強迫行為について

　強迫行為を行う人がいる。鍵を何度も確認しなくてはいけないとか、手をいつまでも洗っていないと気がすまないとか。
　そういう人に向かって、「私も同じような行為をします。みんな同じですよ。」と言ったところで、その悩んでいる人にとって何の役にも立たないことを悟った。

　強迫行為をしてしまう人は、頭ではそのことがどこかおかしいということに気づいている。だけれども、それを止めずにはいられない、ということなのでしょう。

　私も人にどう思われるかを非常に気にする。先日、１０人くらいの人を前に話をする機会があったのだが、終わってからまたしてもずいぶん落ち込むことになった。こればっかりはどうしようもないものだと悟った。

　でも救われているのは、せわしなく動いているというのが身についていてしまっているから、なんやかんやと身の回りのことを色々やっているうちに、その落ち込みからも次第に回復してきた。これは有難いことだと思った。

　私は強迫行為を持っていないから、そういう人の苦しみを本当の意味では理解し得ていないところがある。けれど、強迫行為をしてしまうということも、私の落ち込みと同様に仕方のないことと諦めて、日常生活の中に邁進していくしかないのかもしれない。それが、「あるがまま」、「そのまま」ということになるのでしょう。