吉良吉影は静かに暮らしたい

植物の心のような人生を・・・・、そんな平穏な生活こそ、わたしの目標なのです。

ベルギー奇想の系譜展(兵庫県立美術館/2017年5月20日~7月9日)

2017-06-01 08:52:48 | 日々美しいものに触れようよ
 いやー!これは楽しい!!!久々にイイ展覧会でした。

 それにしてもベルギー人って、どうしてこんなにヘンなんだろう!

 ポスターから抜粋しました(ボス「トゥヌグダルスの幻視」)。

 ※騎士・トゥヌグダルスが生死をさまよう間に、天使の導きによって天国と地獄を見てきたという逸話をもとに描いた絵画

 展覧会は3部構成で、第1部が「ボス,ブリューゲル,ルーベンス」、第2部が「ロップス,ベルギー象徴派,アンソール」、第3部が「デルヴォー,マグリットヤン・ファーブルそして現代美術」と盛り沢山!・・・私は特に第1部が楽しかった!



 映像で展示作品をCGで動かす試みがあって、ブリューゲル「大魚は小魚を呑む」では、打ち上げられた大魚の腹がナイフで裂かれると傷口と口から無数の魚が溢れだす・・・画面右上(○で囲った中)にヘンなものが飛んでいるのに、今回初めて気付きました。

 この映像作品は必見!今まで気付かなかった細部がイキイキと描写されてます。

 第2部以降も悪魔的なロップスにアンソール、第3部でもシュルレアリスムの先駆となったデルヴォーやマグリットの展示が充実。
 これは見逃せません。オススメです!

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 <その他の主な展示作品の例>

 ロップス「至高の悪徳

 ※ボードレールの詩に強く影響を受けたロップスには、こうした悪魔的な作品が多いです。

 アンソール「キリストの誘惑

 ※骸骨と仮面を描いて有名なアンソールが、キリストを誘惑する悪魔を描いた作品。
  次の瞬間キリストは「退けサタン!ひとは麦餅(パン)のみにて生くるにあらずぢゃ!」と答えます。

 デルヴォー「海は近い

 ※シュルレアリスムのはしりといわれるデルヴォー。
  描かれている女性は全て同一人物で、モデルはデルヴォーの奥さんというウワサが・・・。

 マグリット「大家族

 ※だまし絵的な作品で有名なマグリットもベルギーの人です。

 ヤン・ファーブル「フランダースの戦士

 ※玉虫の死骸が戦士の身体を覆い尽くす・・・別名『絶望の戦士』。