吉良吉影は静かに暮らしたい

植物の心のような人生を・・・・、そんな平穏な生活こそ、わたしの目標なのです。

英国ドラマ:『宇宙戦争』The War of the Worlds(H.G.ウエルズ原作)

2022-07-16 13:28:00 | 映画・ドラマを観て考えよう
 いま旬なドラマ『宇宙戦争』をご紹介したいと思います。

 見掛けは旧い作品のような体裁をとっていますが、2019年にBBCで製作されたドラマです。

 H.G.ウエルズの宇宙戦争はオーソン・ウエルズがラジオドラマ化して以来、何度もドラマや映画に仕立てられています。

 この誰もが知るような古典的作品をどうやって新作に仕立てるかは製作側もアタマを痛めるところ。イマドキ『火星人の侵略』なんて言っても『火星に生命なんてあるのか?』と返されそうな現代では作品にリアリティーを持たせるのは至難のワザです。


※ロンドンに向けて進撃するトライポッド。原作通り三本脚で歩行します。

 このドラマは何と『未来を回想する』ドラマ造りを行ってその問題を解決してしまったのです。何というウルトラC‼️かつて人間がこのように想像していたであろう未来を(過去を振り返るように)描き出しているのです。すでにSFじゃなくて歴史モノになっちゃってます。

 時は1905年、エドワード時代のイギリスに火星からの飛来物が墜落します。これが侵略の始まりでした。

 今回のドラマでは最初イギリス政府が『ロシアの攻撃じゃないか❓』と疑うところが出色のシナリオです(もしかしたらBBCは3年前に🇷🇺ロシアの🇺🇦ウクライナ侵略を予想していたのかしら❓)。イギリス自身も植民地拡大に血道をあげていた時代背景の中で、火星からの侵略が(その時代なりのリアリティーで)描かれます。


※主人公のジョージ

 主人公のジョージは妻との離婚協議中で恋人のエイミーと災厄の中を生き延びます。この2人の恋の行方も気になるところ。


※エイミーとフレデリック(ジョージの実兄、二人の交際に反対しています)

 火星人は原作に忠実な三本脚の巨大マシーン『トライポッド』でロンドンに向かって進撃し始め、同時に地球の火星化(マーズフォーミング❓)を進めて地球環境を激変させてしまいます。

 この設定は現代の地球温暖化を含む環境問題もさりげなく鏤められていて興味深いところです。


※巨大なトライポッドの映像化が見処です。

 深夜枠(TV大阪毎週木曜深夜25:00~26:00)なので録画以外ではまず観ることはできませんが、ご興味を持たれた方はぜひご覧ください。オススメします。
 

追記 全4回だそうで、明日(7月21日深夜で最終回だそうです、見るならお早めに‼️)