているとか、アンプがトランジスターアンプを使っているとか。
まぁ、エコー、リバーブ全開のサウンドと言っておきましょう。
 
Def Leppardはデヴュー時期がNew Wave Of British Heavy Metalと重なったものですから、当初その一派という捉え方をされていたようです。
しかし、決してメタルではありません。ポップなロックです。
このアルバムはひたすらミドルテンポの曲で占められています。あえて言えば"Run Riot"がちょっぴり疾走感を感じるくらいです。
それでもこのアルバムは実に安定感があります。
ポップですが、良いのです。
 
後追いでこれも評価が高い3rdの"Pyromania"を聴きましたが、悪くはないけど希薄な印象しか残りませんでした。
そして5th"Adrenalize"の1曲目にしてファーストシングル、"Let's Get Rocked"を聴いて倒れました。起き上がれません(苦)