富山和子 作
大庭賢哉 絵
講談社
わたしたちのまわりには、森林から作られたものがいっぱいあります。家、服、楽器、ノートなど。酸素。生き物を育むのだから、石油もそう。水道の水も。農業も。
日本の国土の七割は森林。オランダやイギリスでは、森林は国土の一割にもならないそう。ヨーロッパの神殿が石造なのに対して、日本の古い町は、木の家が並んでいるし、橋も木造りでした。
法隆寺は、木造りで千三百年もびくともしません。
紙も身近にある木から作られています。
雨が、ゆっくり地下にしみこみ、何百年もかけて、わき出し飲み水となります。それも森林がなければ、かなわないことです。
そしてきれいな水、自然の栄養を含んだ水は、川の魚や海の生き物の命を育むのにも関係しています。
そして、木は、防風林として、家や、畑を守るということもあります。
森林が、人間、そのほか生き物の命を支えていることがわかる一冊です。