山本史郎・斎藤兆史 訳 寺崎百合子 絵
偕成社
救貧院で生まれ養育院で育ったオリバー・ツイストは9歳で葬儀屋の働き手として貰われていきます。今まで、薄いお粥しか食べられなかった生活が、たっぷり食べられるようになるのですが、それは粗末な残飯でした。主人に可愛がられるようになると、オリバーは、他の使用人にいじめられ、逃げ出します。田舎からロンドンに向かう途中、親切な少年に食べ物や、泊まるところを世話してもらうことになります。しかしそれは、悪の道への入り口でした。
200年前のイギリスの貧困層や、権力の横行にどんよりとした暗い気分に陥ります。逆に善良な市民の清らかな心と、力強さも存在し安堵します。これは、アンクル・トムの小屋を読んだときの心待ちとも似てると思いました。
6年生以上の読みものかなと思いました。