
先月末のニュースになるのだが、「毎日新聞」(茨城版)に
「
世界最大の「花」、開花――つくば」なる記事が出ていた。
内容を拾うと、「つくば市天久保の国立科学博物館筑波実験植物園で(5月)
25日午後、世界最大の「花」、
ショクダイオオコンニャクが開花した」
――というリードの一文。もちろん、ぼくは「コンニャク」に反応した訳で。
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しかし、ここでたぶん、皆が心に思い浮かべる疑問。
世界最大の花って、
ラフレシアじゃなかったっけ?
子供の頃の図鑑などで、えげつない花の図版をしつこく見なかった?
本当にショクダイオオコンニャク(
燭台大蒟蒻)の花が最大なの?
手っ取り早く、「
Wikipedia」で検索してみる。
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まず、ショクダイオオコンニャク=「
花序とその付属体、および
仏炎苞の複合体は直径1.5mに達するとされ、その縦寸は3.5mまでになった
記録もある。肉穂花序の先端は棍棒状の付属体となり、
その下の仏炎苞に包まれた部分の上部に雄花、下部に雌花が密生する」。
対するに、「有名なラフレシアの最大種である
Rafflesia arnoldii の花は
最大で直径90cmと、
送粉者を誘引して受粉系となる単位器官としては
これより小型である」。ほほぅ と感心。
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よって「R. arnoldii が単体の花であるのに対し、
スマトラオオコンニャクの巨大な「花」は花序であり、
そこに密生する個々の単体の花はごく小さい。
そのため、
単体の花としては R. arnoldii が世界最大である」とまとめ。
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単体の花としては、いわゆるラフレシアが世界最大だけれども、
(「花序」は厳密には花でなく、
花をつけた茎または枝)
植物学にも何も詳しくない普通の一般人が、ぱっと見て
“花”だと思うものとしては、ショクダイオオコンニャクが最大ということ。
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そういう次第だから、「毎日新聞」の記事も「開花した」という一文の後、
「花びらはなく、
多数の雄花と雌花の集合体(花序)を包み込む
仏炎苞が開いた」と続けられています。言い訳がましくないw?
ただ、見出しを付ける整理記者としては、
「
世界最大の『花』」と言い切りたい気持ちは、痛いほど伝わってきます。