毒まんじゅうはいかが?

CDのレビューとかなんとか

Among the Living/Anthrax

2015-06-27 22:28:08 | レビュー

<List>
1. Among the Living
2. Caught in a Mosh
3. I Am the Law
4. Efilnikufesin(N.F.L.)
5. A Skeleton in the Closet
6. Indians
7. One World
8. A.D.I./Horror of It All
9. Imitation of Life
 
<Member>
・Joey Belladonna(Vocal)
・Dan Spitz(Guitar)
・Scott Ian(Guitar)
・Frank Bello(Bass)
・Charlie Benante(Drums)

1987年リリースの3rd。このアルバムのレヴューというより、バンドの総括をしたいと思います。

初めて彼らのアルバムに触れたのはJoey Belladonnaが加入する前の作品"Fistful of Metal"で他に魅力のあるアーティストや作品が沢山あったので、このアルバムがとりわけ魅力的には思えませんでした。しかし、1984年から現在のスタイルを確立している事はスラッシュメタルのムーブメントを形成していたバンドだったのだなと思う次第です。

この頃はMetallicaが"Ride the Lightning"を、1年後の1985年にはSlayerが"Hell Awaits"をリリース。同年Megadethが"Killing Is My Business... and Business Is Good !"をリリース。この4つのバンドを日本ではスラッシュ四天王等と呼ばれ、次期にLAメタルの連中を撃沈する様は痛快でもありました。
 
しかしですよ?Anthraxはスラッシュ四天王の仲間に入れるのにはちょっと違うんじゃない?
正直、スケーターズロックという印象がとても強くて自分には関係ないバンドだと思い、敬遠していました。
Joey Belladonnaが脱退して、Armored SaintのJohn Bushが加入して、メロディアスになり安定したと思ったら、"Among the Living"時代の黄金期を取り戻そうとしてJoey Belladonnaが出戻ってJohn Bushが捨てられたり、とてもかわいそうに思いました。
 
このバンドはリズム命です。へたうまなJoey Belladonnaを除いてみんな上手いとは思うのですが、正直メロディアスではありませんね。そして、歌詞も英語なので良く解りませんが、実にくだらなそうです。このアルバムでも"I Am the Law"とか、"Efilnikufesin(N.F.L.)"とか「嗚呼~」って感じですね。深みがない。
 
そんな中このアルバムが彼らの最高傑作とされていてそれには私も異存はありませんが、スラッシュ四天王で括るのはどうだか。
このアルバムは良いアルバムですよ。


Thankyou & Goodnight/It Bites

2015-06-20 23:18:38 | レビュー

<List>
1. Kiss Like Judas
2. All In Red
3. Underneath Your Pillow
4. Murder Of The Planet Earth
5. Ice Melts (Into Water)
6. Yellow Christian
7. You'll Never Go To Heaven
8. Calling All The Heroes
9. Screaming On The Beaches
10. Still Too Young To Remember

<Member>
・Francis Dunnery(Vocal, Gitar)
・John Beck(Keybord)
・Dick Nolan(Bass)
・Bob Dalton(Drums)

バンドが解散後の1991年にリリースされたライブアルバム。

上手い、音も良い、リードボーカルもコーラスもとても綺麗。
スタジオアルバムに忠実に演奏されており、遊びの部分は少ないです。
各楽器のソロパートもスタジオアルバムと同じでボーカルのフェイクも少ないです。
それでいて無機質にならず、曲が躍動するのは凄い事です。

意外なのは1stからの曲が多い事です。

マテリアルがオリジナルアルバム3枚しかないとはいえ、短い。短すぎる。不自然に短い。
いや、充実した演奏が長さを感じさせないのかもしれません。
今時、パンチイン、オーバーダブ、なんでもありなんでしょうけど、もう2、3曲加えて貰えませんかね?

"Once Around the World "辺りを御願いしますよと思っていたら、もう一枚のライブアルバム"Live in Montreux"に収録されていました。
 
とにかく、It Bitesの3枚のスタジオアルバムを全部揃えて、このアルバムを買いましょう。そして"Live in Montreux"も。
そうしたら一生幸せになれますよ。


In the Spirit of Things/Kansas

2015-06-13 23:08:01 | レビュー

<List>
1. Ghosts
2. One Big Sky
3. Inside of Me
4. One Man, One Heart
5. House on Fire
6. Once in a Lifetime
7. Stand Beside Me
8. I Counted on Love
9. The Preacher
10. Rainmaker
11. T.O. Witcher
12. Bells of Saint James
 
<Member>
・Steve Walsh(Vocal, Keyboard)
・Steve Morse(Guitar)
・Rich Williams(Guitar)
・Billy Greer(Bass)
・Phil Ehart(Drums)

1988年リリースの11th。Steve Morseが加入後の2作目。なので、Kansasのひとつの看板であったバイオリンがありません。以前の曲をライブではどのようにアレンジしていたんでしょうね?
 
前作"Power"ではハードロックのKansasを標榜していましたが、この作品では更なる音楽性の変化を遂げます。
それは非常におしゃれで、私はあまり使いたくない単語(日本でしか通用しないらしい?)ですが、AORというジャンルに入れても差し障りのないと考えている方が多いようです。
ですが、それは違うと思います。
 
当時のKansasはAOR風にしたら売れるのではないだろうか?と考えてこのような作品を作るようなバンドではないと思います。
絶えず音楽性を変化させていく姿勢は称賛されて然るべきです。
どの曲もとても練られた良い曲の集まりです。
そのパフォーマンスはさすが、たいしたものです。
おそらくAORと呼ばれているアーティストはシーケンサーばかり使ってミュージシャンシップが足りないのでしょうが、Kansasはライブパフォーマンスでも見事に再現していたでしょう。
Steve Morse脱退後はこのアルバムからライブのセットリストに加えられることは無くなったでしょうが。

それよりもSteve Morseが脱退した後の作品の方が問題がです。
次作"Freaks of Nature"では、バイオリン兼タッピング等モダンなテクニックを使うギターリストを加入させ、"Somewhere to Elsewhere"ではRobby Steinhardtを再加入させて"Point of Know Return"辺りのプログレKansasの再興を狙っている様に思えました。
さすがにSteve Walshの声も高い方がダメ。
 
この作品に唯一難癖をつけるとしたら、"Bells of Saint James" がどうも最後の曲として相応しいか疑問なところです。
曲順を変えて"Rainmaker"辺りで最後になるようにした方が良かったかも知れません。